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コラム

2020年東京オリンピックは不動産投資にどう影響する?

執筆者:棚田 健大郎 棚田 健大郎

2020年待ちに待った東京オリンピックがついに開催されますが、不動産業界ではオリンピックが不動産投資にどう影響するのかについて様々な予想がされています。

そこで本記事では、東京オリンピック開催決定が不動産投資に与えた影響を振り返るとともに、2020年以降の不動産価格にどのような影響を与えるのか、それを受けて不動産投資家はどう判断し動くべきなのかについて解説していきたいと思います。

1.東京オリンピックが決まってどうなった?

2020年オリンピック開催が不動産投資に与える影響を考えるにあたり、まず思い出して欲しいのは開催が決定した2013年のことです。当時の投資向け区分マンションの価格は、2008年に発生したリーマンショックから立ち直れず、低い価格水準のまま停滞していました。

そんな中決定した東京オリンピックによって、日本の投資用マンションは外国人投資家から注目を集めることとなり、価格が右肩上がりに上昇を始めたのです。

2019年3月8日に国土交通省が公表した「不動産市場動向マンスリーレポート」を見てみると、2013年を境に不動産の中でもマンション価格だけ突出して上昇していることがわかります。

※出典:国土交通省 7ページ http://www.mlit.go.jp/common/001278226.pdf

外国人投資家の高値取引が上昇を後押し

投資マンション価格の上昇に大きく影響したのが、中国や台湾を中心とした外国人投資家の存在です。

彼らはリーマンショック以降、慎重になりすぎていた国内投資家とは全く違い、東京オリンピックが決まった日本の不動産に将来性を感じて、少々の高値でもどんどん買っていきました。

金融緩和政策による相乗効果

外国人投資家によって相場が底上げされたタイミングとほぼ同じくして実施されていたのが、アベノミクスによる「金融緩和政策」です。

これにより不動産投資ローンの金利が非常に低くなったのと、マイナス金利の影響で金融機関が不動産投資に対する融資に力を入れたことで、不動産価格が上昇する中、個人投資家が高値でも低金利の融資で買えるようになり、今日までの長期にわたる価格上昇につながりました。

2.2020年東京オリンピック終了が不動産価格に与える影響とは

このようにオリンピック決定からの経緯を振り返ってみると、不動産価格の上昇に大きく影響したことは間違いないでしょう。では、そんな好影響をもたらしたオリンピックが2020年に閉幕すると、不動産投資にはどのような影響があるのでしょうか。

紐解くためのキーワードは、「キャピタルゲイン」と「税金」です。

不動産市況は大きな転換期

オリンピックが閉幕することで、東京の不動産はこれまでほど世界から注目されなくなるでしょう。

外国人投資家からすれば、オリンピック直前の今の状態が日本の不動産価格のマックスと捉える可能性もあるため、今後は利益確定で売却の動きに出ることも考えられます。

特に気になるのが、率先して高値買いをしていた中国や台湾系の投資家の動向です。彼らが購入した物件の中には、賃貸に出すこともなく誰も住まないまま放置されている物件も少なくないと聞きます。

つまり彼らの目的は、日本人投資家が好むインカムゲイン(家賃収入)を主たる目的とした投資ではなく、オリンピック効果によるキャピタルゲイン(売却益)を目的としている可能性があるのです。

長期譲渡所得が売却を後押しする可能性も

キャピタルゲイン狙いで投資をした人が最も気にするのが「譲渡所得税」です。

日本では譲渡した年の1月1日時点で所有期間が5年を超えると長期譲渡所得、5年以下だと短期譲渡所得となり、課税される税率が次のように大きく異なります。

長期譲渡所得:所得税15% 住民税5%

短期譲渡所得:所得税30% 住民税9%

このようにかかる税金がおよそ倍も違うのです。

では、東京オリンピック開催が決定した年に物件を購入した投資家が、短期譲渡所得から長期譲渡所得に変わるタイミングはいつでしょう?




答えは、2019年からです。

つまり、2013年に購入した方は今年から長期譲渡所得扱いで税金が半分になるのです。

外国人投資家にも譲渡所得税は課税されるため、東京オリンピック開催決定以降に買い始めた投資家は、長期譲渡になったことで利益確定による売却の決断がしやすくなると考えられます。

スルガ銀行の不正融資問題が与える影響

2020年以降の不動産市況を予想する上で避けては通れないのが、かぼちゃの馬車を発端としたスルガ銀行の不正融資問題です。

問題発覚以降、金融庁が金融機関の立ち入り調査などを実施した影響で、不動産投資向けの融資審査が厳しくなっており、以前であれば全額融資が出ていた内容の人でも融資額が下がる、融資自体が下りない、といったことが現実に起き始めています。

買う側の融資が通りにくくなれば今までのような高値取引は難しくなり、東京オリンピック閉幕と相まって不動産価格は現状維持または降下の可能性が考えられるでしょう。

3.まとめ:売却するなら早期決断が迫られている

不動産価格は2020年に向けて上昇してきましたが、オリンピック閉幕、長期譲渡所得、不正融資問題などの影響を考えると価格が下がるかどうかは別としても、少なくとも今以上の上昇というのは考えにくい状況です。

となると不動産投資家としてすべきことは早期決断でしょう。

今後2~3年を目処に出口戦略を考えている人については、今以上に高値で売れない可能性があるため早期に売却した方がよいかもしれません。

反対に購入を検討している方については、2020年以降価格が落ち着いて今よりも割安の中古物件が出回る可能性も考えられるため、利回りのよい物件を見つけるチャンスといえます。

いずれにしても、オリンピック前後で不動産市況が動く可能性が高いので、いつも以上に市場の動向に気をつけてアンテナを立てておく必要があるでしょう。

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