1. 不動産の購入
  2. 我が家の水害リスクを知っておきたい!不動産における「ハザードマップ」の重要性
上下にスワイプでメニューを閉じる
不動産投資オンラインセミナー 33年間不動産を扱ってきた私のノウハウを全て伝えたい。ランドネット代表取締役 榮 章博
不動産の購入

我が家の水害リスクを知っておきたい!不動産における「ハザードマップ」の重要性

執筆者:Redia編集部 Redia編集部
はてなブックマークでシェアするボタン
lineでシェアするボタン

近年、異常気象による記録的な大雨や、大型の台風など重大な自然災害が頻発しています。

私たちの住まいにおいて、こうした水害に備えた準備や対策をとる上で、被害範囲を予測し避難場所や避難経路をまとめた「ハザードマップ」は、非常に重要な役割を果たします。

今回は水害における「ハザードマップ」の重要性や活用の仕方について紹介させていただきます。

1.「ハザードマップ」とは

私たちが暮らす日本においては、地震や火山の噴火、集中豪雨や台風など絶えず自然災害が起こっています。いざ、自分の周りで甚大な自然災害に起こった場合、日頃からどう行動をとるべきなのか考えておくことが大切になります。そんな時に役に立つのが「ハザードマップ」です。

「ハザードマップ」とは、「被害予測地図」とも呼ばれ、自然災害による被害を予測し、その被害範囲や被害程度、避難場所や避難経路などの情報を地図に示したものであり、基本的に国や各地方地自体によって作成されています

また、この「ハザードマップ」を活用することで、災害発生時には迅速で的確な避難にも役立てることができ、二次災害などの発生を防ぐ効果も期待されています

そんな「ハザードマップ」には、各自治体や地域により名称や体裁・表示内容はさまざまですが、災害別に応じた「ハザードマップ」が存在します。主な種類は以下の通りです。

水害に関わるものとして(洪水・浸水・土砂災害・高潮等)

  • 洪水ハザードマップ(外水氾濫ハザードマップ・浸水予想区域図)

※「外水」とは・・・河川等の水位が上昇し堤防などを越えて水が溢れ出すこと

  • 内水ハザードマップ(内水氾濫ハザードマップ)

※「内水」とは・・・市街地などの排水機能が限界を超えて水が溢れ出すこと

  • 土砂災害ハザードマップ
  • 高潮ハザードマップ

地震に関わるものとして(揺れ・地盤強度・液状化・火災・津波等)

  • 地震ハザードマップ
  • 液状化ハザードマップ
  • 火災延焼ハザードマップ
  • 津波ハザードマップ

火山に関わるものとして(溶岩流・火砕流・火山灰等)

  • 火山ハザードマップ

そのほかにも、埋立地などで災害発生時に居てはいけないところを示したものなど、地域の特性に応じた「ハザードマップ」が存在します。

2.ハザードマップの進化と役割

2011年3月11日に発生した東日本大震災において、「100年に1度」の大災害にも耐えられると言われた堤防などの構造物も、津波の脅威に被害を防ぐことはできませんでした。この結果を受けて国や地方自治体では、構造物にて被害を防ぐよりも避難による人命最優先の対策に舵を切り、あらためてハザードマップの重要性が注目を浴びることになりました。

また近年、異常気象による大雨や台風により水害による被害も頻発しており、さらにハザードマップの重要性が高まっています

国や自治体が公開している「水害ハザードマップ」には、河川等の氾濫による洪水想定区域、住宅地などの浸水想定区域、土砂災害想定区域、避難場所や避難経路などが記されており、自分の住んでいる地域の水害リスクや災害発生時の対策を確認することができるようになりました。

以前は「数十年に1度」と言われた予想を超える豪雨や台風も、今では日本中で頻発し、いつどこにいても遭遇する可能性があります。治水工事などのインフラ整備や気象予報では限界を超えており、そのような重大災害にも対応すべく、使いやすさや見やすさなど大幅な修正、地域住民の意見や特性を盛り込むなど、ハザードマップも年々進化を遂げています。

さらに、精度が高まるとともにハザードマップは不動産取引においても、重要な役割を果たすようになってきました

見た目ではわかりづらい浸水想定区域など、住んだ後で「知らなかった」ではリスクが大きいため、物件の検討段階で事前に確認する方も増えています

また今後、ハザードマップが年々高精度化を遂げるとともに判断基準として、不動産の資産価値においても影響が出ると考えられています。

すでに住宅の損害保険においては、ハザードマップに応じた保険料率設定などの動きも広がっています。

3.不動産取引における「水害リスク」の説明義務について

土地や建物の売買などの不動産取引において、当該物件が「土砂災害警戒区域」や「土砂災害特別警戒区域」に指定されたエリアにある場合、重要事項説明として宅地建物取引業者(宅地建物取引士)がその旨を説明する義務があります

「土砂災害警戒区域」や「土砂災害特別警戒区域」は、大雨による土砂災害の危険性が高いと想定されるエリアの基礎調査を行い、危険性が確認されると指定されます。もちろん、土砂災害の被害想定範囲などは正確なものを出すことは非常に困難であるため、災害発生の可能性が高いエリアを「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」、非常に高いエリアを「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン」で区別し、注意喚起を促しています。

また昨今、大規模な水害が日本各地で頻発し甚大な被害をもたらしていることから、水害リスクを知ることで不測の損害が生じることを防止するために、宅地建物取引業者(宅地建物取引士)は不動産取引時の重要事項説明として、水害ハザードマップの説明をすることが義務化されました

詳細につきましては、宅地建物取引業法の改正に合わせて、具体的な説明方法等を明確化するために以下の内容が追加されています。

ーーーーーーーーー

  • 水防法に基づき作成された水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップを提示し、対象物件の概ねの位置を示すこと
  • 市町村が配布する印刷物又は市町村のホームページに掲載されているものを印刷したものであって、入手可能な最新のものを使うこと
  • ハザードマップ上に記載された避難所について、併せてその位置を示すことが望ましいこと
  • 対象物件が浸水想定区域に該当しないことをもって、水害リスクがないと相手方が誤認することのないよう配慮すること

公布日:令和2年7月17日(金)

施行日:令和2年8月28日(金)

ーーーーーーーーー

参考:国土交通省「不動産取引時において、水害ハザードマップにおける対象物件の所在地の説明を義務化」

https://www.mlit.go.jp/report/press/totikensangyo16_hh_000205.html

4.「ハザードマップ」を活用し、我が家の「水害リスク」を知る

ここまで「ハザードマップ」について説明させていただきましたが、そもそも「ハザードマップ」はどこで閲覧し、入手できるのか不明瞭な点もあるはずです。

基本的に「ハザードマップ」は、紙とインターネットで閲覧することができ、紙に関しては各地方自治体により作成されたパンフレット・冊子などが配布されたり、役所などの公的な施設で入手することが可能です

インターネットにつきましては、各地方自治体のホームページで閲覧することが可能ですし、国土交通省・国土地理院が運営する「ハザードマップポータルサイト」ですと、全国のハザードマップが検索できます。

この「ハザードマップポータルサイト」は、「重ねるハザードマップ」と「わがまちハザードマップ」の2つの検索方法にわかれており、「わがまちハザードマップ」は地図や自治体名から各自治体が公表しているハザードマップを検索することができ、「重ねるハザードマップ」においては、各災害ハザードマップを一つの地図上で確認することができます。例えば、自分の住んでいるエリアにて台風による水害の可能性について調べる際、浸水被害想定エリア・土砂災害想定エリア・通行規制になる道路・高潮被害想定エリアなどを、一つの地図上で重ねて確認することができます。

参考:国土交通省「国土地理院:ハザードマップポータルサイト(重ねるハザードマップ/わがまちハザードマップ)」

https://disaportal.gsi.go.jp

このように、「ハザードマップ」を活用することは、水害リスクを事前に把握でき災害発生時の対応や対策が可能になります。もちろん、水害以外にも地震など災害ごとの被害想定エリア、避難経路や避難場所も確認できます。

さらに、ハザードマップを活用することで災害リスクの高いところにお住まいならば、事前に災害に応じた保険への加入もできます。

また、これから住宅の購入や売却を検討される方は、ハザードマップを活用しながら不動産会社など住宅に精通している人に相談してみるのも良いかもしれません。

最後に、自然災害は時に我々の想定以上の被害を発生させることもあります。ハザードマップに危険地域として表示されていないからといってそのエリアが確実に安全とは言い切れません

また、前述でも述べた通りハザードマップは年々進化しています。「知らなかった」ではすまされませんので、最低でも年に1度はご自身がお住まいの地域を確認しておくことをお勧めします。

「ハザードマップ」の活用は、大切な家族や我が家を、水害をはじめ災害から守るための自己防衛手段として、非常に重要なことと言えるでしょう。

dummy