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コラム

新たな付加価値を!リノベーションとコンバージョンの違い

執筆者:Redia編集部 Redia編集部

リノベーションとコンバージョンはどちらも既存の建物を新たな仕様にして価値を高めながら再利用する仕組みです。

一見すると似ているように見えますが、大きな違いもあります。

そこで今回はリノベーションとコンバージョンの違いについて解説していきます。

1.リノベーションとは?

リノベーションはリノベなどと略されて呼ばれることもありますが、既存の建物に対して大規模な改装工事をおこなうことで建物を新築の状態にまで美しくしたり、価値を高めることを言います。リノベーションは既存の躯体などをそのまま利用して改装していきます。そのため新たに全てを建築する必要がある新築よりも低いコストで理想の空間を手に入れることができるのです。

リノベーションに似たものとして、リフォームがあります。リフォームは経年変化によって傷んだ箇所や故障した設備などを修復して元通りにすることです。つまり、マイナスの状態をそうなる前の状態に戻すことになります。リフォームは原状回復とも言われ、単に傷む前の状態に戻すだけなので、新たな付加価値は生みません。

これに対してリノベーションは原状回復することに加え、耐久性を高めるための耐震補強工事、家族が増えることを見越して間仕切りの壁を撤去するなどの間取りの変更など新たな付加価値を高めていきます。リノベーションが英語で、「革新・刷新」を意味しているのはそのためです。リノベーションの場合、単に機能を高めるだけでなく、よりデザイン性の高い仕様に改装したり、IoTなどAI(人工知能)を利用した便利な設備を取り入れたりするなど時代の変化に合わせて建物を改良していくこともあります

リノベーションが人気を呼んだのは、都心で相次いで売り出されたリノベーションマンションが挙げられます。リノベーションマンションは不動産会社などが都心の一等地など立地面で有利な築古の中古マンションをリノベーションし、魅力的で使いやすい間取りにしてから再販売するものです。マンション自体は旧耐震基準のものなどが多いため、安い価格で仕入れられます。そのようにして仕入れた築古のマンションをリノベーションすることで新たな付加価値をつけて売り出されます。

都心の利便性が高くて貴重な立地にあるものの、建物自体が非常に古いために豪華な仕様の割には安く購入できる点が人気を呼びました。リノベーションマンションはリノベーションの典型的な活用方法といえるでしょう。

2.コンバージョンとは?

コンバージョンとは、原状回復を目的とするリフォームや性能の向上をはかるリノベーションと異なり、既存の建物の用途変更をおこなって全面的に改装して全く新たな建物として再生させることです。既存の建物の性能向上のためにリノベーションした上、更に用途も変えていくのがコンバージョンとも言えます。

コンバージョンに対してニーズが生まれる要因として考えられるのは、社会環境や周辺環境が時代とともに変化して、既存の建物やその立地に求められるものが変化していくためです。例えば、中途半端なサイズで使い勝手もあまりよくないが、都心の便利なロケーションにある小規模な倉庫や雑居ビルをシェアオフィスなどに転用したりする例が挙げられます。

また、別の用途に変えることでその建物の収益性を高めたり、ニーズを増やせる場合にもコンバージョンは効果があるために利用されます。例えば、都心での健康志向の高まりから賃貸住宅をフィットネスクラブにコンバージョンする例などがあります。また、コストのかかる企業の独身寮をシェアハウスにして新たなニーズを掴んだり、収益力をアップさせる例もあります。建物周辺の社会的なニーズの変化に合わせたコンバージョンは非常に有効な手段といえるでしょう。

3.リノベーションとコンバージョンの違い

リノベーションとコンバージョンの違いをひと言でいえば、用途変更を要するかどうかの違いになります。用途変更しないで既存の建物の資産価値を高めるのはリノベーションになります。一方で用途変更をおこない、資産価値を高めていくのがコンバージョンです。

リフォームが原状回復だとするとリノベーションは原状回復に間取り変更が加わります。コンバージョンは原状回復と間取り変更に加え、用途変更も含まれていると考えるとイメージしやすいかもしれません。

また、コンバージョンは使わなくなった倉庫を賃貸住宅にするといった具合に大きな用途変更を伴って既存の建物を再生していきます。そのため一般的にはリノベーションよりもコンバージョンの工事のほうがより多くの費用が発生します。使われなくなった建物や商業ビルなどを全く別の建物に改装して価値を高めて再生していくコンバージョンのほうが、より社会的な使命や役割が大きいと言えるでしょう。

4.まとめ

リノベーションやコンバージョンは、既存建物を有効活用する上で非常に有効な手段です。躯体や使えるものは活かしながら、再生させて新たな価値を生み出してくれるので、都市を再生させるための手法として今後も拡大が期待される手法といえます。

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