不動産投資初心者が失敗しないために知っておくべき基礎知識
皆さんは「不動産投資に興味はあるけどよくわからない。」「難しそう。」なんて思ったことありませんか?
不動産投資についてインターネットで検索すると、難しい単語がたくさんでてきてよくわからないと思う方もいるのではないでしょうか。
初心者が一番最初にすべきことは「不動産投資の基礎を理解すること」です。いきなり応用事例を見たり物件の情報を見ても、全てを理解することは難しいです。
そこで、今回は「初心者が知っておくべき不動産投資の基礎」についてご説明いたします。
1.「不動産投資で収入を得る」とはどういうこと?
1)賃料収入(インカムゲイン)
不動産投資のスタンダードな収入方法です。
不動産を購入し、購入した不動産を借りて住む人(=入居者)を募集します。入居者から家賃をもらうことで収入を得ます。一度の収入は少ないかもしれませんが、長期的に安定した収入を得ることができ、かつ必要な知識が少ないため初心者向けです。
2)差額収入(キャピタルゲイン)
不動産を安い時に購入し、不動産価値が上がった時に売却することで差額(=売却額-購入額)の収入を得ます。
例えば、1,000万円で不動産を購入し、1,200万円で売却した場合、200万円の差額収入を得ることができます。(※仲介手数料等は計算に入れておりません。)
成功すれば一気に収入を得ることができますが、成功するためには景気変動等の多くの知識が必要であり、かつ運に左右される状況が多いので玄人向けです。
2.不動産投資をはじめる流れ
不動産投資で資産を運用していくためには、以下の5つのステップを踏む必要があります。
不動産投資をはじめる前に手順をしっかりと覚えておくことで、失敗のリスクを減らすことができます。
1)不動産投資に関する知識を深める
不動産投資において、知識を深めておくことはとても重要です。
不動産投資についての本、投資経験者のブログ・記事などを読むことはすぐにでもできる方法でしょう。
不動産投資会社が主催する初心者用の無料セミナーもあり、実際の経験談を聞けますのでおすすめです。
2)資金計画を立てる
不動産投資では、投資用物件の購入時に金融機関の融資を受けるのが一般的ですが、リスクに備えての自己資金ももちろん必要です。
自分の属性や給与所得により、「どのくらいの融資をどの金融機関から受けられるのか」「自己資金はいくら用意すべきなのか」を含め、短いスパンでの目標を立てることで、資金計画を立てていきます。
具体的なイメージがわかないという方は、不動産投資会社に相談し自身にあった資金計画を立てましょう。
3)物件を探す
初心者の場合、価格的にも手が届きやすく、運用するうえでも空室リスクの少ない区分マンションがオススメです。
都心の駅から徒歩10~15分圏内であれば、家賃収入の収益性が高く、売却する際にも売りやすい物件といえます。
4)物件を購入する
よい物件を見つけたら、融資が組める金融機関で不動産投資ローンを申し込み、審査を受けます。
審査に通ったら、いよいよ物件の購入です。お世話になる不動産投資会社の提携している金融機関から融資を受けられるケースも多いです。
5)物件を管理する
購入した物件を管理していく方法は主に2つあります。
- 不動産管理会社に委託する
- サブリース契約を結ぶ
不動産管理会社への委託とは、毎月の家賃収入から数パーセントを手数料として管理会社へ払うことで、入居者募集から家賃回収、退去手続きまで
やってもらうという管理方法です。
サブリース契約も不動産管理会社への委託と似た方法ではありますが、空室や家賃滞納が発生した際の家賃収入も保証してくれます。
その分、手数料は少し割高になりますが、空室リスクはなくなります。ただし、物件の経年劣化や利便性の変化により家賃額の改正がなされることも多いです。
3.不動産投資初心者が知っておくべき6つのリスク
1)災害リスク
「新耐震基準」のマンションを選ぶ
1981年6月1日に建築基準法が大幅な改正がなされ、建物の耐震性に関する基準が厳しくなりました。この1981年6月1日以降に建築確認を受けた建物を「新耐震基準」、それ以前に建築確認を受けた建物を「旧耐震基準」と区分けします。
「新耐震基準」では、以下の基準があります。
震度6強から7に達する大規模地震で倒壊・崩壊しないこと
震度5強程度の中規模地震で倒壊しないこと
実際、1995年に発生した阪神淡路大震災では、旧耐震基準の建物の倒壊、損傷による被害が集中していたことがわかります。
※出典:※出典:国土交通省 阪神・淡路大震災による建築物等に係る被害https://www.mlit.go.jp/common/000188716.pdf
購入を検討しているマンションが「新耐震基準」かどうかは、「建築確認済証」の交付日が1981年6月1日以降であることを確認しましょう。
2)ローン金利上昇のリスク
「固定金利」と「変動金利」
超低金利の時代と言われる今、ローンを活用することで投資用マンションがより購入しやすくなっています。返済期間が長期にわたる不動産購入ローンについては、今後のローン金利の上昇よるリスクは十分意識する必要があります。
- 固定金利
当初設定された金利が完済まで固定され、市中金利の動向の影響を受けません。そのため、金利上昇場面では、有利になります。
- 変動金利
半年に一度市中金利によって利息が見直され、返済額の元本と金利の割合が見直されます。借入当初の金利は低いが、金利上昇場面では、利息額が多くなるリスクがあります。
借入額、返済期間、月々の返済額を考慮し、資金計画にあったプランを選択するようにしましょう。
3)マンションの老朽化のリスク
たとえ、「新耐震」のマンションを購入したとしても、マンションの老朽化は、遅かれ早かれやってきます。見るからに老朽化し、廃墟と化し、空室が目立つマンションも存在します。
しかし一方で、同じ年数が経過したマンションでもメンテナンスがいきとどき、老朽化を感じさせないマンションも多数存在します。できればそのようなマンションを選びたいですよね。その目安の一つとして、「RC造り」「SRC造り」のマンションを選ぶようにしましょう。
RC造り・SRC造りのマンションを選ぶ
RC造り、SRC造りのどちらも、耐久性、耐火性、耐震性が高く、両者に極端な違いはありません。しっかり設計されていれば、一般的にマンションの寿命は50年と言われています。
近年、手抜き工事の問題等はありますが、信頼のおける大手ディベロッパーで建築されたマンションであれば、より安心できるのではないでしょうか。
メンテナンスが行われているマンション、修繕計画がきちんとなされているマンションを選ぶ
マンションは、一般的に、10年から15年毎に、大規模な修繕が必要となります。マンションを長期にわたって維持するために計画的に修繕がなされているマンションもあれば、修繕積立金を積み立てているだけで、何の対策も行われていないマンションもあります。
マンションの老朽化を抑え、長寿命化するには、計画的・定期的な大規模修繕が必要であり、そのための修繕計画、資金計画がきちんとなされ、修繕積立金がきちんと積み立てられていることが重要です。
管理費、修繕積立金が安いのは、コストメリットがあるかもしれませんが、マンションの維持管理、長寿命化のという面から見ると、あまりおすすめできません。大規模な修繕が定期的に行われているか、修繕計画が甘すぎないか、これらはきちんとチェックしましょう。
4)空室、滞納のリスク
マンション投資において、主な収益は賃料収入です。空室や滞納により、家賃が入ってこなければ、管理費等の経費だけは発生し、赤字になります。
家賃収入をローンの返済に充てている人にとっては、ダメージが大きく、その状態が長期にわたれば、マンション投資そのものが破綻してしまいます。
住む人が住みたい街、住みたい物件を選ぶ
現在の入居者がライフプランの変更などで、退去することは避けられません。しかし、すぐに新しい入居者が入居すれば、空室のリスクは軽減できます。
より多くの人が住みたいと思う街や、地域であれば、賃貸マンションを探している人も多く、マッチング率も高くなります。特に、近年は、都心への人口集中が顕著で、特に東京23区に人が集まってきています。
滞納家賃の督促業務をする管理会社の対応を確認
家賃の滞納が発生したら、早期の回収が必要です。この作業を怠ると、ずるずると滞納が続き、滞納額が膨大になり、入居者から回収が不能になるというリスクがあります。
滞納が発生したらスピーディーに督促業務、場合によっては退去の手続きを行い、適切な管理を行ってくれる、信頼のおける管理会社を選択することが重要です。
5)家賃下落のリスク
新築時の家賃はずっとは続きません。マンションの劣化とともに、家賃は下落するものと考えるべきです。家賃収入が収益源であるマンション投資を行う上では、家賃の下落は考慮しておく必要があります。
新築マンションの不動産投資では、家賃の下落率は十分に考慮して、採算が合うかどうか検討するべきでしょう。
中古のマンションでの不動産投資においても新築程ではありませんが、家賃の下落は考慮しておくべきでしょう。
6)不動産価格下落のリスク
マンションの価格は、経年、老朽化とともに下落していきます。
しかしマンションによっては、その下落幅が比較的小さいものもあります。できればそのようなマンションを選びたいものです。
立地が良い物件を選ぶ
マンション投資のリスクを考えるうえで、立地は外せない条件です。マンションの価格は、経年、老朽化とともに下落していきますが、投資用マンションにおいては、家賃収入による収益リターンという点が重要になってきます。
収益リターンが高い物件は、資産価値が高く、マンション価格が下落しにくい傾向があります。その点において、賃料が下落しにくい、住む人が住みたい街という視点でマンションを選ぶことが重要です。
「良い立地の例」
- 賃料があまり下落しない地域
- 駅近(徒歩10分以内)
- ターミナル駅までが近い
4.不動産投資初心者におすすめの勉強方法
1)ウェブサイト上の情報を活用する
インターネット上には、不動産投資に関するさまざまな情報が掲載されています。
不動産投資に関するウェブサイト上の情報を活用するメリットは、無料で気軽に利用できることです。
不動産会社や不動産投資会社が運営しているサイトやコラムなどを読むと、不動産投資の全体像を把握しやすくなります。
また、不動産投資を行っている人が個人で運営しているサイトやブログもあります。
実際に投資を行っている人の声は、非常に参考になる面もありますが、掲載されている記事の内容が100%正しい情報であるかどうかは保証できない面があります。
ウェブサイトの情報を利用して不動産投資の勉強をする際には、多くのサイトを読んで比較し、正しい情報と誤った情報とを判断できるくらいまでになる必要があります。
2)不動産投資に関する本を使って勉強する
今は、不動産投資に関する多くの書籍が発行されています。
本屋さんに行って実際に本を手に取り、自分が読みたい内容や読みやすい内容の本を選んでも良いでしょう。
書籍として出版されている本の多くは、不動産投資に関する情報や必要な知識が理解しやすいように工夫されて、理論的に説明されています。
難しい専門用語を使わずに書かれた初心者向けの本も出版されています。
3)セミナーに参加する
不動産投資の専門家などが講師となる不動産投資に関するセミナーも開催されています。
セミナーは、テーマを絞って開催されることが多く、関心の強い分野についてより深く知識を身に着け、理解することができます。
学生時代に教科書だけではわからなかったことも、先生の授業を受けて理解しやすくなった経験はありませんか?
同じように、ウェブサイトや本を読むだけでは理解しきれなかった事柄であっても、言葉で説明を聞くとわかりやすくなることがあります。
また、セミナーでは質問の時間が設けられることがほとんどです。
そのため、セミナー中に理解できなかったことや疑問に感じていたことなどを直接講師に質問することができます。
5.初心者におすすめの不動産
不動産購入については、「どのような不動産に投資すべきか」がとても重要です。
初心者にお勧めの不動産として下記の3つがあります。
1)商業系・住居系
商業系とは、店舗や事務所用の不動産を指します。メリットは利回りが高いこと、デメリットは空室リスクが高いことです。
一方、住居系とは居住用の不動産を指します。メリットは空室リスクが低いこと、デメリットは商業系と比べると利回りが低いことです。
初心者であれば、少ない予算で購入可能かつリスクの低い住居用をおすすめします。
2)新築・中古
新築のメリットは、適用できる税制度が多いことやローンを組みやすいことです。デメリットは、中古より価格が高いこと、新築購入時の価格からの値崩れが激しいことです。
中古のメリットは、新築より価格が安いこと、新築よりは価格が安定していることです。デメリットは、新築よりは適用できる税制度が少ないことやローンを組むことが難しいことです。
初心者であれば、新築と中古の間にあたる「中古の築浅」がおすすめです。築浅については下記にて説明いたします。
3)築浅・築古
中古不動産は築浅・築古にわけられます。
築浅とは、建物ができてからまだ日が浅いものです。
築古は、築浅の逆で古いものです。
築浅・築古の基準は諸説ありますが、中でも築浅をおすすめする理由は、新築ほど価格が高くなく、ローンを組めるものもあり、新築と中古のいいとこどりであるからです。
6.まとめ
不動産の価格や購入方法等、選択肢がたくさんあります。
大事なのは、不動産投資の基礎をしっかり押さえた上で「今の自分が選べる選択肢」と「自分がどうしたいのか」を考え、決定していくことです。ぜひ、ご自身に合った不動産投資を行い、豊かなライフプランを送ってください。