【保存版】不動産投資物件は分散投資せよ!不動産投資の想定リスク8選とその対策とは
投資は「成功」よりも「損しない」考えこそ大切です。
そのためにはリスクを想定して備える必要があります。
分散投資は、まさに「損しない」ための立派な戦略と言えるでしょう。
今回は、初心者こそ知っておきたい不動産投資の分散投資について解説します。
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1.不動産投資8つのリスクを知っていますか?
なぜ分散投資した方が良いかを知るには、まず不動産投資を行う上で想定されるリスクについて知る必要があります。
想定されるリスク8選
- 空室リスク
- 家賃滞納
- 家賃下落
- 賃貸管理会社の管理の怠慢
- 金利の変動
- 災害
- 流動性の低さ
- 室内設備の故障
それぞれのリスクと対応について見ていきましょう
1)不動産投資の空室リスク
不動産投資で最も代表的なリスクが空室です。
入居者がつかずローンの支払いに追われて赤字が続く、なんてことも珍しくありません。
空室リスクをゼロにすることは難しいですが、購入時には次のことに注意すると良いでしょう。
購入時に注意すべきこと
・東京都23区など人口が多いエリア
・最寄り駅から徒歩10分圏内
・家賃が周囲とかけ離れていない
・建物の雰囲気が明るい
・建物の内観に清潔感がある
・建物の周囲に暴力団事務所など心理的瑕疵となるものがない
特に立地と価格(家賃)は重要です。
下図は「2020年 住み替えを検討・実施した際の重視点」をまとめたものです。
図からも分かるように、最寄り駅からの近さや賃料にこだわる人が多い傾向にあります。
2)入居者による家賃滞納
せっかく空室が埋まっても家賃が振り込まなければ意味がありません。
「家賃は振り込まれて当たり前だ」と思うかもしれませんが、そうとも言い切れないのです。
例えばコロナの影響で職を失うなど入居者の生活の変化も想定されます。
家賃滞納のリスクを防ぐには2つの方法が考えられます。
①家賃債務保証会社を利用する
家賃債務保証会社とは
入居者が家賃を滞納した場合、入居者の代わりに家賃を支払ってくれる会社のこと。
身近な例えだと、クレジットカード会社と同じ仕組みです。
ショッピングセンター(オーナー)で買い物した人(入居者)が、クレジットカードを利用したが支払えなかったとします。
その場合クレジットカード会社(家賃債務保証会社)は、買い物客の代わりに立て替えて後から催促します。
同じように家賃債務保証会社は、家賃を支払えなかった賃借人に催促をします。
家賃債務保証会社を利用する事で、もしも家賃の滞納があった場合でも口座に家賃が振り込まれます。
なるべく家賃債務保証会社を利用するようにしましょう。
②サブリース業者(管理会社)を利用する
サブリースとは
管理会社(サブリース業者)が不動産オーナーの物件を一括で借り上げる方式のことを言います。
サブリース業者は不動産オーナーに代わって、入居者の客付けや物件の管理も代行するケースが一般的です。
サブリース業者を利用するメリットとしては、
・入居者がいなくてもサブリース業者から家賃が入る
・自分の代わりに入居者を探してくれる
・修繕や退去手続きなど物件の管理を行ってくれる
などが挙げられます。
ただしデメリットもあるので、下記の記事で確認すると良いでしょう。
>>もっと詳しく知るサブリースの規制内容
3)家賃下落の恐れがある
不動産も食材と同じように劣化していきます。
新築よりも築10年の物件、築10年よりも築30年の物件の方が一般的に価値は低いです。
価値が下がると、家賃も下がります。
例えばあなたは30年のローンを組んで区分マンションを購入したとします。
「30年間、毎月8万円の家賃が入ってくると仮定してローン返済計画を練ればいいんだ」
このような考えは非常に危険です。
繰り返しになりますが、年数を重ねるごとに家賃は下落します。
つまり5年後、10年後も家賃8万円である確率は低いです。
逆に5年後は7万8000円、10年後は7万5000円と家賃は下落するものだと想定して、ローン返済計画を立てる必要があります。
なお、家賃はその時の経済状況に大きく影響します。
近隣の同種物件と比較して家賃設定することをお勧めします。
4)賃貸管理会社の怠慢によるリスク
まずは賃貸管理の仕事内容について見てみましょう。
賃貸管理業務
・入居者募集
・入居後の入居者対応
・入金管理
・家賃滞納時の対応
・退去手続き
・原状回復工事(クリーニング)の手配
・設備交換
・リフォームの手配など
これらの業務を一言で賃貸管理と言いますが、その方法には以下の3つが挙げられます。
賃貸管理3つの方法
物件の管理方法
①自主管理
②管理会社にすべて委託
③管理会社に一部の業務のみ委託
①自主管理は、管理会社に委託せず自分で管理する方法です。
専業大家なら100戸ほどは自主管理が可能と言われています。
しかし本業のあるサラリーマン大家だと難しいかもしれません。
そんなサラリーマン大家にお勧めなのが、②と③の賃貸管理会社への管理委託です。
管理業務のすべてを委託する方法と一部を委託する方法があります。
管理を委託することで自分の手間は省けますが、管理会社が業務を怠り空室が続くなどのリスクも考えられます。
管理会社が業務を怠らないためにすべきことは、
・こまめに担当者に連絡を取り、状況確認する
・担当者やその上司を接待する
・管理会社に定期的に足を運ぶ
など空いた時間を使った営業活動です。
「営業活動なんて嫌だよ」
と思うかもしれません。
しかし管理会社の担当者は、あなただけの物件を管理しているわけではありません。
「自分に懇意にしてくれるオーナーに尽くしたい」と思うのが、人情というものです。
こうした細かい気配りができる人はそう多くありません。
実際、成功しているオーナーほどこういった地道な努力を徹底しています。
管理会社の担当者と信頼関係を築き、足場を固めるようにしましょう。
5)金利の変動
3つの金利タイプ
- 変動金利
- 全期間固定金利型
- 固定金利期間選択型
不動産投資ローンの金利は、変動金利がメインとなっています。
変動金利とは、返済期間中に金利が変動するタイプのローンで次のような特徴があります。
・金利は半年に一度見直しがある
・返済額の変更は5年に1度というルールがある
次に変動金利のメリットとデメリットを確認してみましょう。
変動金利のメリット
・ローンの中では最も低金利
・金利が下がれば、返済額も減る
変動金利のデメリット
・金利が上昇するリスクがある(返済額が増える)
・金利が変動するため返済計画が立てづらい
・家賃収入より返済額が上回る恐れがある
ローンの中では最も低金利な場合が多いですが、返済計画が立てづらいのが難点です。
金利が上昇すれば返済額も増え、家賃収入よりも返済額の方が多くなるリスクが考えられます。
短期間でローンを返済して売却を狙う人にはオススメです。
しかし長期間の保有を考えているのであれば、次の固定金利が得策です。
固定金利のメリット
・返済計画が立てやすい
・収支管理がしやすい
固定金利のデメリット
・借入時の金利が比較的高い
・市場で低金利が継続している場合は変動金利よりも損する
・繰り上げ返済すると違約金が発生する
返済計画が立てやすいので、長期的に物件を保有したい人には向いています。
資金に余裕ができて繰り上げ返済を考える人がいますが、その場合違約金が発生する可能性があるので注意が必要です。
変動金利と固定金利の要点まとめ
変動金利
金利上昇リスクがあって返済計画が立てにくい。
しかし固定金利よりも短期間で返済しやすいので、売却目的の人には向いている。
固定金利
金利が固定されているので返済計画が立てやすい。
長期保有を考えている人に向いている。
金利の選択は、自身の投資戦略をベースに決めるのが良いでしょう。
6)災害
想定される災害は3つあります。
①地震
②水害
③台風
地震によって建物が倒壊したり、火災の恐れがあります。
津波の影響もあるので、購入時には自然災害の被害を予測して地図化されたハザードマップで安全な地域かを確認するのが良いでしょう。
7)流動性が低い
株式や債券と違って、不動産は流動性が低い投資商品です。
流動性が低い=現金化しづらい
といった意味になります。
株式などの売買行為は即座に現金化が可能ですが、不動産は時間をかけて複雑な工程を踏む必要があります。
「すぐに資金が必要」といった場面では、不動産は最適とは言えないです。
一方で「流動性が低い=相場の変動が低い」とも言えます。
株やFXなどの相場は短期で変動しやすいですが、不動産は長期に安定しています。
そのため本業が別にあるサラリーマンほど、不動産投資は向いていると言えるでしょう。
8)室内設備の故障
建物や室内設備には経過年数といった考え方があります。
設備の価値は、年数が経過するごとに減少していくという考えです。
例えばトイレの給排水設備だと15年、エアコンは6年、流し台は5年などです。
これらの経過年数を目安に設備交換を検討するのが一般的です。
しかし経過年数が到来する前に、設備が故障するなどのトラブルも想定されます。
設備故障に備えて、管理費をしっかりと貯蓄するようにしましょう。
2.不動産投資は分散投資でリスク軽減せよ!
災害や家賃の下落など、自分自身の努力では防ぎきれないリスクもあります。
これらは分散投資することでリスクヘッジが可能です。
不動産投資における分散投資には、次の3つが挙げられます。
1)投資エリアを分散
災害リスクを避けるために、投資エリアを分散する考えがあります。
例えば東京都と地方、東京都23区内でも世田谷区と足立区などです。
エリアごとに災害リスクも異なるためです。
水害リスクに弱いところもあれば、地盤沈下しやすいエリアもあります。
地震大国の日本では、災害リスクを考慮してエリアの分散投資を検討するのもひとつのリスクヘッジです。
2)物件タイプの分散
物件タイプの分散もリスクヘッジになります。
不動産投資は、自分が良く知るエリアを投資先として選択することも大切な考えです。
ともすれば、なかなかエリア分散が難しくなるのも分かります。
そんな時は、例えば同じエリアだったとしても物件タイプを分散させると良いでしょう。
1戸目は単身者向けのワンルームに、2戸目はファミリー向けの2DKや1LDKに投資するといった具合です。
こうすることで、将来的にそのエリアの人口が変化しても、空室リスクを避けることができる可能性が高くなります。
3)投資時期(築年数時期)を分散
以下の理由から不動産の購入時期(築年数時期)を分散することも重要です。
築年数が近い物件を同時期に購入すると、リフォームや設備交換のタイミングが被る恐れがあります。
収支計画通りにいけばうまくさばけるかもしれませんが、想定通りにいかないのが現実。
先ほど挙げたような室内設備の故障など想定外のアクシデントもあります。
それが重なると一度に大きな出費が出るので、なるべく購入時期(築年数時期)はずらすと良いでしょう。
まとめ
不動産投資における8個のリスクを踏まえた上で、次の3つを意識して分散投資をしましょう。
3つの視点で分散投資しよう
1.災害リスクを考慮して投資エリアを分散
2.物件タイプ別に分散投資して空室リスクを回避
3.投資時期(築年数時期)をずらして想定外の出費を抑制
地震など大きなリスクが押し寄せたとしても、分散投資をしていれば心にも余裕がうまれてきます。
老後資金の不安を取り除くために不動産投資を検討する人も多いかと思います。
まずは運営時の不安をつくらない努力から始めてみましょう。