法人化を考える不動産投資家にお勧め!行政書士とは

弁護士や税理士はどのような仕事か知っていても、行政書士は、名前を聞いたことはあるけれど、何の業務に携わっているのかよくわからないという方も多いのではないでしょうか?
実は行政書士は、不動産投資家にとって非常に頼りになる存在なのです。
そこで今回は、行政書士の業務内容や、不動産投資家にとってどんな時に頼りになるかを見ていきたいと思います。
1.行政書士とは
行政書士の主な仕事は、官公署に提出する法的書類の作成や、許認可の申請、会社設立、相談業務などです。
それぞれについて、わかりやすく解説していきます。
1)書類の作成
建設業許可や帰化申請など、官公署に提出する書類のほか、内容証明郵便や遺言書の作成、遺産分割協議書の作成なども行います。
2)許認可の申請
事業を行うためには許認可の申請が必要ですが、行政書士が代理で行うことが出来ます。
自分で申請するよりも、専門家である行政書士に依頼した方が円滑に進みます。
3)会社設立
会社の規則を定めた「定款」を作成し、会社の設立手続きを行います。
ただし、法人登記は別途司法書士に依頼する必要があります。
4)相談業務
依頼された書類を作成する際、相談に応じ、アドバイスを行います。
例えば相続なら相続手続きについての相談、会社設立なら必要となる許認可についてのアドバイスなどです。
2.不動産投資家にとって行政書士が頼りになる理由とは?
1)家賃滞納問題のトラブルに対処
不動産投資家にとって、よくあるトラブルの一つが、所有している物件の家賃滞納問題です。
管理会社から入居者に連絡してもらうことで支払われる場合もありますが、それでも家賃を支払ってもらえない場合や、そもそも管理会社には委託せずに自分で管理している方もいらっしゃると思います。
その場合、オーナー自身で対処しなければなりません。
連絡しても支払いが滞る場合、行政書士の力を借りて「内容証明郵便」を送付するのも効果的でしょう。
内容証明郵便とは、いつ(日時)、誰が誰に当てて、どういった内容の郵便を送ったのかを、差出人が作成した謄本によって郵便局が証明するものです。
支払期日、遅延損害金の請求、支払わなかった場合の法的措置など、これらの内容が記されている、普段目にする機会があまりないであろう内容証明郵便を送ることで、家賃滞納者にプレッシャーを与えることが可能です。
裁判になる可能性もある家賃滞納問題ですが、内容証明郵便はその際の証拠にもなりますし、プレッシャーに耐えかねた滞納者が支払いを行い、裁判にまで発展するのを防ぐ効果もあるでしょう。
内容証明郵便なら、自分で書いて送ればいいのでは?と考えるオーナーの方もいらっしゃいますが、記載すべき項目を網羅しておらず、効果が無いケースもありますので、書類作成の専門家である行政書士に依頼し、不備のない内容証明郵便を速やかに発送する事が良いでしょう。
※紛争化が予想される事案については行政書士では対応できないため、弁護士に依頼する必要があります。
2)法人設立にも対応
ある程度不動産投資が成功してきたら、法人化した方が税金の面で有利になる場合があります。
個人と法人では、所有物件にかかる税率が異なるからです。
行政書士の主な業務には、会社の設立がありますので、法人化を検討した場合、行政書士に依頼するとスムーズに進みます。
自分自身の力だけで会社を設立することも可能ですが、知識が無いと難しいですし、何より、行政書士に依頼すると、自分で行うよりも費用が安く済むというメリットがあるのです。
会社の設立に必要な定款は、書面で提出する場合、収入印紙代に4万円かかりますが、行政書士ならば、印紙代が不要となる電子媒体の「電子定款」を作成出来るため、4万円の節約になります。
また、行政書士は、会社設立のアドバイスにも応じてくれますし、自分自身で法人化するより、行政書士に依頼した方が多くのメリットが得られるでしょう。
3)記帳代行もしてくれる
行政書士によっては、会社設立後の記帳代行業務も行っています。
法人化すると、経費として認められる諸費用が増えるため、丁寧に帳簿を付けることが重要になってきますので、記帳は専門家である行政書士や税理士などに依頼することをおすすめします。
ただし、税務に関する書類の作成に関しては、税理士のみが可能な業務であり、行政書士が行うことはできないので注意してください。
4)起業したい場合も頼りになる
その他、不動産投資が成功し、賃貸経営のみならず、宅建業や飲食店を営んだり、リサイクル業を始めたりなど、実業家として起業する場合も、許認可の申請や会社設立、その後のアドバイスまで対応してくれる行政書士は、良い相談役となってくれるでしょう。
まとめ
行政書士の業務内容は、実は不動産投資家にとって役に立つものばかりです。
オーナーにとって最も多いトラブルである、家賃滞納の際の内容証明郵便送付をはじめ、法人化する場合の会社設立や定款の作成なども行ってくれます。
会社設立後も法務相談やトラブルの相談が出来るため、信頼できる行政書士と顧問契約を結ぶとなお良いでしょう。
ただし、内容によっては弁護士や司法書士でないと対応ができない業務もありますので、依頼する際には対応可能な業務なのか必ず確認しましょう。