ワイド団信(うつ病)ローンとは?フラット35とも比較

マイホームは、人生において最も大きな買い物といっても過言ではありません。
多くの方が住宅ローンを組んで購入しますが、住宅ローンを借り入れる際に団体信用生命保険(団信)に加入することを義務付けている金融機関も多いです。
しかし、うつ病を患っていたり、または現在寛解状態でもうつ病だった過去があると、団体信用生命保険(以下、団信とします)の審査に通りにくいと言われています。
そこで今回は、上記の方でも審査に通る可能性のある「ワイド団信」について解説していきます。
1.住宅ローンと団信の基本知識
住宅ローンとは、金融機関から住宅の購入資金を借りる仕組みのことです。
マイホームの購入者は、大金を借り入れることになるので、病気や事故など、万が一のことがあって毎月の返済が出来なくなったら、購入資金を融資している金融機関にとって大きな損失となってしまいます。
そのため、住宅ローンの多くが、団信に加入することを義務にしているのです。
団信は「団体信用生命保険」という名の通り、保険であり、契約者がローンを払えない状態になった際、保険金でローンの残高をまかないます。
ローンが払えない状態というのは、正確には死亡または高度障害になった時です。高度障害とは、両目が見えなくなる、介護が必要なほどの障害を負うなど、とても働くことの出来ないような状態のことです。
2.うつ病でも団信に入れる?
団体信用生命保険(以下、団信)に加入するには、審査があり、申し込みをする際に健康状態について告知しなければなりません。申し込みをする金融機関や団信によって多少の差異はありますが、最近3か月以内に受けた治療や投薬、過去3年以内にある特定の病の治療を受けたかどうかなどが問われます。
うつ病を患って病院へ行き、治療を受けたことは、必ず伝えなければならない告知内容です。
現在うつ病である、またはうつ病の治療をしていたと告知すると、団信の審査に落ちてしまう可能性は高いですが、100%落ちるというわけではないので必ず書きましょう。
うつ病の状態次第では、審査に通ることもあり得ます。
「確かに2年前にうつ病の治療をして薬も飲んでいたけれど、もう飲んでいない。それにすっかり元気になって働いているし、わざわざ不利なことを告知する必要はないのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、絶対に告知してください。
嘘を伝えてしまうと、告知義務違反に該当し、保険契約が解除される、詐欺として扱われて保険金が支払われない、などということになります。
例えば、上記のようなケースであれば、うつ病を隠すのではなく、「今はうつの症状も無く、薬を飲まずとも安定している」
ということを伝えた方が団信に加入できる確率は上がると思われます。
うつ病だと団信に入れない
・うつ病の罹患歴を隠すと告知義務内容にあたる
・告知義務に違反すると団信は受けられないor解除される
3.ワイド団信とは?
それでもやはり、うつ病を患っていたという事実は特に厳しい審査対象となるので、団信の審査に落ちてしまい、入れないこともあるでしょう。
そんな時は、ワイド団信を検討してみてください。
ワイド団信とは
一般の団信よりも加入条件が緩和された団信のことです。
持病により団信の審査に落ちた方でも加入できる可能性は高くなるが、その代わり金利も高くなるといったデメリットがある。
うつ病が原因で団信の審査に落ちた、という方も通りやすい保険がワイド団信です。なので、特にうつ病の罹患歴がある方にお勧めの保険です。
もし団信に加入していなければ、ローン契約者が死亡もしくは高度障害になってしまった場合に、家族がローンを支払い続けていくことになります。大切な家族に大きな金銭的負担をかけてしまうのは避けたいところですよね。
通常の団信などと比較して金利は高くなってしまいますが、ワイド団信に加入すると家族への負担も減らせるのでお勧めです。
4.ワイド団信にも落ちたらフラット35を検討
ワイド団信の審査にも落ちたという方は、フラット35の検討がお勧めです。
フラット35とは、独立行政法人住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供している全期間固定金利の住宅ローンで、最も一般的な住宅ローンのひとつです。
フラット35の特徴として、団信の加入は義務ではなく任意であるという点があります。
病気のせいで、団信に加入出来なかった方でも利用できるのです。
ですが、団信に加入せずフラット35を利用した場合、もしものことがあった場合、残された家族がローンを背負うことになることを忘れないでください。
まとめ
マイホームを購入したいと思っても、うつ病のために団信の審査が通らず苦労している方もいらっしゃるでしょう。その場合ワイド団信であれば、金利は高いもののうつ病でも加入できる可能性があるので、申し込みをしてみることをお勧めします。
それでも審査に落ちるような場合、フラット35を選択するという方法もあります。
また、金融機関によって審査の基準も違ってくるので、まずは様々な金融機関の団信を比較してみるのが良いかもしれません。