管理費や積立金は単なる固定費じゃない。不動産投資でマンション管理が大切な理由

不動産投資に限らず、マンションの区分所有者となるとマンションの管理費や修繕積立金を毎月支払う必要があります。
マンションを所有している以上、これらの費用負担は避けられないものですが、管理費や積立金がどのようにマンション管理に活かされているのかを考えたことはあるでしょうか。
今回は、不動産投資においてマンション管理が重要な意味を持つ理由についてご紹介します。
1.不動産投資に関わる2つのマンション管理
不動産投資を行う際に必要となるマンション管理と聞くと、どのような内容をイメージするのでしょうか。
不動産投資に関わる管理には、賃貸管理と物件管理の2つがあります。
不動産投資の際の賃貸管理とは
不動産投資を開始すると、入居者からの家賃の回収、入居中の種々のトラブルに対する対応が必要になります。
入居者が退去をするタイミングでは退去時の立会いや室内の利用状況に関する確認、原状回復工事の手配、入居者募集活動とさまざまな管理業務が必要となります。
また、万が一、入居者からの家賃の支払いが滞ってしまった場合には督促業務も必要になり、入居者が家賃の支払いに応じない場合には法的な手段も取らなければいらない事態にも発展します。
これらの入居者に関わる管理が賃貸管理の業務です。
不動産投資の際の建物管理とは
賃貸管理とは別に、所有するマンションの建物自体も管理が必要になります。
マンションを一棟所有している場合は別として、不動産投資の多くの場合には区分所有者としてマンションの一部を所有することとなります。
マンションではそれぞれの区分所有者が集まり、マンションの管理組合を結成し、区分所有者から選出された理事が代表してマンション管理組合を運営しています。
管理組合は区分所有者から管理費と修繕積立金を回収し、共用部分であるエントランスやエレベーターなどの維持管理、建物の修繕計画の策定と実施を行います。
こちらも建物の管理をするためには必要な管理です。
2.不動産投資で賃貸管理を重視すべき理由とは
では、なぜ不動産投資においては賃貸管理が大切なのでしょうか。
入居者トラブルには早急な対応が必須
賃貸管理はオーナーが一人で対応することも不可能なわけではありません。しかし、所有物件の給湯システムが故障してしまった場合や水漏れが発生してしまった場合等、入居者からいつ緊急の要件で連絡が入るのかはわかりません。
不動産投資を行っている方のほとんどが会社勤めの方であり、勤務時間中に入居者からの連絡を受けても、すぐに応じることは難しいのが現状です。
しかし、自分を入居者の立場に置き換えて考えると、トラブル発生時にすぐの対応が難しい物件に魅力を感じるでしょうか。
入居者トラブル対応を誤ると入居者の満足度が低下し、退去につながる恐れもあります。
そのため、入居者トラブルはできるだけ早急に対応する必要があり、不動産投資では、入居者のニーズに迅速にこたえるためにも賃貸管理を代行する会社に管理業務を委託することがほとんどです。
退去時のスムーズな対応が空室リスクを低減させる
不動産投資を行っている間は、多かれ少なかれ入居者の退去と新たな入居者の募集に対応しなければならないタイミングがやってきます。
退去時の立会いやその後のリフォーム工事の手配など、プロの眼でのチェックが必要な場合もあり、管理を専門とする業者だからこそリフォーム業者をスムーズに手配できる場合があります。
特に引っ越しシーズンなどに急な退去の申し出があった場合などでは、リフォーム業者の手配に時間がかかり、人の流れに合わせた募集活動を行うことができず、次の入居者を獲得するタイミングを逸してしまうこともあります。
管理業者にこれらの業務を委託することは、空室リスクを減らし、部屋の稼働率を上げることにもつながるのです。
3.マンション自体の管理体制も重視すべき理由とは
不動産投資の際に大切なもう一つの管理、マンション管理はなぜ重要なのでしょうか。
入居者は室内だけでなく建物全体の印象から入居を決める
新たに賃貸物件を探している人は、エリアや駅からの距離、家賃、部屋の広さなどの条件を基に物件を探しますが、それだけで入居を決めるわけではありません。
室内の状態はもちろん、建物の外観や共有部分の状態も目で確認したうえで入居を決めることがほとんどです。
共用部分にゴミが放置されたままの物件や外壁の塗装が剥がれ、老朽化が著しい建物などは決して入居を決める際のプラス材料となることはありません。
そのため、どれだけ室内をリフォームし、きれいな状態を保ったとしても建物自体の管理が不行き届きの場合は入居者の獲得が難しくなってしまうことがあります。
マンション管理組合が機能しているマンションを選ぶ
マンションの共用部分や外観の維持状態が良好であることが、入居の動機に関わると述べましたが、1人の区分所有者であるオーナーがマンション自体の外観や共用部を自分が思うような状態に維持できるわけではありません。
共用部や外観等の手入れがしっかり行われている物件は、マンション管理組合がしっかり機能している物件であり、管理が行き届いたマンションはマンション自体の資産価値を維持することにもつながります。
そのため、投資目的のマンションであってもマンション管理組合によって建物がきっちりと管理されている物件を選ぶことが大切です。
そして、可能な限りマンション管理組合が開催する総会などにも参加し、マンションの管理状況をしっかりと把握し、積極的に管理活動に関わることも大切だと言えます。
4.まとめ
不動産投資では、室内や入居者の管理と建物自体の管理の両方が大切です。
入居者トラブル等に速やかに対応するためには、これまでに入居者管理でしっかりとした実績を持つ管理会社に依頼することが重要です。一方、建物自体の管理に関しては物件購入時にマンション管理組合がしっかり機能している物件を選び、管理費や積立費を支払うだけでなく、マンション総会等にも積極的に参加してマンションの資産価値を維持できるように努めることも不動産投資を成功させることにつながると言えます。