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【建築士が説く!】戸建ての耐震等級は1で十分?耐震等級3の強さと費用及び必要性を解説

執筆者:椙原 あやめ 椙原 あやめ

不動産投資を検討する際、利回りや物件価格面で投資用マンションやアパートの購入を考える方が多いかもしれません。

しかし、不動産投資物件は集合住宅だけに留まりません。

一戸建てを投資物件とすることももちろんできます。
また、自宅として一戸建て住宅を購入し、住宅ローン完済後にマイホームを貸し出すことも可能です。

あなたが安心して家に住み続けることができ、さらに人に貸すことを考えているのであれば、木造一戸建て住宅に耐震等級3は必須です。

この記事では、一戸建て住宅を建てる前に必ず知っておきたい以下のことを解説します。

・「耐震等級」ってなに?
・耐震等級1・2・3の違い
・耐震等級3が必須といえる理由
・耐震等級3の証明にかかる費用
・耐震等級3を取得するメリット

1.耐震性が決まる住宅設計のポイント

耐震性の高い建物を建てるために大切なのは「全体のバランス」です。

まずは、耐震性に影響する4つのポイントを説明します。

1)建物は軽いほど耐震性が高い

建物や屋根の重量が軽いほど、耐震性は高まります。

とくに屋根は金属屋根が一番軽く、次にスレート屋根、一番重いのが瓦屋根です。

2)耐力壁が多いほど耐震性が高い

「耐力壁」が多いほど耐震性が高くなります。

耐力壁とは、構造用面材や筋交いが入れられた壁のことです。

 

耐力壁の場所には、基本的に大きな窓が設置できません。

耐力壁は位置によって、開口部の位置や大きさに制限を及ぼします。

3)耐力壁や金物をバランスよく配置

耐力壁は、建物のどこに配置するかだけでなく、どこかに耐力壁が偏ることなく、かつ建物のX方向・Y方向ともにバランス良く配置することがとても大切です。

また、2000年にはホールダウン金物(引き寄せ金物)の適切な設置が義務付けられました。

2000年5月31日・建設省告示1460号「木造の継手及び仕口の構造方法を定める件」

4)屋根や床の耐震性能(水平構面)が高い

垂直方向の耐力壁だけでなく、水平方向の屋根や床も大切です。

地震や暴風で受ける水平方向の力を耐力壁で受けるためには、水平面(屋根や床)の強さも重要です。

 

例えば、ダンボールの側面だけが厚くて丈夫でも、蓋や底がしっかりしていないと、横から押したらつぶれてしまいますよね。

それは、建物も同様です。

2.「耐震等級」とは地震に対する建物の強さを表す指標

「耐震等級」とは

平成12年に制定された「住宅の品質確保の促進等に関する法律」(以下、品確法)による、住宅性能表示のこと。

建物の耐震性を判断する目安として、耐震等級1~耐震等級3までの、3つの等級が決められました。

「耐震等級」が、地震に対する構造躯体の倒壊、崩壊等のしにくさの目安になります。数字が大きいほど耐震性が高いです。

耐震等級1

耐震等級1の地震に対する強度は「極めて稀に(数百年に一度程度)発生する地震による力(建築基準法施行令第 88 条第3項に定めるもの)に対して倒壊、崩壊等しない程度」日本住宅性能表示基準│国土交通省 と定められています。

 

耐震等級1は、大地震が発生したときに人が建物から外へ避難する時間は倒壊しない、「住む人の命を守る」最低限の基準であると考えましょう。

 

2011年の東北地方太平洋沖地震、2016年の熊本地震、2018年の北海道胆振東部地震など、震度7の大地震が複数回起こったら、命を守ることはできても、家が倒壊し二度と住むことができない可能性が高いということです。

耐震等級2

耐震等級1の1.25倍の耐震性能を持つのが「耐震等級2」です。

大地震が複数回おきたら、住むことが困難になる可能性があります。

熊本地震では長期優良住宅(耐震等級2)でも倒壊した住宅がありました。

耐震等級3

耐震等級1の1.5倍の耐震性能を持つのが「耐震等級3」です。

 

「数百年に一度の地震が起こっても、修繕することで引き続き住むことができる」強さを持つ建物といえます。

 

2016年4月14日及び16日に発生した熊本地震では、益城町中心部で唯一震度7を観測しました。

建築基準法が定義する震度6強~7の「数百年に一度程度の地震」が2回起こっているのです。

 

そのような想定していなかった大地震が2度起こったにも関わらず、耐震等級3の建物は8割以上が無被害、残りも軽微な被害で済んだのです。

※出典:国交省「熊本地震における建築物被害の原因分析を行う委員会」報告書のポイント

3.耐震等級3を取得するには?

熊本地震の建物被害状況からも、木造2階建て住宅を新築するなら耐震等級3は必須ということがお分かりいただけたと思います。

 

「耐震等級」とは「住宅性能表示制度」の項目のひとつ。

住宅品質確保法に基づき、国土交通省から認定された住宅性能評価機関が、住宅の性能を評価するものです。

※出典:一般社団法人住宅性能評価・表示協会「住宅性能評価」

耐震等級3の住宅を建てたい場合には、建設会社との請負契約締結前に「住宅性能表示を取りたい」「耐震等級3を取りたい」と伝えましょう。

 

耐震等級3の家にするには、上下階の壁位置のバランスが取れていることや、上下階の柱位置が同じ比率が高いことも重要です。(壁の直下率、柱の直下率といいます)

 

住宅プランができてから耐震等級3を希望しても、設計のやり直しになる可能性が高くなります。

希望スケジュールで住宅が完成し入居するためにも、早めに希望を伝えてください。

4.耐震等級3の取得費用は?

最近では、ハウスメーカーや設計事務所などでも「耐震等級3が標準仕様」という会社が増えています。

標準仕様なら、追加費用なしで耐震等級3の住宅を建てることができます。

 

それに対して、標準仕様でない住宅会社の場合は追加費用がかかります。

耐震等級3の取得費用の主な内訳は以下の通りです。

  • 構造計算費用
  • 耐震等級3を満たすための施工費用

 

順番に説明します。

1)構造計算費用

一般的な木造2階建て住宅の場合、構造計算をしなくても建築できます。

 

建築基準法では、2階建て以下、延床面積500平方メートル以下、高さ13m以下、軒高9m以下の木造一戸建て住宅を「4号建築物」と呼び、4号建築物には構造計算を義務づけていません。(「4号特例」といいます)

 

構造計算が必須でないかわりに「仕様規定」を満たすことが条件になります。

その「仕様規定」の中に簡易な構造の確認方法である「壁量計算(へきりょうけいさん)」も含まるのです。

 

つまり、ほとんどの木造2階建て以下の住宅は、構造計算をしていないのです。

2)耐震等級3評価には「性能表示計算」か「許容応力度計算」が必要

木造2階建て住宅で耐震等級3を取得する場合は、「性能表示計算」または「許容応力度計算(構造計算)」が必要です。

  • 品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)による性能表示計算
  • 許容応力度計算

 

「性能表示計算」と「許容応力度計算」の違いは、シンプルにお伝えすると、耐力壁の必要壁量が全く異なります。

同じ耐震等級3でも、「許容応力度計算(構造計算)」の方が詳細な計算を行い、安全性能も高いのです。

 

その分、構造計算の費用も高く、性能表示計算の費用は約10万円、許容応力度計算(構造計算)の費用は20万円~です。

3)耐震等級3を満たすための施工費用

住宅の面積によって費用が変わります。

しかし、耐震等級1の建物に比べて、1.5倍の耐震性能を持つということは、その分耐力壁や建築金物が多くなるということです。

4)耐震等級3の追加費用は合計でいくらかかる?

許容応力度計算は非常に難しいため、外部の構造事務所に依頼することが多いです。

住宅会社の中には高額な構造計算ソフトを所有していて社内で構造計算ができるところもありますが、許容応力度計算は手間もコストもかかります。

 

耐震等級3が標準仕様ではない住宅会社で耐震等級3の家を建てたい場合、追加費用は約40~50万円かかるといえるでしょう。

5.耐震等級3の住宅を建てる費用メリット

耐震等級3取得にかかる費用を聞いて驚いた方もいるかもしれませんが、耐震等級3の家を建てることは、安全面が高いのはもちろんのこと、費用面でのメリットも大きいです。

1)地震保険の保険料が50%割引になる

耐震等級3の住宅なら、地震保険が50%割引になります。

50%割引といわれても、そもそも地震保険の保険料がいくらなのかわかりませんよね。

 

地震保険は国が決めているため、保険会社によって金額が異なることはありません。

地震保険の保険料はおおむね、住宅の所在地(都道府県)と建物構造で決まります。

 

財務省が「保険金額1,000万円あたり保険期間1年につき」地震保険の基本料率を公開していますので参考にしてください。

※出典:財務省 地震保険の基本料率(令和3年1月1日以降保険始期の地震保険契約)

2)フラット35Sで金利優遇が受けられる

【フラット35】Sでは、高い性能を持つ住宅に対してローン金利が優遇されます。

 

高い性能とは、以下の4つで、そのうち1つを満たせば適用されます。

  • 省エネルギー性
  • 耐震性
  • バリアフリー性
  • 耐久性・可変性(長期優良住宅)

 

耐震等級3の住宅は「耐震性」に優れると評価され、【フラット35】S(金利Aプラン)が使えます。

フラット35と比較して、金利が非常に有利です。

※出典:フラット35S 2021年10月版チラシ

※【フラット35】Sには予算金額があり、予算に達する見込みとなった場合は受付終了になります。

3)知っておきたい「耐震等級3相当」

稀に「耐震等級3相当」と謳っている建設会社があります。

 

耐震等級3を取得するには、住宅性能評価機関へ申請し、認定を受けなくてはなりません。

ただ、家づくりの予算には限りがありますよね。

「数十万の費用は高すぎる」「耐震等級3相当の設計をしているなら安全なんでしょう?」「元が取れないのでは?」という方もいると思います。

 

あなたが地震保険の割引や【フラット35】Sの金利優遇に魅力を感じ、利用を検討しているなら、耐震等級3評価を受けている必要があります。

自称「耐震等級3相当」は認められませんので注意してください。

【まとめ】木造住宅を新築するなら耐震等級3は必須

地震大国である我が国において、耐震等級1の木造住宅では十分に安心できるとはいえません。

 

一戸建てで不動産投資をする、あるいはマイホームを新築して自分で住み、住宅ローンを完済してから人に貸し出すことを検討している方は「耐震等級3」を取得することをおすすめします。

 

近年では「自宅投資」という言葉もよく聞かれるようになりました。

暮らし方が多様化している今、自宅が未来永劫、自宅であり続けるとは言い切れません。

資産価値の維持、そして自宅が将来、投資物件になる可能性を考慮し、住まいの立地やデザイン、間取りのみならず「質」を意識して不動産を取得するようにしましょう。

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