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空き巣に狙われやすい物件とは?オーナーにできる防犯対策

執筆者:Redia編集部 Redia編集部

空き巣とは、住人が不在の時間を狙って室内に侵入し、金品を窃盗する犯罪のことです。

実は、空き巣に狙われやすい物件には、共通の特徴があるのです。

空き巣に入られてしまうと、大切な財産を盗まれたことのショックだけでなく、知らない間に何者かが部屋の中に侵入したという精神的なショックも大きくなります。

住んでいた部屋が賃貸物件であれば、また空き巣が入るのではないかという恐怖感から、引越しを考える人も少なくありません。

所有している物件が、入居者にとって安心して暮らすことのできる住み心地の良い住居となるように、オーナーができる空き巣対策、防犯対策についてご紹介します。

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1.空き巣はどこから侵入する?

1)住宅を対象とした侵入窃盗の侵入口と侵入手段

空き巣対策を行うためには、まずは空き巣の手口を知っておかなければなりません。

 

まず、住宅に侵入して窃盗をする犯罪には、住人の不在時に侵入する「空き巣」、住人が寝ている夜間に侵入する「忍び込み」、住人が在宅中で昼寝や食事をしている間に侵入する「居空き」の3つがあります。

 

警視庁は、令和元年中に発生した侵入窃盗の侵入口や侵入手段に関するデータを発表しています。

それによると住宅に侵入する窃盗犯の侵入口は、ベランダや居室などの「窓」からの侵入が63.4%と多くなっており、玄関などの「出入り口」からの侵入は36.4%となっています。

2)空き巣の侵入手段TOP3

住宅を対象とした侵入窃盗の侵入手段には、鍵がかけられていない玄関や窓から侵入する「無締り」、窓ガラスを割ったり破ったりして侵入する「ガラス破り」、ドアの錠に特殊工具を使用して開錠して侵入する「施錠開け」、ドアの隙間をバールなどで壊して侵入する「ドア錠破り」があります。

令和元年の4階建て以上の共同住宅(マンション)と3階建て以下の共同住宅(アパート)の空き巣の侵入手段は、以下のようになっています。

 

侵入手段 4階建て以上の共同住宅 3階建て以下の共同住宅
1位 無締り(38.4%) 無締り(42.8%)
2位 施錠開け(22.3%) ガラス破り(32.4%)
3位 ガラス破り(18.1%) 施錠開け(12.2%)

※出典:警視庁

3)空き巣に入られた場合のオーナー側の負担と補償

所有する賃貸物件に空き巣が侵入し、盗難被害が起きた場合、通常の管理が行われていた場合にはオーナーが責任を問われることはありません(ただし、鍵が壊れていてもすぐに修理しなかった場合やオートロックを故障した状態のまま放置していた場合などは、オーナー側の過失として賠償責任が問われるケースもあります)。

盗難された入居者の家財や現金等については、入居者が加入する火災保険によって補償されます。しかし、空き巣がガラス窓を割ったり、ドアを破ったりして中に侵入した場合、壊れた窓やドアの修理はオーナー側が費用を負担することがほとんどです。空き巣被害が発生すると、入居者が退去してしまう可能性もあり、さらに修理費用が必要となると収支に悪影響を与える可能性があります。

各保険会社では、不動産オーナー向けの火災保険を準備しており、空き巣によって建物に被害を受けた場合の損害を補償するものもあります。万が一の場合に備え、空き巣被害も補償する火災保険に加入しておくと安心です。

2.空き巣に狙われやすい物件の特徴とは

1)外部から侵入しやすい環境

低層のマンションやアパートのほうが4階建て以上の中高層マンションよりも被害が多い傾向にあります。

 

空き巣に狙われやすい低層マンション・アパートの特徴としては、

・防犯カメラなどのセキュリティ設備が整っていない

・常駐の管理人がいない

・オートロックがなく入り口まで簡単に侵入できる

などが挙げられます。

 

防犯カメラの設置で費用が気になる方は、本物を用意する必要はありません。ダミーでも効果的です。

空き巣に対して「防犯対策が施されている」と認識させるだけでも防犯効果はあります。

2)周りから見つかりにくい環境

空き巣は、誰かに見つかり通報されてしまうことを恐れます。

そのため、周りに見つかりにくい環境の物件を選び、住人の不在の時間を狙って侵入します。

空き巣に狙われやすい物件の特徴

・建物の周辺に樹木が生い茂っている物件

・高い塀で囲まれていて周りからの目隠しとなる物件

・ベランダの囲いが高く、ベランダに侵入してしまえば外部から見られることのない物件

・人通りの少ない場所にある物件

・線路や大きな道路が近く、侵入時や物色時の音に気付かれにくい場所にある物件

・公園が近く、物件の下調べをしていても不審に思われないような環境

・廊下や階段などに隠れやすい場所がある物件

以上のような条件に当てはまる物件は、空き巣にとって狙いやすい物件となります。

3.オーナーにできる空き巣対策をマンション・アパート別に解説

空き巣被害に遭わないためには、短時間での外出でも必ず施錠すること等、入居者ができる防犯対策とオーナー側ができる防犯対策があります。

ここではオーナーができるマンション・アパート別の防犯対策をご紹介します。

1)マンションの空き巣対策

オートロックが付いているマンションであっても、空き巣は入居者と一緒に入ることで不審がられることなく、安易に侵入できる可能性があります。

マンションの玄関ドアは同じタイプの錠が付いていることも多く、一度に複数戸が施錠開けの被害に遭うケースもあります。

マンションを狙う空き巣の中には、屋上からロープを垂らし、垂らしたロープを伝ってベランダに侵入する(下がり蜘蛛という)手口を使う場合もあります。

これらのマンション特有の条件を踏まえて、マンションの空き巣対策としては以下のような方法が考えられます。

マンションの空き巣対策

・各戸の玄関ドアには異なるタイプの錠を設置する

・オートロックであっても、エントランスやエレベーター等には防犯カメラを設置する

・室外機の設置場所等を工夫し、上の階へ侵入しやすい足場をなくす

・屋上へ出る扉にも必ず施錠を行い、管理を徹底する

2)アパートの空き巣対策

アパートは、マンションに比べて低層の建物であることが特徴です。

警視庁が公表しているデータにもあるように、3階建て以下の住宅は4階建て以上の住宅に比べて、ガラスを破って侵入している割合が高い傾向にあります。

したがって、アパートの空き巣対策としては、特にガラス周りの防犯強化が大切です。

窓の空き巣対策としては、以下の方法が有効です。

窓の空き巣対策

・窓に補助鍵やシャッターを設置する

・窓の開閉を感知して警報音を鳴らすセンサーを設置する

・錠周辺に防犯フィルムを貼り、ガラス破りを防ぐ

3)マンション・アパートに共通してできる空き巣対策

マンション・アパートに関わらず、空き巣対策の効果が期待できる方法をご紹介します。

それが周囲に気づかれやすい状況を作り出す方法です。

具体的には、以下のような対策です。

・歩いた時に大きな足音が鳴る防犯砂利を敷地に敷き詰める

・敷地内に人が近づくと周りを明るく照らすセンサーライトを設置する

・植栽を手入れして、見通しの良い環境にする

4.一番の空き巣防犯対策は建物の清潔感

これまで空き巣の防犯対策について解説してきましたが、最も効果的な防犯対策を最後にご紹介します。

それは「建物の清潔感を維持すること」です。

 

アパートやマンションに限らず、清潔感のあるところに人は集まります。

例えば一流のシティホテルなんかが良い例でしょう。

ホテルの外観や内観、スタッフが洗礼されているからこそ、利用者もそれに合わせて身なり等を整えるわけですね。

これは集合住宅にも当てはまります。

想像してみて下さい。草木が荒れ果ていて、玄関にはチラシなどのゴミが散乱している建物に人は寄り付くでしょうか。

換言すれば、手入れされた庭に調光が整ったスポットライトがあたり、建物の外壁も新しいペンキで塗られている・・・

このような清潔感のある建物に悪い手は伸びづらいものです。

 

空き巣や放火魔の目に留まりやすいのは、決まって荒れ果てた建物です。

防犯カメラなどの設備投資も大事ですが、まずは建物の清潔感を演出することが何よりも重要なのです。

まとめ

空き巣に入られたからといって、オーナーに責任が問われるものではありません。しかしながら、空き巣に入られた時の入居者のショックは大きなものとなります。

空き巣を防ぐための防犯対策はオーナーだけでできるわけではありませんが、空き巣が近づきにくい、入りにくい物件環境を整えるというハード面での防犯対策は、オーナーだからこそできることでもあります。

 

入居者が安心して暮らすことができる環境は、入居者の居室に対する満足度を高め、有効な空室対策ともなり得るものです。

 

所有する物件の防犯対策に不安を感じているようであれば、足場の撤去やセンサーライトの設置など、それほど手間や費用をかけずにできる対策から始めてみてはいかがでしょうか。

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