【不動産クラウドファンディング】運用期間は短期と長期でどっちが儲かる?

不動産クラウドファンディングは、現物所有の不動産投資と比べて少ない資金で投資をスタートできることから近年人気を集めている投資法です。
不動産クラウドファンディングにはさまざまな案件があり、運用期間が短期のものと長期のものがあります。
では、不動産クラウドファンディングは短期の案件と長期の案件ではどちらの方が儲かるのでしょうか。
今回は、不動産クラウドファンディングの運用期間の長さと利益の関係についてご説明します。
1.不動産クラウドファンディングの運用期間
不動産クラウドファンディングで募集される案件には、運用期間が定められていることが一般的です。
運用期間は、運用を開始してから元本を償還するまでの期間であり、期間中に生まれる収益が投資家へ分配金としてリターンされます。
運用期間が3ケ月から1年ほどと短い短期の案件と運用期間が2~3年程度と長い長期の案件があります。
運用期間中には途中解約や譲渡ができないケースや、途中解約や譲渡をする際には条件が設定されていることがほとんどです。
運用期間中に解約ができる場合であっても、手数料が課せられ、引き出せる金額は出資額を下回る可能性が高くなるため、投資をする際には運用期間を事前に確認してくことが大切です。
2.運用期間が短期の場合のメリットとデメリット
不動産クラウドファンディングで投資案件を選ぶ際には、もう一つ、運用期間によって儲けに違いが出るのかという点も気になることでしょう。
不動産クラウドファンディングでは、短期運用と長期運用のどちらの方が儲かるのでしょうか。
まずは、運用期間が3ケ月から1年程度の短期案件の場合のメリットとデメリットを見ていきましょう。
1)短期の不動産クラウドファンディング案件のメリット
運用期間が短い不動産クラウドファンディングの主なメリットは次のようなものです。
損失が生じるリスクを低く抑えられる
前述したように不動産クラウドファンディングでは、運用期間中の途中解約や譲渡を禁止していたり、途中解約や譲渡を認めている場合でも厳しい条件が付けられていたりすることがほとんどです。
そのため、運用期間が終了するまでは自由に資金を引き出すことができません。
運用期間中に経済状況が変化したり、企業の経営状況が変化したりするリスクがあります。
もし、運用中に大きく景気が傾く出来事があり、不動産クラウドファンディング事業者の経営状況が悪化すると、貸し倒れのリスクが生じます。
しかし、3ケ月から1年程度という短期間の運用であれば、その間に大きく経済状況や経営状況が変化する可能性は低く、投資家に損失が生じるリスクは低くなります。
魅力的な投資案件への変更がしやすい
短期の不動産クラウドファンディングでは、運用期間が短いため、投資資金も早いタイミングで償還されます。
現在の案件よりも、より良い条件で投資できる案件があれば、償還された資金を新たな投資先に利用できる点も短期の不動産クラウドファンディングのメリットです。
2)短期の不動産クラウドファンディング案件のデメリット
運用期間が短い不動産クラウドファンディングの主なデメリットは、次のようなものです。
投資案件を探す手間がかかる
短期の不動産クラウドファンディング案件では、短い期間で運用が終わります。
そのため、短期案件への投資を続ける場合は、運用期間が終了するたびに次の投資案件を探し、申し込みをするという作業が必要になるのです。
忙しい投資家にとっては、短期間のうちに何度も投資先を探すことは、手間に感じるでしょう。
すぐに次の投資先が見つかるとは限らない
投資先を変更しやすいことが運用期間の短い不動産クラウドファンディング案件のメリットでもありましたが、運用期間終了後にすぐ次の投資先が見つからない可能性もあります。
条件の良い投資案件が見つかるまでは、資金があっても運用することができない期間が生じてしまいます。
投資効率が悪くなる可能性がある
不動産クラウドファンディングでは、資金を入金してから運用が開始されるまでには時間がかかります。
運用終了後もすぐに資金が償還されるわけではなく、タイムラグが生じます。
長期案件への投資に比べると、運用できない期間が生じてしまうため、投資の効率が悪くなる可能性があります。
3.運用期間が長期の場合のメリットとデメリット
運用期間が2~3年程度の長期案件への投資にはどのようなメリットとデメリットがあるのでしょうか。
1)長期の不動産クラウドファンディング案件のメリット
長期の不動産クラウドファンディング案件へ投資する主なメリットは次のようなものです。
運用期間が長い分、長期的に分配金を受け取れる
不動産クラウドファンディングでは、運用期間中は毎月、投資家に分配金が支払われることが一般的です。
運用期間の長い不動産クラウドファンディング案件であれば、分配金を受け取れる期間も長くなり、トラブルなく順調に運用できている場合、得られる利益は高くなります。
次の投資案件探しにかかる手間を省ける
長期の不動産クラウドファンディング案件は、運用期間が終わるまで原則として途中解約はありません。
短期の不動産クラウドファンディング案件のように数か月ごとに投資案件を探したり、申し込みの手続きをしたりといった手間がかかりません。
2)長期の不動産クラウドファンディング案件のデメリット
長期の不動産クラウドファンディング案件へ投資する主なデメリットは次のようなものです。
経済状況や市場の変化を受けるリスクが高まる
長期の不動産クラウドファンディング案件では、2~3年の間、運用が続けられます。
短いスパンであれば、経済状況やエリアの状況が大きく変化する可能性は高くありません。
しかしながら、2~3年の間には人の動きが変化したり、市況に変化が起きたりする可能性もあります。
長期運用の不動産クラウドファンディング案件では、短期の不動産クラウドファンディング案件に比べると経済状況や市場の変化によって損失を受けるリスクは高くなります。
より良い投資案件を見つけても、投資資金を移動できない
不動産クラウドファンディングでは、原則として運用期間が終了するまで資金を動かすことはできません。
そのため、長期運用中により利回りの良い投資案件を見つけても、資金を移動して新たな投資案件に資金を投入することができません。
現金が必要になったときに資金を引き出すことはできない
運用期間中に結婚をしたり、子どもが生まれたりなど、現金が必要になる状況が生じる可能性もあります。
しかしながら、不動産クラウドファンディングでは運用中に自由にお金を引き出すことはできないため、何らかの理由で現金が必要になり、手元に資金がない場合は対応が難しくなるというデメリットがあります。
4.不動産クラウドファンディングでは短期案件と長期案件のどちらを選ぶべき?
不動産クラウドファンディングの短期案件と長期案件のメリットとデメリットをご紹介しました。
短期案件にも長期案件にもそれぞれメリットとデメリットがあるため、どちらに投資をした方が良いのかは、ご自身の資産計画や目的に合わせて選ぶ必要があります。
投資が初めてで、できるだけリスクを抑えて投資をしたい方や投資期間中に現金が必要になる可能性がある場合は、短期案件の方が向いているでしょう。
一方、長期案件の方がうまくいけば手に入れられる分配金の額は高くなります。
長く安定した利益を得たいと考えている方やしばらくは投資資金を引き出せなくても問題がない方などは、長期案件の方が向いています。
不動産クラウドファンディングの投資案件を選ぶ際には、投資の目的や資金の拘束期間などから自分に合った運用期間の案件を選ぶようにしましょう。
5.不動産クラウドファンディングと不動産投資の違いとは
一般的な不動産投資では、投資家は金融機関からローンを借り入れ、投資用の不動産を購入し、運用を始めます。
しかしながら、不動産クラウドファンディングでは、クラウドファンディング事業者がインターネットを介して投資家から資金を集め、調達した資金を利用して不動産を購入して運用をします。
そのため、投資家はローンを組むことなく小額から投資を始めることができ、個人では所有が難しい商業施設やホテルなどの不動産にも投資することができるといった特徴があります。
インターネットですべての手続きが完結できる点も、投資初心者にとって気軽に投資を始められる魅力になります。
まとめ
不動産クラウドファンディングでは、運用期間が定められていることが一般的です。
3ケ月~1年程度の短期で運用する案件は、運用期間が短いため資金の拘束期間も短く、投資リスクが低いというメリットがあります。
一方、2~3年の長期で運用する案件は、長期にわたって分配金を受け取れるため得られる利益は高くなるものの、経済や市場の変化の影響を受けやすいというデメリットもあります。
不動産クラウドファンディングで投資案件を選ぶ際には、運用期間にも注目し、自身の投資スタイルに合った運用期間の案件を選ぶようにしましょう。