アパート解体の費用相場は?手続きの流れや補助金まで解説
アパートの解体や建て替えを検討してはいるものの、手続きの仕方や費用相場がわからずに二の足を踏んでいるオーナーの方も多いかと思います。
そこで今回は、アパートの解体費用や手続きの流れ、そして補助金についても詳しく解説していきたいと思います。
1.アパート解体費用の相場はどのくらい?
アパートといっても、規模や構造、立地により解体費用は大きく異なります。
まずは構造ごとの費用相場についてみていきましょう。
1)アパートの構造
アパートの場合、そのほとんどが、木造、鉄骨造(S造)、鉄筋コンクリート造(RC造)のいずれかになります。
一坪あたりの解体費用の相場は、以下の通りです。
物件別でみる解体費用の相場
木造:4万円~5万円
鉄骨造(S造):5万円~7万円
鉄筋コンクリート造(RC造):7万円~8万円
上記を踏まえて、2階建て80坪のアパートの、構造ごとの解体費用相場をシミュレーションすると、次のようになります。
木造アパート(坪単価5万円と仮定)
80坪×5万円=400万円
鉄骨造アパート(坪単価6万円と仮定)
80坪×6万円=480万円
鉄筋コンクリート造アパート(坪単価7万円と仮定)
80坪×7万円=560万円
上記は、おおよその目安であり、実際には、次項で解説するアパートの規模や立地などにより、費用は違ってきます。
また、注意しておきたいのが、建材にアスベストを使用しているアパートです。
1975年以前に、断熱材として建築物に使用されることの多かったアスベストは、近年、発がん性物質を含んでいることが判明し、使用禁止となりました。
その解体にも、防護服や防塵マスクなど特別な装備が必要となり、作業工程も増えるため、解体費用は大変高額になると考えて間違いないでしょう。
2)アパートの規模
次に、アパートの規模と解体費用に関してですが、例えば同じくらいの面積のアパートだとしても、部屋数が多い方が費用は高くなるでしょう。
風呂やトイレをはじめとする内装設備の解体は、基本的に手作業になるため、解体作業に手間も時間もかかるからです。
また、階数が多いアパートは、廃材も多く出るためその処分費の分だけ費用は上がります。
3)アパートの立地
立地については、まず、東京近郊の首都圏は、地方に比べ解体費用が高額となります。
その理由として、人件費が高いこと、住宅地には家やアパートが密集しているために作業が難しくなることなどが考えられます。
また、アパートに接道する道路の幅が狭い場合、重機やトラックが近くまで進入出来ないため解体費用が割高となるケースがあります。
隣家との距離が近すぎる場合も、重機を使うことが出来ずに解体費用が高くなってしまうでしょう。
2.アパートの解体で利用可能な補助金
アパートを解体する際に補助金が出るケースがあります。
少しでも経費を削減するため、是非補助金を利用したいところですが、補助金の内容や要件は自治体ごとに異なりますし、補助金の制度がない自治体もあるので注意が必要です。
ここでは、主な補助金2つを紹介します。
1)老朽危険家屋解体撤去補助金
老朽化しており、倒壊の危険性がある家屋の解体を行う際に、自治体によっては解体費用の一部を補助してくれます。
補助金が支給されるための要件や、補助金の額は自治体により異なりますが、補助金が支給される場合、20~60万円前後のケースが多いです。
2)建て替え建設費補助金
老朽化している家屋を解体し、建て替えをする場合、一定の基準を満たす家屋を建築すれば、解体費用と建築費用の一部が補助されます。
建て替えをしない場合は利用できないので注意しましょう。
また、老朽危険家屋解体撤去補助金と同様に、補助金支給の要件や補助金の額は自治体により異なります。
補助金の内容や要件だけでなく、名称も自治体により異なる場合もあるため、解体を検討しているアパートのある市町村のホームページを確認したり、役所に問い合わせたりすることをおすすめします。
3.アパート解体の手続き
アパート解体の手続きの流れをみていきましょう。
1)解体工事届出をする
建築リサイクル法では、面積80平方メートル以上の建物を解体する場合、解体工事届出の申請が必要であると定めています。
解体工事届出は、本来施工主が行うことになっていますが、解体業者に委任し、業者が代行して届出をすることが多いです。
着工する7日前までに申請しましょう。
2)道路使用許可申請を行う
解体工事を行う際、重機や車両などを道路に駐車して作業する場合、道路使用許可申請を管轄の警察署にしなければなりません。
申請義務は解体業者にありますが、業者から申請費用を請求される場合もあります。
道路使用許可申請は自分で行うことも可能なため、申請費用を節約したい場合、自分で申請するのがよいでしょう。
申請に関する書類は、着工する約2週間前までに提出します。
3)電気、ガスなどの停止手続きをしておく
着工する前に、電気やガス、電話やインターネット回線などの停止手続きをしておきましょう。
ただし、水道は解体工事で使用するので、停止しないよう注意してください。
4)解体後、建物滅失登記申請をする
解体後は、土地上の建物がなくなったことを登記する必要があります。
建物滅失登記申請をしないと、建物の固定資産税がかかり続けることになるので、解体後1ヵ月以内に法務局へ申請しましょう。
まとめ
アパート解体費用は、構造によって大きく異なり、丈夫な構造であるほど解体費用は高くなります。
さらに、規模や立地によっても異なるので、複数の業者から見積もりを取っておおよその解体費用を知り、依頼する解体業者を検討することが重要です。
解体には補助金が出ることもありますが、各自治体によって異なるため、補助金の詳細は必ず確認しておきましょう。
また、解体前に必要な手続きもあるので、余裕をもって申請しておきましょう。