不動産投資ローンを組む時には何を見られる?~年収編~
不動産投資ローンは審査のハードルが高いと言われています。
「年収が高くないとローンは組めない?」「不動産投資を始めるにあたって年収はどの位必要」とお考えの方に、金融機関別の不動産投資ローンを組める年収の目安、ローン審査の基準等を解説していきます。
1.不動産投資ローンを組める年収とは?
不動産投資では「年収〇百万だから融資を受けられる」という明確な基準は存在しません。
不動産投資ローンのカギは「個人の属性」「資産背景」「物件の条件」の3つとなり、年収は「個人の属性」の一部に過ぎないからです。
ただし一般的に年収が高い方がローンの審査で有利と言われており、年収500~700万円以上が目安と言われています。
不動産投資ローンの条件について
日本政策金融公庫
日本政策金融公庫は、民間金融機関を補完する国の金融機関です。
そのため、民間の金融機関と比べ審査条件が緩和されている傾向にあり、金利も低めに設定されています。女性や若年層・高齢者に優遇制度があり、民間金融機関で申込基準に満たない方でも相談可能です。
SBJ銀行・オリックス銀行
SBJ銀行など年収400万円から相談出来る金融機関もありますが、オリックス銀行などのように年収500万円以上を基準としている金融機関が多いです。
また、メガバンクや大手金融機関では年収だけではなく資産背景も提示しなければ審査出来ないケースもあります。
金利の目安
金利の目安としては大手金融機関が1%~、政策金融公庫は2%前後、ノンバンクは1%後半~4%前後と幅広い取扱になっています。
ノンバンクでの金利幅になぜこんなに差があるのかというと年収及び物件の条件が関連してきます。まず年収が500万円以上ないと低金利の金融機関への申込が難しくなります。逆に高金利の金融機関であれば年収制限のない所もあります。
また金利の低い金融機関ですと物件が築30年以内のものに限るであったり、エリアも指定されていたりと物件に縛りが出てきます。逆に高金利の方だと物件に縛りは少なくなってきますが、代わりに一定量の自己資金の投入を要求されるケースが多いです。
2.金融機関選びのコツは優先順位付けが大事
条件の優先順位によって金融機関の選び方も変わってきます。
例えば優先順位1を金利、優先順位2を100%ローン、優先順位3を事務手数料の低さで考えるのであれば、金利条件で絞込をかけ、自身の年収に合わせて申込金融機関を選ぶといった方法になります。
これらで紹介した内容を認識しているのとしていないのでは活動量にも大きく差が出ますし、知識として知っていれば失敗するリスクも抑えられるかと思います。
3.気になる不動産投資家の年収とは?
民間のポータルサイト(健美家)※が2020年4~5月に行った不動産投資家に関する調査では、投資家の年収(家賃年収含む)は「1,000~1,500万円未満」が26.7%と一番多く、次いで1,500~3,000万円未満が19.3%、700~1,000未満が17.7%となっています。
ただし年収500万円未満の投資家も10.6%と一定数存在します。また「家賃収入を含む年収」となっていますので、例えば年収400万円のサラリーマンが年間200万円の家賃年収を得た場合は年収600万円となります。
同調査の結果では、投資家の自己資金は500万円未満が24.9%と最も多く、1,000万円以上~1,500万円未満が16.8%、500万円以上~700万円未満と、2,000万円以上~3,000万円未満が11.5%でバラつきが見られます。
職業は会社員が54.8%と半数以上を占め、不動産経営者が13.3%、会社役員が10.8%、自営業者が7.6%となっています。
※参考:健美家https://www.kenbiya.com/info/user_anquite_result202004.html
会社員は安定した収入を得られるため、ローンの審査では有利になる傾向がありますが、自営業者・個人事業主が一概に不利という訳ではなく、事業実績や資産状況によっては有利な場合もあります。
注意点としてはローン審査における年収の考え方には賃料収入などの副収入は審査対象年収には含まれないことが多く、年収に含めて審査する金融機関でも収入から経費を差し引いた所得のみ考慮というケースが一般的です。
つまり物件を増やせば次の物件の購入がしやすくなるというケースは少なくなります。
しかしながらローン完済後の物件に関しては単純に所得+資産とみなされますのでプラス要素になります。自身の資産バランスを考えて購入していく必要があるので適切なアドバイスをくれるパートナーを探すのも失敗しない重要なポイントになるかと思います。
4.まとめ
区分マンション投資で黒字経営を行い、早期ローンを完済してその物件を共同担保にアパート一棟投資へ事業を拡大できる可能性がありますので、収入が低いからと不動産投資を諦めてしまうのは勿体ないと言えるでしょう。
不動産投資ローンは年収が高い方は有利に働きますが、審査は個人の属性、資産背景、物件の条件で総合的に判断されますので、「年収は目安の一つ」と捉えておきましょう。