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空き家を有効活用して稼ぐ!成功事例も交えて解説

執筆者:Redia編集部 Redia編集部

相続により実家を受け継いだものの住むあてがないといった「空き家」が、日本国内でどんどん増えています。
空き家の放置は、居住者が居なくても固定資産税が発生したり、資産価値が低下したりとデメリットが多くあります。

今回は、空き家を放置しているという方へ、空き家を有効活用する方法や各自治体からの補助金などについて解説していきます。

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1.空き家の放置にはたくさんの問題点がある

1)空き家の課題

総務省が5年ごとにおこなう「住宅・土地統計調査」の最新データが、ウェブ上で公表されています。

平成30年版によれば、日本全国における空き家は848万9千戸(前回調査より3.6%増)で、住宅総数に対する空き家率は13.6%1%増)と過去最高の高さになっています。

※出典:総務省 平成30年住宅・土地統計調査 住宅及び世帯に関する基本集計 結果の概要 2ページhttps://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2018/pdf/kihon_gaiyou.pdf

このように空き家が増え続ける事態となっている主な原因は、日本国内で急速に進む少子高齢化です。

人口減少に対し住宅の供給は続いていること、核家族化がさらに進む中で実家とは別の住宅を所有しているために、相続した実家は放置せざるを得ないという人が多い現状など、このままでは空き家がますます増え続けるのではないかと予想されます。

現在空き家を所有している場合、以下のような問題点があるということを認識しておきましょう。

  • 庭のごみの放置による放火やゴミの不法投棄をされるリスク
  • 上記により公衆衛生が悪化し、近隣トラブルを招く
  • 経年劣化により、土地・建物の利用価値とともに、資産価値も下がる
  • 建物の老朽化が進み、自然災害が重なると倒壊につながることも

特に建物の倒壊は、通行人をケガさせてしまった場合など損害賠償責任が発生しますので、注意したいところです。

2)空き家に対する“ペナルティ”は対象範囲が拡大

2015年には、空き家に関する始めての法律「空き家対策特別措置法(空き家法)」が施行されました。同法では、管理が行き届いておらず、周りに危害を与えるおそれのある空き家を「特定空き家」に指定したうえで、段階的に次のようなペナルティを与えています。

  • 勧告のタイミングで固定資産税の優遇措置解除で最大6倍に
  • 行政命令に背いた場合、最大50万円の過料
  • 最終的には空き家を強制撤去する代執行に

2023年6月には、改正空き家法が可決。これにより、固定資産税の優遇措置が解除される可能性のある空き家が「管理不全空き家」にまで拡充します。管理不全空き家とは、放置していれば特定空き家になる恐れのある空き家を指します。特定空き家は約2万戸ですが、管理不全空き家は全国に20万戸以上存在しています。

3)空き家の活用が適切な管理と第2収入源の創出に

空き家の管理が疎かになってしまう理由は、誰も住んでおらず、活用もしていないからに他なりません。空き家の有効活用は、第2の収入源を創出できるだけでなく、空き家の適正管理にもつながるのです。

2.不動産投資で空き家を活用する10つの事例

空き家の放置は、ご紹介したような問題点の発生リスクを抱えることになりますので、不動産投資で有効活用することをおすすめします。

1)修繕して賃貸物件として貸し出す

空き家の一般的な活用方法として、修繕して賃貸物件として貸し出すことが、1番最初にあげられるのではないでしょうか。修繕が不要であれば、クリーニングするだけで貸し出すことも可能です。

メリット デメリット
継続的に賃料収入が得られる 修繕費用・クリーニング費用がかかる

成功事例

(出典:岐阜県

岐阜県群上市の市街地では、人口減少や建物の老朽化で空き家が増加しているといいます。上記の写真は、一般財団法人による空き家改修事例。

同法人は、空き家所有者から空き家を10年契約で借り受け、公社が改修した空き家の利活用により得た利益から空き家所有者へ家賃を支払い、残りの収益については基金へ繰り入れ、次の空き家改修の費用及び維持管理費とする事業に取り組んでます。改修だけでなく、入居者とのマッチングも請け負っているのだといいます。

自ら改修や賃貸事業をするのも良いですが、こういった取り組みを行なっている法人に相談してみるのも選択肢の1つです。

2)DIY可能な賃貸物件として貸し出す

中古物件で一軒家の場合は、入居者が自由にDIYで修繕ができる賃貸物件として貸し出すのも良いアイデアです。

オーナーからすれば、修繕の手間と費用がかからないのがメリットだといえます。

メリット デメリット
継続的に賃料収入が得られる

修繕費用・クリーニング費用が不要

退去時に価値が上がっている可能性がある

改修内容の細かな取り決めが必要

 

3)民泊として活用する

アフターコロナを見据えたインバウンドや国内旅行者の増加を見据え、空き家を民泊や民宿として活用するという人も増えています。

需要の高さから、リフォームを専門に扱う業者もあります。

民泊を開始する際は、旅館業の許可もしくは特区民泊に関する条例を制定している民泊特区の自治体であれば、その自治体から認定を取得する必要があります。

メリット デメリット
宿泊費が得られる

昨今では旅行だけでなくワーケーション需要にも期待できる

 

修繕費用・クリーニング費用がかかる

家具・家電・設備を用意しなければならない

オフシーズンは需要が下がる

成功事例

(出典:国土交通省

古民家を改修し、会員制の農家民宿とした上記写真の空き家は、多くのリピーターを創出しているといいます。

会員制とすることで、利用者の特定や周辺住民の理解も得られやすかったのだとか。来訪者が将来、定住してくれることも見込めるため、地方創生にも役立っています。

4)カフェとして活用する

地方の空き家で多いのが「カフェや飲食店として活用する」という方法です。

自分好みの飲食店を開きたいという人へ、リフォーム費用も含めて貸し出すというスタイルが多く、空き家のオーナーと活用したい人をつなぐサービスを展開している業者も存在します。

なお飲食店を開業する際には、食品衛生管理士の資格を必ず取得する必要があります。資格取得後、飲食店の場合「飲食店営業許可申請」「菓子製造業許可申請(菓子のテイクアウトや卸業を中心として開業する場合は必須)」を保健所へ提出することで開業することができます。

開業する飲食店やカフェの規模によっては、防火管理者の資格取得も必要となります。

メリット デメリット
賃料あるいは利益が得られる

 

場所や規模を選ぶ

自らオーナーになる場合は必要になる資格が複数ある

成功事例

(出典:国土交通省

上記は、使用されなくなった空き家を当時に近い形に改修し、カフェレストランとして活用している事例です。飲食店だけでなく、地域住人の交流の拠点や地元物産販売の場としても利用されているそうです。

5)シェアハウスとして活用する

シェアハウスは、広いリビングを居住者たちで共有しつつ個室も所有できたり、ペット可の物件が多かったりと、借主側にとっても多くのメリットがある活用法です。

メリット デメリット
継続的に賃料収入が得られる

空室リスクが低い

修繕費用・クリーニング費用がかかる

入居者同士でトラブルが発生する可能性がある

6)別荘として活用する

特定のシーズンは空き家を自分の別荘として使い、その他のシーズンは別荘として貸し出すという方法もあります。

建物は使っていないとどんどん傷んでいくものですので、常に使用することで劣化を少しでも遅らせることができるというメリットにつながります。

メリット デメリット
賃料収入が得られる

自ら使用することも可能

劣化を遅らせることができる

昨今では旅行だけでなくワーケーション需要にも期待できる

オフシーズンは需要が下がる

7)サテライトオフィスとして貸し出す

都市部に本社のある企業などが、賃貸料のより安い地方にある空き家をサテライトオフィスとして利用する事例が増えつつあります。

サテライト

本拠地から少し離れた場所のこと

オーナーとしても家賃収入を確保でき、借主となる企業にとっても都市部よりも安く借りることができるという、双方にメリットがある方法です。

メリット デメリット
賃料収入が得られる

住まいやオフィスの移住促進が追い風になる

場所を選ぶ

成功事例

(出典:岩手県

上記は、土産物店からシェアハウスに改修した事例です。

リノベーションにかかった期間は、約10ヶ月。地域の方にも歓迎してもらっているのだとか。

改修後は、仕事の場としての利用だけでなく、イベントスペースとしても利用できるように貸し出しているといいます。

8)福祉施設にする

部屋数が多い空き家を児童福祉施設や老人福祉施設として活用するという手もあります。

この活用法は、用地変更手続きや耐火基準といった法的緩和などが進み、国によっても後押しされています。

福祉施設の運営団体とオーナーの間でサブリース契約を結ぶことで、オーナーが自ら管理経営するという負担も大きく減ります。

サブリース契約

不動産会社が転貸(又貸し)することを前提とした賃貸借契約形態の一つ

メリット デメリット
賃料収入が得られる

市街化調整区域でも可能

高齢化に伴い需要が上がっている

場所を選ぶ

活用後の転用・売却が難しい可能性も

成功事例

(出典:日野市

上記写真は、既存住宅を高齢者デイサービスセンターに改修した事例です。NPO法人が借り上げて活用しているといいます。

工事にかかった費用は、約2,000万円。うち、NPO法人が500万円を用意したのだとか。建物価格は、利用料金の8%。オーナーにとっても、一定の収入につながっているものと考えられます。

9)コインランドリー経営

コインランドリーは、共働き世帯の増加に伴い、近年、需要が上がっている施設です。街中で目にする機会も増えたのではないでしょうか?コインランドリー経営は、賃貸経営と比較して利回りが高いことがメリットの1つ。場所を選び、設備の導入費用はかかるものの、住宅地では有効な選択肢になってくるはずです。

メリット デメリット
利用料が得られる

利回りが高い傾向にある

場所を選ぶ

設備の導入費用がかかる

10)空き家を解体して土地活用する

空き家を解体し、更地にしたうえで土地活用するのも選択肢の1つです。土地活用には、次のようなものがあります。

駐車場

トランクルーム

太陽光発電

借地

空き家を残したままだと活用方法の選択肢が限られますが、解体すれば、立地や広さ、形状にあった活用がしやすくなります。

メリット デメリット
賃料収入や利益が得られる

市街化調整区域でも可能

土地にあった活用方法を選びやすい

解体費用がかかる

 

3.空き家を活用する場合、補助金が出る可能性も

空き家の活用は日本の経済発展を促進につながるという考えから、空き家を活用すると政府や地方自治体よりさまざまな補助金が支給されます

1)家賃低廉化補助

家賃低廉化補助とは、生活困窮者の家賃を補助する目的で、賃貸物件のオーナーに対して補助金を交付する制度です。補助限度額は総額240万円/戸と、非常に手厚い制度だといえます。

ただし、補助を受ける賃貸住宅は、住宅確保要配慮者の入居を拒まないセーフティネット登録住宅に限られます。

2)改修助成

セーフティネット登録住宅は、家賃補助のみならず、改修費に対する助成もしてもらえます。対象となる工事は、次のとおりです。

  • シェアハウス化
  • バリアフリー化
  • 子育て世帯対応
  • 耐震化
  • 省エネ改修
  • 交流スペース設置 など

補助上限は、50万円/戸。専用住宅としての管理期間が10年以上であることが条件となっています。

3)空き家の解体助成

自治体によっては、一定の要件を満たす家屋の除去に際して、解体費の助成を受けられます。たとえば、品川区では 耐火・準耐火建築物以外の木造建築物の除去に対し、1,550万円を限度に助成されます。

空き家の建つ地域によっては、解体費の他にも、空き家の管理や活用に使える助成制度を用意していることがあります。空き家の活用を検討している方は一度、調べてみることをおすすめします。

4.まとめ

空き家は放置しておくと多くのリスクが発生します。

売却するという方法だけでなく、さまざまな方法で有効活用し、不動産投資をおこなうことも可能です。空き家がどのようなエリアにあるのか、現在どのような状態なのかにもよりますので、まずは所有している空き家の状況を整理し、専門家(弁護士、不動産会社、空き家に関するNPO法人等)に早めに相談することが重要です。

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