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不動産の売却

共有名義物件の相続・売却で気を付けるべきこととは?

執筆者:棚田 健大郎 棚田 健大郎
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不動産は相続財産の中でも多くの価格割合を占めることから、遺産分割においてもめ事の火種となる傾向があります。

中でも、共有名義物件の相続は、権利関係が複雑化しやすいことから特に注意が必要です。

そこで本記事では、共有名義物件を相続、売却する際の注意点について詳しく解説します。

1.共有名義物件とは

共有名義物件とは1つの不動産を複数人で共有している物件のことで、例えば次のようなケースが想定されます。

  • 夫婦共有名義で購入した自宅
  • 法定相続分の共有で相続した不動産

共有名義の物件は各共有者の持分割合が決まっていて、登記簿を取得することで確認できます。例えば夫2/3、妻1/3といったように、必ずしも等分ではないことに注意が必要です

1)共有名義物件の問題点

共有名義物件は持分割合が決まっているものの、利用するにあたっての権利はみな平等です

例えば、Aが99/100、Bが1/100という持分割合だったとしても、Bはその不動産全体を利用することができます。

ところが一方で、不動産がアパートで家賃収入が発生するような場合については、家賃の取り分は持分割合に従うことになるので、Bの取り分がとても少なくなります。

2)共有名義物件を相続する際の問題点

そもそも不動産は物理的に分けて相続することが難しいという性質があります。

ですから、できれば単独所有の方があらゆる面で楽ですが、共有名義の場合、次のような制限がかかる点に注意が必要です。

  • 管理行為・・・各共有者ができます
  • 変更行為・・・共有者持分の過半数の同意が必要
  • 処分行為・・・共有者全員の同意が必要

この中で最も大変なのが処分行為です。

処分行為とはすなわち不動産の売却のことで、不動産を共有している場合はたとえ持分割合がわずかだとしても、共有名義人全員の同意が必要になります

2.共有名義不動産を相続するとどうなる?

すでに共有名義となっている物件を相続すると、1つの不動産に対する権利者が増えることになります。

例えば、夫1/2、妻1/2で共有していた自宅があったとして妻が死亡したとします。

子供が3人いれば法定相続人は、夫と子供3人の合計4人です。

この場合、法定相続分は次のようになります。

夫:1/2

子:各1/6

仮に法定相続分で自宅を共有相続した場合、持分割合は次のようになります。

夫:3/4

子:各1/12

このように持分割合の少ない子供が3人加わることで、4人の共有名義となるのです。

1)売却ができないことも

共有者が多い不動産の場合、売却しようと考えたとしても誰か1人でも反対すれば不可能となります。上記のようなケースでは、売却に対して賛成派と反対派にわかれることも多く、思うように売却手続きが進まなくなります。

また、仮に売却できたとしても準備しなければならない書類の数も膨大に増えるため、どちらにしても大変です。

2)持分を売却されると厄介

不動産を一棟丸ごと売却するためには、共有名義人全員の同意が必要になりますが、各共有持分であれば本人単独の判断で自由に売却できます

上記のケースでいうと、長男がお金に困って共有持分を不動産会社に売却してしまうというような可能性も考えられるのです。仮にそうなると、自宅について全くの他人が権利者として介入してきてしまうことになります。

例えば、アパートの持分を他人に売ってしまった場合、残された共有者は他人と家賃の取り分を分けなければならなくなるのです。

このように、1つの不動産に対して複数の権利者が介在することになると、あらゆる面において不都合が生じるのです。

3)離婚しているともっと大変

共有名義の相手方とすでに離婚している状態で相続が開始すると、子供たちは離婚した夫や妻と不動産を共有することになります。関係が良好であればいいのですが、何年も連絡をとっていないような場合はとても大変です。

このような事態を回避するためには、離婚した時点できちんと財産分与を行って共有不動産を売却するか、単独名義に変更しておくことをおすすめします

3.まとめ:共有名義は避けた方がいい

不動産を共有名義にすると、相続を重ねるごとにどんどん共有者が増えていくことになり、その後の運用に大きな支障をきたす可能性が出てきます。

相続財産に不動産が含まれる場合は、話し合いを簡素にするためにもめやすい不動産について法定相続分で共有する形で決着をつけてしまうケースがよくあるのですが、実際のところそれは問題の先送りにすぎません。

遺産分割自体はそれで終わりにできても、不動産の共有は将来に向けて大きなリスクを抱えることになるので、できれば家族で話し合って誰か1人に相続してもらい、代償金などで他の相続人と取り分の帳尻を合わせることをおすすめします。

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