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コラム

任意売却の流れ

執筆者:棚田 健大郎 棚田 健大郎

ローンを組んで不動産投資をしたものの、当初は計画通りだったものの長期空室や予想以上の家賃下落などによってローンの返済が難しくなる方も時々おられます。

ローンの返済ができないまま放置してしまうと、物件はやがて競売にかけられて強制的に売られた挙句、最終的に債務整理、自己破産にまで追い込まれてしまうかもしれません。

そこで本記事では、ローンの返済が苦しくなってきた時に現状を打破できる「任意売却」のメリットや流れについて詳しく解説します。

1.ローンが返済できないとどうなる?

不動産投資をしていて何らかの事情でローンが返済できなくなると、金融機関は抵当権を実行して担保としてとっていた不動産を、競売という裁判所で行うオークションのような手続きで強制的に売却されてしまいます。

競売の手続きが完了すると、それまで受け取っていた家賃なども一切もらえなくなるばかりか、競落価格でローンが完済できなければ引き続き債権者から督促されるという最悪の状況になってしまうのです。

競売は相場よりも安く売られてしまう

競売で売りに出される物件のことを一般的に競売物件といい、いわゆる事故物件扱いになってしまうので競落価格は一般売却する時に比べると、1~2割程度低い金額になってしまいます。

かといって、一般市場で売却するためには大前提として残りのローンを一括返済しなければならないので、ローン残債が多い方は八方ふさがりになってしまい、安く売られてしまうことを承知で競落されていくのを傍観するしかないのです。

2.任意売却と競売との違いとは?

競売で安く競落されてしまう事態を回避する方法としておすすめなのが「任意売却」です。

任意売却

簡単にいうと、売却してもローンが完済できない場合において、ローンを組んでいる金融機関(債権者)の合意のもと物件を売却する手続きのこと

本来、ローン返済中の物件を売却する場合、売買代金で残りのローンを一括返済しなければ抵当権が抹消できないため売れません。

競売になれば市場相場よりも低い競落価格に落ち着いてしまうため、ローンを組んでいる本人はもちろんのこと債権者である金融機関にもあまりメリットはないのです。

そこで事前に金融機関と協議をして、ローンは完済できないものの、金融機関が納得する金額で売却して、完済できなかった残りのローンを引き続き返済していくという任意売却の方法をとることで、双方にとってメリットのある解決が可能になります。

3.任意売却のデメリット

ここまで話を聞くと「任意売却したい」と思う人がいると思いますが、任意売却はあくまで任意、つまり債権者が合意してくれなければできません

債権者からすると残債を払えないのに物件を売却することに合意するわけですから、売却後のローンの返済が確実でないと合意できないのです。

そのため、任意売却はローンを組んでいる本人が自ら債権者に交渉しても門前払いになってしまうので、通常は弁護士や任意売却専門会社などに相談をして間に入ってもらって交渉します。

4.任意売却の流れ

任意売却は大きく分けて「任意売却前の準備期間」と、実際の「任意売却期間」の2つの期間があり、概ね次のような流れで進みます。

任意売却前の準備期間

ローンの返済が苦しくなってきたら、できるだけ早いうちから任意売却の選択肢を検討することが大切です。

ステップ1:査定及び任意売却専門会社との相談

まずは自身の物件を市場で売却した場合に、およそどのくらいの金額になるのかについて専門業者に査定を依頼します。

一般市場ですぐに売ることが難しい物件については、そもそも任意売却が難しい場合もあるため、査定をしたうえで競売と任売どちらの方が向いているのかを徹底的に検証するのです。

ステップ2:リスケジュールの相談

査定と併行して債権者に相談してリスケ(返済計画の見直し)を検討します。

具体的には、返済期間を延長するなどして毎月の返済額を減額して負担を減らすのです。

基本的には本人が窓口では交渉に応じてもらえないことがほとんどなので、債務整理を得意としている弁護士に依頼して代理人になってもらう必要があります。

リスケで問題が解決できれば一番いいのですが、それでも返済が難しい場合は次のステップへ進みます。

ステップ3:任意売却の打診

競売よりも任売のほうが高値で売却できて、リスケでも解決できない場合には、債権者に対して任意売却の打診をします。

事前に行っていた査定結果などをもとに、弁護士を窓口として債権者側を説得できるかがポイントです。

ここまでが、任意売却に入る前の事前準備段階の流れです。

任意売却着手後の流れ

債権者と任意売却することに合意できたら、いよいよ任売の手続きに着手します。

ステップ1:売買募集の開始

任意売却専門会社などを窓口として売買募集を開始します。

任売物件は債権者の合意がとれていれば、基本的に一般売却と流れは同じです。

ステップ2:売却価格と買主の決定

任売物件最大の特徴は、売却価格の最終決定権が債権者にあるという点です。

通常の売買であればいくらで売却するかは所有者本人が決められますが、任売の場合は売却しても残債がなくならないため、いくらで売買契約を締結するかは債権者の同意が必要不可欠となります。

また返済が苦しい状況なので、すぐに買主が見つからないような状況であれば、債権者の同意のもと、任売物件専門の買取業者に買取を依頼するケースもあります。

ステップ3:配分調整

売買代金を債権者に配分して、残ったローンは引き続き返済をします。

債権者が複数いる場合は、抵当権の順番に応じて配分が行われるため、事前に債権者側と売れた後の配分について確認しておくことが大切です。

5.まとめ

不動産投資はレバレッジ効果を得るために、ほとんどの投資家がローンを組んで物件を購入しています。

オーバーローンや長期空室、予想以上の家賃下落などによって残債が払えない場合は、任意売却を利用することで競売よりも高く物件を売却して残債務を減らすことが可能です。

ただし、競売にかかるギリギリのタイミングまで何もしていないと、債権者が任意売却に合意してくれない可能性もありますので、ローンの返済が苦しくなってきたらできるだけ早めに弁護士や任売専門会社に相談することをおすすめします。

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