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コラム

不動産投資ローン支払い中に、住宅ローンは利用できるのか?

執筆者:棚田 健大郎 棚田 健大郎
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不動産購入を目的としたローンの中でも、特によく知られているのが住宅ローンと不動産投資ローンです。2つのローンはその性質が異なっているため、特徴を正しく理解しておく必要があります。

ここでは、投資用不動産ローンの返済中に、新たに自宅を購入するための住宅ローンを利用できるか検討するために、2つの金融商品の違いについて説明していきます。

 

1.不動産投資ローンは住宅ローン利用に影響するか

2種類の金融商品を利用するとなると、すでに不動産投資ローンの融資を受けていることが住宅ローンの審査に影響するのではないかと心配になるかもしれません。

融資一般を利用する場合、申込者には「いくらまでなら貸し付けても良い」という与信枠が与えられます。与信枠は、申込者の勤務年数や収入傾向を始めとする様々な要素から判断されるものです。

与信枠には限度があると考えれば、いずれかの借入可能額が少なくなることもあり得るでしょう。どちらか1つしか利用していない人より2つとも利用している人の方が債務も大きくなるからです。

このため、2つの貸し付けの同時利用は互いに影響しあうと考えられます。

2.不動産投資ローンと住宅ローンは併用できるのか

いずれの貸し付けも併用可能ですが、それぞれ返済の原資が異なってきます。

不動産投資ローンの場合は、入居者から得る家賃収入(事業収入)が原資であり、住宅ローンは定期的な労働収入となるからです。つまり、それぞれきちんと分けて管理していれば、返済は問題なく行えるはずであり、併用にも支障はないと言えるでしょう。

ただし、不動産収入に関しては、常に入居者がいて滞りなく家賃収入があることが前提になっている点に注意が必要です。

事業である以上、空室となり家賃収入が見込めなくなる時期もあり得ますので、状況によっては生活費から2つの貸し付けの返済を行わなければならなくなるかもしれません。こういったリスクについても理解しておく必要があります。

3.不動産投資ローンと住宅ローンを利用する順番

これから先、不動産投資ローンと住宅ローンのいずれも利用する予定がある人は、その利用の順番に気を付けた方が良いでしょう。投資物件と自宅をどちらも購入するには、工夫が必要です。

まず先に考えなければいけないのが、それぞれの貸し付けに関わる審査の問題です。

融資の審査は商品ごとに内容が異なっていますが、一般的に、不動産投資ローンの方が、審査が厳しいと言われているのです。

住宅ローンを先に利用した場合、多額の残債を抱えることになるため与信枠が狭められ、不動産投資ローンの借り入れ可能額が減る可能性が出てきます。このため、現在住む家がある状態でまず不動産投資ローンを借り入れ、残債金額とのバランスを見ながら、将来的に住宅ローンを組むようにすると良いかも知れません。

ただし、気を付けたいのが、不動産投資ローンの返済原資の確保についてです。返済のことを念頭に置き、事業収入に当たる家賃収入が途切れることのないよう、不動産投資を軌道に乗せることに一旦は集中した方がよいでしょう。

不動産投資が軌道に乗ってきたら、返済も順調に進みますので、その時に住宅ローンへの申し込みを検討するのがおすすめです。

4.不動産投資ローンと住宅ローンの違い

両社の違いの中でも代表的なものとして、融資額の違い返済期間の違いが挙げられます。

住宅ローンの融資限度額は、年収の数倍程度が平均的だと言われていますが、不動産投資ローンの融資限度額は住宅ローンの融資枠より大きい傾向にあるのです。

これは、不動産投資ローンが家賃収入で返済が行われることを前提としていることから、個人に対する与信とは異なる審査方法が採られていることに由来します。

一方、2つの貸し付けには返済期間にも特徴があります。不動産投資ローンについては、物件の耐用年数が返済期間に影響することがあるのです。

例えば、木造アパート物件の耐用年数は22年ですから、返済期間は新築物件で約30年間と言われていますし、マンションの耐用年数は47年であることから、返済期間は中古でも35年間が平均的とされています。

まとめ

同じ住宅でも、それが投資用か自宅用かによって、使えるローンは変わってきます。不動産投資ローンで自宅を購入することはできませんし、住宅ローンで不動産投資物件を購入することもできません。

また、融資枠や返済期間等にも違いが多々ありますので、予め両者の特徴を調べて理解し、金融機関ともよく相談のうえで利用しなければならないのです。どちらの貸し付けを利用する場合でも、できるだけリスクを軽減するためには、事前の情報収集や専門家への相談が不可欠となりますので、計画性をもって話を進めるようにしましょう。

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