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不動産の売却

一歩間違えば高額違約金!?他人事ではない本当にあった売却トラブル

執筆者:棚田 健大郎 棚田 健大郎
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不動産の売却手続きは基本的に仲介に入っている不動産会社の担当者が段取りを組んでくれますが、それでも一部の手続きについては自分自身できちんと対応しなければなりません。

そこで本記事では、不動産を売却する際に実際にあったトラブル事例の中から、本人が気をつけないと不動産会社の担当者では気づけない「思わぬ落とし穴」について解説したいと思います。

これから不動産を売却する方は、うっかりミスで高額な違約金を請求されないためにもぜひ参考にしてください。

1.ローン残債がある物件を売却する際の流れ

投資用物件を購入する際には、おそらくほとんどの方が不動産投資ローンを使って購入するため、売却する時にローン残債を一括返済によって完済する必要があります。

ローン返済中の物件には「抵当権」という権利がくっついており、決済引き渡しのタイミングまでにローンを完済して抵当権を抹消しなければならないのです

抵当権

住宅ローンなどを借りるときに、購入する住宅の土地と建物に金融機関等が設定する権利

とはいえ、現金で一括返済できる人は少ないので、ほとんどのケースで決済日当日に売買代金をそのまま一括返済に充当することでローンを完済し、その日のうちに金融機関から抵当権抹消に必要な書類を受け取るという流れで行います。

金融機関から受け取る書類と準備期間

決済日当日にローンの一括返済をすると、金融機関から抵当権抹消に必要な次の書類を受け取ることができます。

  • 弁済証書(解除証明書、抵当権放棄証明書など)
  • 登記識別情報
  • 登記事項証明書
  • 委任状

ここでポイントになるのが、これらの書類を準備するためにかかる期間です。

金融機関にもよりますが、一括返済の申込みをしてから短くて2週間、長いと1ヶ月程度の期間がかかるため、そこから逆算して決済日を決めなければなりません。

ちなみに、不動産投資ローンでよく利用される金融機関の、抵当権抹消書類の準備にかかる期間の目安は次を参考にしてください。

  • オリックス銀行:2~3週間程度
  • ジャックス:2~3週間程度
  • 関西みらい銀行:2~3週間程度
  • スルガ銀行:1ヶ月程度
  • 債権回収系の会社:1ヶ月程度
  • 信用金庫:1ヶ月程度
  • 大手都市銀行:1ヶ月程度

単にローンを完済するだけであれば、後でのんびり時間がある時に法務局で抵当権抹消の手続きをしてもよいのですが、売却する場合については売買契約書で決済引き渡しまでに抵当権を抹消することが条件となっているため、決済日当日は絶対に上記書類を受け取る必要があるのです。

以上を踏まえて、実際にあったトラブル事例についてご紹介したいと思います。

2.ローンを取り違えて違約寸前になった事例

売主Xと買主Yの間で締結されたマンションAの売買契約について、1ヶ月後の1/31に決済日が決まりました。

売主Xは速やかにローンを組んでいる銀行に一括返済の申込みをしたので、予定通りであれば1/31には問題なく抵当権を抹消できるはずでした。

ところが、決済日を3日後に控えた1/28に売主Xのもとに銀行からこんな連絡が入ったのです。

「確認ですがXさんが売却する物件は、マンションBで間違いないですよね?

それを聞いた売主Xは驚きました。

なぜなら、今回売却するのはマンションAであってマンションBではないからです

後で細かく確認したところ、売主Xは同じ銀行でマンションAとマンションBの2つのローンを組んでいたようで、一括返済の申込をする時に売主Xが勘違いをしてマンションBのローンの一括返済を申し込んでしまっていたのです。

抹消書類が間に合わないとどうなる?

このように決済日の3日前にローンの取り違えが発覚すると、一括返済の申込手続きは全てやり直しになるので、通常であればそこから2週間から1ヶ月の準備期間がかかります。

となると、予定していた1/31までに抹消書類が準備できないことになり、売買契約違反ということで違約金の対象となってしまうのです。

違約金の金額は売買契約書に記載されていますが、ワンルームの投資物件であれば概ね売買代金の20%程度に設定されていることが多いので、仮に2,000万円の物件とすれば400万円という高額な違約金が発生してしまうことになります。

売主Xはどうなった?

売主Xのケースでは、銀行が状況を理解した上でイレギュラー案件として最優先に動いてくれたおかげで、なんとか1/31当日に抹消書類を手に入れることができて事なきを得ました。

ただ、通常はまずこのような対応は無理なので本当に高額な違約金が発生してしまう事になります。

ちなみに、違約金を支払うのは「売主」であって仲介の不動産会社ではありませんので、全額自己負担ですし不動産会社のせいにする事もできません。

3.まとめ:ローン返済中の物件を売却する際の注意点

売買代金でローンを完済する方については、一括返済の申込みを銀行にする際にローンを取り違えないよう細心の注意を払いましょう

特にワンルームマンション投資をやっている人は、同じ銀行から複数の物件をローンで購入しているケースが多々あるので注意が必要です。

一括返済の申込書類にはローン番号などは書いてあっても、物件名については記載されていないことが多いので、複数のローンを組んでいる人は必ず物件名を伝えて間違いないか銀行の担当者に確認しましょう。

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