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平成27年05月23日
株式会社ランドネット

海外への投資額の推移についての分析

   なぜいま、日本の個人投資家たちは海外不動産へ積極的な姿勢をとっているのか?

1980年代頃から、いまに至る「日本人の、海外不動産投資への注目」について、列挙しました。



海外への投資額の推移



■1989年・バブル期――海外資産の買い占め・貿易摩擦

1989年、海外直接投資額が7兆3,468億円に達し最高を記録。
日本のバブル絶頂期の1990年、三菱地所がロックフェラーセンターを、ソニーがコロンビアピクチャーを相次いで買収しました。この年の海外投資は、不動産・金融など非製造業が投資の中心となり、全体の4分の3を占めています。この時期は、海外に日本メーカーの生産拠点も少なく、雇用を奪う存在として「ジャパン・バッシング」が続発しました。1991年にバブルが崩壊し、海外への直接投資は半減します。


■2001年・失われた10年――国内外に続く不況

海外投資に動きはほぼ見受けられず、1兆6,000億円から3兆3,000億円のほぼ横ばいで推移。
ドル円は1995年にいたるまで続落して1ドル94.05円となり、以後反転して1998年には130.9円の円安になっています。通常、急激な円高になれば、その力で海外への投資が増えるはずですが、その反応は見られませんでした。これは、いかに日本企業の経済力が弱まっていたかの証左となります。


■2008年・いざなみ景気――海外進出と現地化

2002年に海外への投資が増え始め、2008年には8兆440億円を記録。
07年は、資源価格高騰のため、鉱山権益の獲得のためブラジル、オーストラリアで海外投資が急増します。08年はさらに大幅に増加し、9兆9,246億円を記録。特に北米向け投資が大きく伸びました。これらはバブル期と異なり、現地への設備投資を進めたため、融和が図られました。しかし、08年3月に発生したリーマンショックによって、09年の投資額は前年比30%下落します。


■2011年・円高不況――海外へ定着する企業

2011年、円高を利用した日本企業による海外への積極的買収もあって9兆9,004億円と著しく増加。対外投資は前年比147%。
11年のドル円は平均79.80円と史上最高の円高でした。アジア向けは、インドネシア7倍、タイ3倍、ベトナム2.4倍、中国向けも60%増となっています。海外に生産拠点を移し、現地で作られた製品を日本に逆輸入すれば、円高のデメリットを相殺できます。これらの理由から、100円ショップ、格安家具店などのいわゆる「不況産業」が躍進します。


■2014年・アベノミクス――リスクヘッジする現地生産

14年からは1ドル約120円の円安基調が続いていますが、海外への直接投資はやみません。
ここにきて日本からの直接投資が、内需型産業といわれたサービス産業にまで広がっています。外食、小売り(スーパー、コンビニ)、アパレルなどサービス業各社の積極的な海外展開が目立ちます。外食各社はこれまで中国市場を中心に展開してきましたが、賃料、人件費が高騰し、投資収益を圧迫しつつあることから、東南アジア地域への出店が加速しています。アパレルも低価格品を中心に中国に集中する生産体制を見直す取り組みを進め、生産拠点のASEAN諸国へのシフトが行われています(チャイナプラスワン)。


最後に

少子高齢化が進む日本では需要が徐々に減っていくと予想されており、これまで国内市場を主な販売先としていた非製造業は、企業として成長を続けていくためには、高い伸びが見込まれる新興国の需要を取り込んでいく必要があります。このため、最近では非製造業の中にも、海外拠点を増強、海外企業へのM&Aや資本参加を積極的に行うケースが増えています。


(参考資料:大和総研「アジアンインサイト」2012年9月27日 三菱UFJリサーチ&コンサルティング「けいざい早わかり2012年度第3号」)

ーランドネット 経営企画室


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