管理業務主任者は不動産投資に役立つ?宅建との違いも
不労所得を得る手段として未だに根強い人気がある不動産投資。
金銭的にも失敗が出来ない投資のため、始めるにあたって不動産関係の資格を取ろうか悩んでいる方も多いと思います。
不動産投資をするのに特に資格は必要ありませんが、あると役に立つのは事実です。
では、近年注目されている「管理業務主任者」という資格は持っているとどのように役立つのでしょうか?
資格の内容や、宅地建物取引士との違いも一緒に見ていきたいと思います。
1.管理業務主任者とは
分譲マンションは、区分所有法により「マンション管理組合」の設置が義務付けられていますが、管理組合に委託され、マンションの管理業務を行うのが共用部のマンション管理会社です。
マンション管理会社を営む際、30管理組合につき1人以上の割合で設置しなければならないと定められているのが「管理業務主任者」なのです。
管理業務主任者の主な業務は、
・マンション管理業者が管理組合などに対して管理委託契約に関する重要事項の説明をすること
・重要事項説明書に記名押印すること
・管理事務の報告を行うこと
などで、管理業務主任者は国家資格となっています。
マンション管理士とセットにされがちな資格ですが、管理会社側の立場であるのが管理業務主任者。
管理組合側の立場であるのがマンション管理士、とイメージしてもらうといいかもしれません。
なお、この2つの資格は、試験内容で重複する部分があるため、ダブル受験を狙う方も多いです。
1)管理業務主任者になるには
管理業務主任者になるには、管理業務主任者試験に合格する必要があります。
試験日は通常、12月の第一日曜日で(年1回)、 合格発表は、例年1月中旬頃となっています。
ここ数年の管理業務主任者の合格率は約20%~25%、勉強時間はおよそ300~400時間程度必要と言われています。
管理業務主任者よりもやや難易度の高い宅建士が独学で合格可能なので、管理業務主任者も十分独学で合格出来るでしょう。
問題数は50問で、33点~39点取れば合格点です。
マンション管理業協会がサイトで公開している試験内容は、
①管理事務の委託契約に関すること
②管理組合の会計の収入及び支出の調定並びに出納に関すること
③建物及び附属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関すること
④マンションの管理の適正化の推進に関する法律に関すること
⑤1から4に掲げるもののほか、管理事務の実施に関すること
上記の5項目です。
合格出来る程度の実力がついたかどうかを確かめるには、過去問を解いてみるのが良いでしょう。
その際、なぜ間違ったのか、どこを間違ったのか、また、正解しても正解した理由までを確認することが重要です。
試験に合格したら、管理業務主任者として登録し、管理業務主任者証の交付を受けます。
登録するには、2年以上管理業務の実務経験を積むか、国土交通大臣指定の機関が行っている実務講習を修了する必要があります。
管理業務主任者の年収は、平均すると300万円~500万円くらいです。
2.宅地建物取引士(宅建士)との違い
宅地建物取引士(宅建士)は、建物だけでなく、土地に関する知識にも精通している、不動産全体のエキスパートです。
一方、管理業務主任者は、管理組合から委託され、マンションを管理していく、マンションとその管理業に特化した資格です。
また、宅建士は、不動産契約をしようとしている方が安全な取引を出来るようにする、つまり購入前や購入の際に消費者を守るのが主な役割ですが、管理業務主任者は、既にマンションの契約をした方を対象とした業務となり、購入後のサポートが中心と言えるので、その点でも違いがあるでしょう。
3.管理業務主任者の資格は不動産投資にどのように役立つか
不動産投資を始める際、一軒家やアパート一棟を購入して始める方よりは、まずはマンションの一室を購入し、家賃収入を得ようとする方が圧倒的に多いと思います。
管理業務主任者は、マンションを管理していくための資格なので、その知識はマンションを購入する際に大きなアドバンテージとなるでしょう。
また、投資用のマンションで重要なことは、物件選びも勿論ですが、その後どのように管理し、入居者を維持していくかなのです。
管理が行き届いた住みよいマンションであれば、入居者はずっと住み続けたいと思うでしょうし、やむを得ない事情で退去することになっても、次の入居者はすぐに見つかる可能性が高く、空室リスクを低くすることが出来ます。
マンションの管理に関する知識があるというのは、不動産投資において大きな意味があるでしょう。
まとめ
不動産投資を始めるのに資格はいりませんが、管理業務主任者の資格を持っていると、特にマンション投資において役に立ちます。
独学でも合格可能な資格なので、不動産投資で成功したい方は、取っておいて損はないでしょう。
また、立ち位置は違えども、同じくマンションに関する資格であるマンション管理士とのダブル受験も狙えますので、投資用マンションの購入を検討している方は、両方の資格を取っておくのも良いと思います。