中古不動産投資のリフォームはどこから?優先順位を決める唯一の考え方
中古物件を取得して不動産投資を行う場合に、古い部分のリフォームを検討する方も多いのではないでしょうか。しかし、限られた予算の中でどこをリフォームすべきなのか、悩んでしまうこともあるでしょう。
そこで今回は、不動産投資における中古物件のリフォームの優先順位を決める考え方についてご紹介します。
1.不動産投資と住居用のリフォームの優先順位は全く違う
不動産投資用の物件と自分が住むための物件では、リフォームすべき箇所の優先順位は全く異なります。
ご自身で住む住居用のリフォームであれば、断熱性能を高めたり、耐震性能を高めたり、キッチンやお風呂などの水回りを新しくしたりと、快適な生活を送るためのリフォームが優先されるでしょう。
特に、断熱効果や耐震効果を高める場合は補助金を受けられる可能性もあるので、重要視される傾向にあります。
不動産投資のリフォームの場合は、入居者を獲得しやすくしたり、賃料をアップするためだったりと家賃収入を上げることを目的として行われるものです。
そのため、高額なリフォーム費用がかかる断熱系や水回り系のリフォームを行っても、リフォームに費やした額を家賃で回収することができなければリフォームの意味がありません。
このように、住居用物件のリフォームと不動産投資用物件のリフォームでは、リフォームの目的が異なるのです。
不動産投資では、これらの費用対効果を考えて優先順位を考えることが重要となります。
2.不動産投資のリフォームはどこから行えばいい?優先順位の決め方とは
では、不動産投資のリフォームの優先順位はどのように決めればよいのでしょうか。
1)入居者のターゲットを決めること
不動産投資物件のリフォームをするときは、入居者のターゲットを決めることが最も大切です。
例えば、単身者向けの物件に必要な設備とファミリー世帯向けの物件に必要な設備は異なるものです。
また、20代、30代の若い世代が好むものと高齢者の層が好むものにも違いがあります。
入居対象となる人が求めていない設備をリフォームしても、入居者の獲得にはつながりにくいでしょう。
リフォームをする前には、物件の周辺環境などを鑑みながら、まずは入居者のターゲットを決めることが大切です。
2)ターゲットがNGだと思う場所から改善していくのがベスト
ターゲットとする層の入居者を獲得するためには、ターゲット層にとって優先順位が高いと考えられる場所からリフォームを行い、改善していく方法がベストです。
入居を決める際には、あったら便利だなと思う設備や、あったらいいなと思う機能は、プラスアルファの価値にはなるかもしれません。
しかし、それは絶対にあってほしい機能や設備が整った上でプラスになるものです。
入居のための最低条件が満たされなければ、入居の動機づけにはなりません。
そのため、不動産投資物件のリフォームの際には、プラスアルファの機能や設備を優先するのではなく、ターゲット層にとってこれがなければ入居につながらないと考えられる場所から改善をしていくようにしましょう。
3.所有物件の印象をよくする不動産投資のリフォーム
入居者を獲得するためには、ターゲット層によい印象を与えることが大切です。
物件の印象を高めるリフォームを行うには、どのようなことを優先する必要があるのでしょうか。
1)手に触れる金属部分が最優先
まずリフォーム及び掃除を優先する場所は、「階段の手すり・水回りの蛇口・ドアノブ」など手の触れる場所をピカピカにする(できなければ取り換える)事です。
理由は全入居者が手に触れる場所が汚いと思う清潔感のない家に住みたいと思わないから。
特に水回りの手に触れる部分は神経を使った方が良いでしょう。
あなたがその物件で生活する事を考えてみてください。
錆びだらけの汚い蛇口から出てきた水で手を洗い、ましてはうがいのためにその汚い水を口の中に入れることを想像してみてください。
おそらく良い思いはしないでしょう。
金属部分をピカピカにする事で、「設備は真新しくないけど小奇麗な物件」と思ってもらう事が大切。
リフォームするのであれば、最低でも入居希望する人全員が、入居を検討したいと思える物件を目指すべきです。
あと、手に触れる部分のリフォーム費用は安上がりになる傾向ですので、優先してやっておきましょう。
2)目に見える場所
部屋に入った瞬間に目に入る場所は、内見時、入居希望者に大きな影響を与えます。
面積も大きい壁や床がきれいな状態であることはよい印象につながるため、壁紙を張り替えるだけでも部屋の印象は大きく変わるでしょう。
また、フローリングが傷んでいるような場合も新しいものに張り替えると、古い部屋でも清潔な印象に変えることができます。
まずは、手に触れる場所を最優先にしてリフォームを行うようにしましょう。
3)インターネット等の回線
入居者が賃貸住宅に求める設備を調べたアンケート結果では、ここ数年、人気の設備1位にはインターネット無料設備がランクインしています。
今や、スマートフォンやパソコンはもちろん、テレビなどの家電もインターネット回線を利用した製品が増え、インターネット回線は生活に欠かせないものとなってきました。
単身層にもファミリー層にもインターネット無料設備は人気になっているため、インターネット無料設備の導入も、リフォーム時には優先して考えるべき事項です。
4)外観(区分マンション以外)
外観が入居希望者に与える影響も大きいものです。
マンションやアパートを1棟所有している場合や戸建て物件を所有している場合、外壁のひび割れや汚れは放置せずに必要に応じて補修や清掃を行うことが大切といえるでしょう。
また、マンションやアパートの場合はエントランス部分や共用部分も汚れや落書きがないように、きれいな状態に保つことも印象をアップさせます。
5)予算に余裕があれば水回り
上に示した箇所のリフォームを検討した上でまだ予算に余裕があれば、キッチン、お風呂、トイレなどの水回りのリフォームを行うとよいでしょう。
壁や床に加えて、水回りの設備も新しくなると建物が古い場合でも部屋自体が新しい印象になります。
入居者に明るくきれいなイメージを与えられれば、入居者を獲得しやすくなり、家賃も上げられる可能性があるでしょう。
まとめ:不動産投資のリフォームは、客付けのしやすさと家賃向上の有無で決める
不動産投資と住居用物件のリフォームでは、優先すべき箇所が異なります。
不動産投資のリフォームでは、入居者を獲得しやすくなるか、家賃をアップさせられるかどうかを判断基準に、費用対効果を考えてリフォームの優先箇所を決定しましょう。
リフォーム時にはまずターゲットとする層を明確にし、ターゲット層にとってNGだと考えられる箇所を改善すること、物件の印象をよくするリフォームを行うことが大切です。