1. 不動産の売却
  2. 不動産所有における主な税金あれこれ(イニシャルコスト・ランニングコスト)
上下にスワイプでメニューを閉じる
不動産の売却

不動産所有における主な税金あれこれ(イニシャルコスト・ランニングコスト)

執筆者:棚田 健大郎 棚田 健大郎

プロの不動産投資家の中には「不動産投資とは税金との戦いである」という人がいるくらい、不動産投資をしているとさまざまな税金が課税されます。

不動産投資でキャッシュを残していくためには、不動産所有にかかる税金を把握した上で、適切な対策を講じることが大切です。

そこで本記事では、不動産所有にかかる税金とイニシャル、ランニングそれぞれのコストについて詳しく解説します。

1.不動産所有にかかる主な税金

不動産投資をすると、購入、保有、売却それぞれのタイミングで次のような税金が課税されます。

1)購入時にかかる税金

不動産投資のスタートである物件購入時には次の税金が課税されます。

登録免許税

不動産の登記をする時にかかる税金で、新築物件であれば所有権の保存登記、中古物件であれば所有権の移転登記をすることになります。登記手続き自体は司法書士に依頼するのが一般的なので、税金を納めている感覚を感じにくい税金です。

固定資産税評価額×税率=登録免許税

税率は登記の種類によって次のように異なります。

  • 所有権の保存登記:0.4%
  • 所有権の移転登記(売買・遺贈・贈与):2%
  • 所有権の移転登記(相続・合併):0.4%
  • 抵当権の設定登記:債権金額の0.4%

アパートローンを組んで不動産投資をする場合は、抵当権の設定登記も必要になります。また、一定の要件を満たしている住宅用の家屋については、軽減税率が適用されます。

不動産取得税

不動産を取得した時に、不動産が存在する都道府県が課税する税金です。

登録免許税とは違い、不動産の引き渡しが終わって4~6ヶ月ほど経ってから請求されるので、キャッシュフローに注意する必要があります。

固定資産税評価額×4%=不動産取得税

ただし、特例によって2021年3月31日まで土地及び住宅については3%になります。宅地については2021年3月31日まで、固定資産税評価額の1/2とする特例が適用されます。

不動産投資はイニシャルコストがそれなりに必要になるので、不動産取得税が後から課税されることについて考慮に入れて資金繰りを考えておくことが大切です。

2)保有時にかかる税金

不動産投資で物件保有時にかかる税金としては、不動産所得に対して課税される所得税や住民税のほかに、固定資産税という税金が課税されます。

固定資産税

その年の1月1日時点での所有者に対して課税される税金で、一括払いまたは4分割を選択することができます。

課税標準×1.4%

ただし、一定の要件を満たす住宅用地や新築住宅等については、課税標準が一定割合減額されます。固定資産税は不動産投資におけるランニングコストの中でも、大きな変動がない固定費なのでキャッシュフローをシミュレーションする際には必ず盛り込みましょう。

3)売却時にかかる税金

不動産投資の出口戦略を考えるうえでカギになってくるのが、売却時にかかる譲渡所得税です。譲渡所得税とは、不動産売却時の譲渡所得に対して課税される所得税のことで、不動産所得や給与所得など他の所得とは分けて税金を計算する「分離課税」となっています。

譲渡所得税を考えるうえで重要なことは、課税される譲渡所得の計算方法と、課税される税率です。

譲渡所得の計算方法

譲渡所得とは簡単にいうと売買益のことですが、実は誤解している人が多い部分なので注意が必要です。初心者投資家の方に譲渡所得について説明しようとすると、

「買った時の金額よりも安いから大丈夫ですよね」と確認されることがあるのですが、この認識は間違っています。

譲渡所得の計算方法は以下の通りです。

譲渡所得=譲渡収入金額-(取得費+譲渡費用)

いわゆる買った金額と認識されている取得費というのは、建物部分を減価償却した後の金額になるので、買った金額よりも低い金額になるのです。よって、買った金額よりも安く売れたとしても、減価償却が進んでいると譲渡所得が発生することになります。

長期譲渡と短期譲渡で税率が違う

譲渡所得税は売却した物件の保有期間によって、次のように課税される税率が大きく異なります。

保有期間が5年を超える譲渡所得「長期譲渡所得」

所得税15.315% 住民税5% 合計20.315%

保有期間が5年以下の譲渡所得「短期譲渡所得」

所得税30.63% 住民税9% 合計39.63%

1月1日時点で保有期間が5年以下で売却すると、たとえ高く売却できたとしても譲渡所得税が翌年に売却した場合の2倍もかかることになるのです。

このようにいつ、いくらで売るのかによって税額が大きく異なりますので、譲渡所得を試算したうえで売却のタイミングを検討することをおすすめします。

2.まとめ

不動産投資をするとさまざまな税金が課税され、課税の仕組みや税率もそれぞれ違います。

不動産投資でキャッシュを残していくためには、必ずこれらの税金をシミュレーションに盛り込んでキャッシュフローを組み立てていくことがとても大切です。

dummy