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不動産投資コラム

収益物件とは?種類別の特徴と購入時のチェックポイント

執筆者:棚田 健大郎 棚田 健大郎

不動産投資をしたいと考え始めて情報収集している際、「収益物件」という言葉を耳にする機会も多いでしょう。

しかし、収益物件とは何なのかを理解していないまま、マンションなどに絞って物件を探し始めてしまう方も少なくありません。

そこで今回は、不動産投資を始めるうえで是非知っておいて欲しい収益物件について詳しく解説していきたいと思います。

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1.収益物件とは?

収益物件とは、家賃収入を得る目的で購入する不動産のことです。

自己の住居用として購入するマイホームとは区別されます。

2.収益物件の種類別の特徴と利回り

収益物件には、主に3種類あります。

それぞれの特徴や利回りなどを解説していきます。

1)住居系物件

住居系物件は、住むことを目的とした物件のことです。

代表的なものとして、アパート、マンション戸建て、シェアハウスなどの物件が挙げられるでしょう。

オフィスやテナントと比べて、家賃収入は低いです。

投資不動産の中では最も市場に多く出回っています。

初心者にも手が届く価格の物件もあるため、住居系は一般的な収益物件として需要や人気が高いのが特徴です。

一般財団法人日本不動産研究所の第45回不動産投資家調査(2021年10月現在)によると、ワンルームタイプ一棟の期待利回りは4.0〜5.5%程度、ファミリータイプ一棟の期待利回りは4.2%〜5.6%程度となっています。

2)オフィス系物件

オフィス系物件(ビル)は、法人向けの企業の事務所が入る不動産のことです。

ある程度の広さやアクセスの良さなどが求められるので、住居系物件よりも高額である場合が多いですが、入居が決まった場合、長期に渡る契約が期待出来るのが特徴です。

しかし、昨今のコロナ禍においては、リモートワークを導入する企業も増え、オフィスを縮小するケースも多く、景気の悪化や非常事態の際に影響を受けやすい物件と言えるでしょう。

一般財団法人日本不動産研究所の第45回不動産投資家調査(2021年10月現在)によると、オフィスビルの期待利回りは、 東京都で3.6〜4.2%程度、主な政令指定都市で4.4〜5.5%程度となっています。

【参考】

一般財団法人日本不動産研究所の第45回不動産投資家調査(2021年10月現在)

3)テナント系物件

テナント系物件は、コンビニエンスストアや飲食店、アパレルなどの店舗や倉庫、駐車場など商業施設に利用される不動産のことです。

オフィス系物件と同様に、 一度入居が決まれば、長期的な契約が期待でき、安定した収益が見込めるでしょう。

ただ、どのようなお店を経営するかによって、求められる物件の立地や構造が全く違ってくるので、借主がなかなか見つからない可能性があります。

また、入るお店の経営状態によっては早急に撤退するかもしれないリスクもあるでしょう。

実際、コロナ禍では、撤退する店舗も多く出てしまいました。

一般財団法人日本不動産研究所の第45回不動産投資家調査(2021年10月現在)によると、商業店舗の期待利回りは、都市型高級専門店で3.5%程度、 郊外型ショッピングセンターで5.4〜6.5%となっています。

3.収益物件を購入するメリット

収益物件の購入にはどのようなメリットがあるが見ていきたいと思います。

1)レバレッジ効果がある

レバレッジとは「てこの原理」のことで、小さな力で重い物を動かすことです。

不動産投資においては、少ない自己資金でも、ローンを組むことによって大きな資金を得て、自己資金を上回る高額な物件を購入し、多額の利益を得られることを意味します。

株式やFXなどの投資だと自己資金以上の取引は出来ませんが、少ない投資額で大きな資産を手に入れられるのは、不動産投資ならではの魅力と言えます。

2)毎月安定した収入を得られる

収益物件を購入した場合、入居者がいれば毎月家賃収入が入ってくることになります。

家賃相場は大きく上がったり下がったりすることはないので、安定した収入が継続的にあると言えるでしょう。

3)生命保険・私的年金代わりになる

ローンの支払いを終えてしまえば、収益物件は自分のものになります。

そうなれば、ローンの支出がない状態で毎月家賃収入を得ることが出来るため、老後には家賃収入が年金の代わりとして役立つでしょう。

 

不動産投資は生命保険の代わりにもなります。

不動産をローンで購入する際は、大抵の場合、団体信用生命保険に加入することになります。

団体信用生命保険に加入すると、購入者が万一死亡するなどしてローンを支払えなくなった時に、残債を代わりに返済してくれます。

残された遺族に、収益物件のローンが無い状態で残すことも出来るのです。

このように収益物件は生命保険としての役割も果たします。

4)相続税対策になる

相続税は財産そのものの評価額によって決まります。

現金で相続すれば、その金額に対して100%相続税が課税されます。

相続税を節税するならば、その現金で不動産を購入し、収益物件を建てることで相続税を圧縮できます。

同様に、土地を引き継ぎ、その上に建物を建てることも節税効果があります。

収益不動産を建てることで、評価額が半分になることも。相続税の節税効果はかなり高いと言えるでしょう。

>>合わせて読みたい「中古ワンルームマンションの購入が相続対策になるのはなぜか?

4.収益物件を購入するデメリット

収益物件の購入には、メリットだけでなく当然デメリットも伴います。

ここからは、収益物件を購入するデメリットについて具体的に見ていきたいと思います。

1)空室や家賃滞納のリスクがある

入居者が見つからない間は、当然ですが家賃収入はありません。

家賃収入がない状態でも月々のローンは支払っていかなければならないので、空室が長く続くと、ローンの支払いが出来ない状態に陥ってしまう可能性があるでしょう。

また、入居者がいても、賃料の支払いをしてくれないケースがあります。

家賃滞納のリスクは、家賃保証会社の利用を必須にすることである程度回避できますが、入居の際の審査は念入りに行うようにしましょう。

>>さらに詳しく学ぶ「家賃債務保証会社とは?登録制度や仕組みについて解説

2)売却したい時にすぐに売れない

不動産は、株式などとは異なり、売却したいと思っても簡単には売却できないという特徴があります(流動性が低い、とも言われます)。

売却したいと思ったら、まずは価格を決め、買い手を探して交渉することになりますが、非常に時間がかかりますし、自分の希望する価格で買取してもらえるとは限りません。

場合によっては値下げしないと売却できないことも。

自分の売却したい価格とタイミングで換金するのは非常に困難と言えるでしょう。

最悪の場合、長期にわたって買い手が見つからないケースもあります。

3)不動産価格が下落する可能性がある

収益物件は、経年劣化によりどうしても資産価値が落ち、売却価格は下がってしまうものです。

また、地価が下落してしまった際は、不動産価格も大幅に下がってしまうこともありえるでしょう。

 

価格変動リスクを抑えるには、投資エリアの選定がカギになってきます。

人気エリアや、今後開発予定のあるエリアの収益物件を選べば、不動産価格が下落するリスクを回避出来る確率が高くなりますし、運が良ければ売却時の価格を上回る可能性もあります。

5.収益物件選びでチェックすべきポイント

不動産投資は、物件選びに全てかかっていると言っても過言ではありません。

そこで収益物件を選ぶ際のチェックすべき重要なポイントについて解説していきます。

1)エリア

都心の収益物件は、購入価格が高額であり、地方都市に比べると利回りが低い傾向にあります。

利回りが低い理由は、地方よりも地価が高いからです。

それゆえに、都心には人が集まり、需要も安定しています。

地方よりも空室リスクは低いため、不動産投資初心者にはお勧めのエリアだと言えるでしょう。

 

一方、地方都市の収益物件は、都心に比べて購入価格が安価であり、利回りが高めであるのがメリットです。

しかし、都心と比べると人口が少なく、空室率が高くなってしまう可能性があり、入居者を探すのに苦労を伴うかもしれません。

 

また、これは都心、地方都市に限らず言えることですが、駅から近い物件は需要が高く、不動産価格が下落しにくいですし、近隣にスーパーやコンビニエンスストアなど買い物する場所があるのかも重要です。

エリアを選定する際は、実際に現地に赴き、地図だけでは読み取ることの出来ない周辺の情報を自分の目と足で確かめることをお勧めします。

>>合わせて読む「【永久保存版】不動産投資を成功に導く!「良い物件」7つの条件とは

2)建物の構造

建物の構造によっても、それぞれにメリット・デメリットがあります。

RC造(鉄筋コンクリート造)は、耐震性、耐久性、共に強く、耐用年数が長いという特徴があります。

また、防音性や気密性、耐火性にも優れており、人気が高く、入居者も見つかりやすいでしょう。

木造の建物は、特に耐火性はRC造に比べて大きく劣りますし、耐震性にも優れているとは言えません。

しかし、RC造よりも建築費が少なくてすむため利回りがよいというメリットがあります。

また、減価償却が早いため、短期間で減価償却費を経費として計上することが出来ますし、固定資産税が安いというのも大きなメリットでしょう。

>>合わせて読む「マンション・アパートの耐用年数について(RC・SRC造など)

3)築年数

築年数が浅い物件は、購入時の価格は高いですが、新しくて綺麗な収益物件は人気が高いので、家賃を高めに設定しても入居者は見つかりやすいでしょう。

一方、築年数の古い物件は、築浅物件に比べて価格は安く、利回りも高いことが多いですが、修繕費用やリフォーム費用が高額になってしまう傾向があります。

そのため、物件を購入した後、実際に利回り計算をしてみたら、想定した利回りよりも低くなってしまったというケースも多いです。

しかし、築古物件といってもリフォームやリノベーション済みの物件もありますし、設備投資を惜しまず資産価値を高く保っている物件もあるので、築年数だけではなく、その他の要素も見て総合的に判断するのがよいでしょう。

>>合わせて読む「中古マンション投資は築何年くらいの物件がいい?

6.不動産投資初心者は中古収益物件がおすすめ?

これから不動産投資を始めようと思っている方には、中古物件がお勧めです。

なぜなら、中古物件であれば、資産価値と物件価格との間の開きが小さくなった状態で物件を購入出来るからです。

新築物件は、購入価格が高いうえに、「新築」の価値は長くは続きません。

入居者が入った時点で新築ではなくなり、築20年の間に一気に資産価値が下がっていく傾向にあります。

その結果、購入価格と購入後の資産価値に大きく開きが生まれてしまい、損失が出てしまうことも少なくありません。

その点、中古物件、中でも築20年以上の築古がお勧めです。

資産価値の減少が緩やかなので、実際の物件の現状に見合った金額で購入出来るため、不動産投資初心者の方でも、大きな損失を出すリスクを減らすことが可能でしょう。

まとめ

家賃収入を得るための不動産である収益物件には、住居系物件、オフィス系物件、テナント系物件と主に3種類ありますが、それぞれ利回りや使用目的が異なるため、自分がどのような不動産投資をしたいのかを明確にして物件探しをする必要があるでしょう。

不動産投資にはメリットもデメリットもあるので、失敗のリスクを下げるためには慎重な物件選びが不可欠です。

良い物件を探すには、他人任せにするのではなく、自分で情報収集し、気になる物件には実際に足を運んでみることをお勧めします。

 

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