【築古DIY】オーナーが自分でリフォームする際のポイントは?

築古物件による不動産投資は、取得費が安価なため初期費用を抑えられます。
さらに、リフォーム会社に依頼せずオーナー自身でDIYすれば、高い利回りでの運用にも期待できるでしょう。
ただし、築古DIYはメリットばかりではありません。
ここでは、オーナーが自分で部屋のDIYを検討する前に知っておきたい工事期間や注意点をご紹介します。
1.築古物件を自分でリフォームするメリット
まず、築古物件をオーナー自身でDIYする時のメリットをご紹介します。
1)リフォーム会社に依頼するより安い
オーナーが自分でDIYすれば、職人の人件費や諸経費、業者の人が現地に通うための駐車場代などもかかりません。
プロに依頼すると、施工費が高いだけでなく諸経費もかかるため高くつきますが、自分でやれば費用を最小限に抑えられます。
初期費用を抑えられるDIYは、できるだけ少ない投資で不動産投資を始めたい人には、金銭面でのリスクが少なくおすすめです。
2)自分でDIYすると建物に愛着がわく
築古物件はどうしても古ぼけて見えがちですが、自分で修繕した物件なら、自然と愛着がわくでしょう。
オーナーが建物を大切にしていることは、借主にも伝わります。
結果として、部屋を丁寧に使ってくれることにも繋がるかもしれません。
2.築古物件を自分でリフォームする注意点
続いては、築古物件をオーナー自身でDIYする時の注意点をご紹介します。
自分でDIYできるようになるとリフォーム費用を抑えて運用できますが、気軽に手を出すと失敗することも。
DIYの時間をしっかり確保し、必要な準備をしたうえで実施するようにしましょう。
1)DIYには手間と時間がかかる
本業があるサラリーマン大家や複数の物件を所有するオーナーは、まずDIYの時間が確保できるのか考えましょう。
築古物件であれば大掛かりな改修も必要になり、予想以上に時間と手間がかかるおそれもあります。
2)有資格者でないと違法になる?どこまで自分でDIYできる?
DIYは気軽にできるイメージがありますが、工事内容によって有資格者でなければできない改修もあります。
資格がなくてもできるものでも、素人には難しい作業も。
不安があれば、やはり専門業者に依頼したほうが安心でしょう。
水道・給排水
水道管に手を加えない「水栓の取り替え」と「水漏れの修理」などは、DIYでも可能です。
しかし「水道管の水漏れ」に関しては、プロに依頼することをおすすめします。
改修方法によっては、水漏れが解消されないどころか、より大きなトラブルに発展してしまうことも想定されるからです。
エリアによりますが、各自治体のホームページには水道局が指定した「指定給水装置工事事業者」のリストが公開されています。
自治体の指定業者は一定の基準をクリアしていますので、業者選びの参考にするといいでしょう。
ガス
ガス管を接続する工事(ガス給湯器の交換、ビルトインコンロの機器交換など)については、危険が伴うため有資格者でなければ実施できません。
都市ガス、LPガス(プロパンガス)問わず、必ず資格を持つ業者へ依頼してください。
唯一、一般の方でも行えるのが「据え置き型テーブルコンロの交換・接続」です。
不安を感じる方は、新しくコンロを購入する際にガス台の交換・ガス管接続・古いガス台の引き取りを相談するといいでしょう。
電気
照明器具と電球の交換、コンセントカバーの交換は誰でも簡単にできます。
「乾電池式」と「電源コード式」のインターホンなら、資格がなくても設置・交換ができます。
一方「電源直結式」のインターホンの場合は、電気工事士の資格が必要です。
電気配線に関わる工事は、感電や漏電から事故に繋がる危険がありますので、必ず専門業者に依頼しましょう。
3)リフォーム業者に依頼する際の確認ポイント
まずは、リフォーム業者のホームページなどで以下の項目をよく確認しましょう。
●所有資格
●口コミ
●見積の手順
●後から高額な追加料金がかからないか
●保証期間
●アフターケア
工事前には、必ず見積書をもらってください。
「追加料金がかからない」と口頭でいわれたとしても、証拠がなければ「言った・言わない」のトラブルにも発展しかねません。
3.DIYかリフォーム業者に依頼するかの判断ポイント
有資格者が実施しなければならない工事を除けば、オーナーによるDIYが可能です。
しかし「費用を抑えたい」という気持ちだけでDIYを選択することはおすすめしません。
費用だけでなく、次のようなものを比較するようにしましょう。
1)工事期間
DIYに慣れていない場合は、たとえば業者に依頼すれば2~3カ月で終わる工事が、半年かかってしまうこともあります。
工事費用は、プロに依頼すると高くなります。
しかし、工期が3カ月縮まれば家賃収入が早く入ってくるため、コスト差が縮まることも。
それでもDIYの方が安くなる傾向にはありますが、本業があったりDIYにあまり時間が取れなかったりする場合は、業者に依頼し早々に家賃収入を得たほうがいいケースもあります。
2)クオリティー
プロに頼めばそれなりの費用がかかりますが、施工のクオリティーは当然ながらプロのほうが上でしょう。
DIYでも、クオリティーに大差が出ない改修もあります。
しかし、壁紙の張り替えや棚の取り付けなどでも、曲がってしまったり気泡が入ってしまったりすれば見栄えが損なわれ、使い勝手も悪くなります。
改修のクオリティーが、入居率に直結する可能性もゼロではありません。
費用だけに捉われず、収益性を高められる改修ができるかどうかという視点を持つことも大切です。
3)DIYに関われる時間や自分の興味
DIYするかどうかの判断の分かれ目は、オーナー自身の状況や意向次第でもあります。
たとえば、対象物件がオーナーの自宅から遠方にあるのであれば、地元のリフォーム業者に依頼したほうがスムーズなはずです。
さらにDIYには、時間だけでなく、DIYグッズや施工方法のリサーチ、工具の準備など、人によっては面倒だと思われる作業も伴います。
そもそも、DIYには向き不向きがあります。
不器用な方や時間が限られている方、クオリティーを求めている方などは、無理にDIYする必要はないでしょう。
まとめ:物件にも自分にもメリットのあるDIYを
「知らないでうっかり違法DIYしてしまった」
「予算を大幅にオーバーしてしまった」
「予算は抑えられたけど時間がかかりすぎた」
DIYは改修費用を抑えられるというメリットがありますが、上記のようなことは避けたいものです。
築古物件の状況によっても、必要な改修内容は異なります。
予算だけでなく、改修によって得られる効果や工事スケジュール、DIYの難易度、法規制などあらゆることを踏まえたうえで、自分でDIYするかリフォーム会社に依頼すべきか判断してください。