築古ワンルーム投資は初心者NG!成功するための条件は?
築古ワンルーム投資は物件価格が低いために、成功すれば利回り10%以上を狙うことも夢ではありません。
そのため、投資初心者の中には高い利回りばかりに目を奪われ、初めての投資物件として築古ワンルームを選んでしまう方もいらっしゃいます。
しかしながら、築古ワンルーム投資はリターンだけでなくリスクも高い投資法であり、投資初心者には非常に危険な投資法です。
今回は、築古ワンルーム投資が初心者に向いていない理由と築古ワンルーム投資で成功するためのポイントなどについてご説明します。
1.不動産投資初心者に築古ワンルームマンションは難しい
利回りが高い築古ワンルームマンションは、収益を上げやすいため不動産投資初心者に向いていると考える方も多いのではないでしょうか。
しかし、答えはノーです。
実は、築古ワンルームマンション投資は難易度が高い投資なのです。
なので不動産投資初心者に築古ワンルームマンションはお勧めできません。
不動産投資初心者が堅実な資産形成を目指すなら、築年数が浅い中古マンションが向いています。
ではなぜ、不動産投資初心者には築古ワンルームマンション投資がお勧めできないのでしょうか。
次の項目でその理由についてご説明します。
2.築古ワンルームマンションが投資初心者に向かない3つの理由
築古ワンルームマンションが投資初心者に向かないという理由は、次の3つのリスクにあります。
1)自己資金が最低でも2割+諸費用が必要になり金融機関が絞られる
築浅の中古ワンルームマンション投資であれば、自己資金は1割未満でも投資を行うことが可能です。
しかし、築古ワンルームマンションは残された耐用年数がわずかであることなどから、新築マンションや築浅のマンションに比べてその資産価値は低くなります。
したがって、築古ワンルームマンションは担保評価が付きにくく、金融機関によっては融資を受けることが難しくなる場合があります。
また、例え融資を受けることができた場合でも、融資額は少なくなる可能性が高いのです。
しかしながら、高い利回りが見込める場合は、日本政策金融公庫で融資を受けられる可能性は残っています。
日本政策金融公庫を利用するための条件など、日本政策金融公庫の融資の特徴は次の記事で詳しく解説しています。
【関連記事】日本政策金融公庫で不動産投資の融資は難しいってホント?金利や条件を確認
また、ある程度の自己資金を用意できるようであれば、融資を使わずに格安ワンルームマンションを購入することもできます。
【関連記事】500万円以下の格安ワンルームを現金一括購入で失敗しないポイント3選
2)築古物件は高い家賃収入が見込めない
新築マンションは、誰も住んでいない未使用のマンションであることが価値となります。
新築から1年以降、物件価値は薄れて家賃は急激的に下落していく傾向にあります。
そのまま築2~20年あたりまでは家賃の下落は続きます。
(好立地にある物件は緩やかに下降、もしくは維持する傾向にあります)
築20~30年になると家賃の下落率は緩やかになります。
築古物件は家賃の下落率が低いですが、家賃収入はあまり見込めません。
つまり家賃収入が低いことから、購入時に銀行から受けられる融資額に制限が設けられます。
結果的に購入時に自己資金を多く出す必要があり、ローンの返済も厳しくなる傾向が強いです。
よって、初心者にとって投資のハードルは高くなるでしょう。
3)入居付けが難しく設備トラブルも起きやすい
築古ワンルームマンションは建物が老朽化しているため、東京であっても間取りや内装の作りによっては、なかなか入居者を集めにくいというデメリットがあります。
近隣に同じようなワンルームマンションでより築年数が新しい物件があれば、入居者はそちらに流れやすくなるのです。
また、築古ワンルームマンションは設備も老朽化しているため、設備トラブルが起こりやすい傾向に。
設備トラブルが起きると、入居者からクレームが発生しやすくなるほか、設備の修理費用や交換費用などのコストも高くなってしまいます。
さらに築古ワンルームマンションの中には、現在の耐震基準を満たしていない建物もあります。
今後、大きな地震が起きた場合には倒壊する恐れもあるため、購入後すぐに建て替えの問題に直面する可能性や修繕積立金が高額になる可能性も考えられます。
3.築古ワンルームで成功するための条件
1)難易度が高い分収益性も高い
築古ワンルーム投資は初心者には難しいとご説明してきましたが、物件価格が安い分、リターンが大きくなるのも事実です。
集客しやすいエリアを見極め、上手にリフォームをして入居者を獲得できれば10%以上の利回りを狙うこともできます。
難易度が高い分、収益性も高い点が築古ワンルーム投資の魅力であるとも言えるでしょう。
2)成功するための物件選びのポイント
築古ワンルーム投資を成功させるためには、古くても収益性を見込める物件を見極めることが重要になります。
築古ワンルームを選ぶ際のポイントは次の3つです。
・自己資金を踏まえ、早期にローンを完済できそうな利回りの高い物件を選ぶ
築古ワンルーム投資を始めるにあたっては、ある程度の自己資金を準備しておくと安心です。
耐用年数が少ない築古ワンルームでは、長期ローンは組めない可能性が高くなります。
自己資金の額を踏まえ、早期にローンの完済が目指せるような利回りの高い物件を選ぶようにしましょう。
・客付けしやすい好立地な物件を選ぶ
築浅物件であっても、駅から離れた場所や賃貸ニーズの少ないエリアなどに建つ物件は客付けが難しくなります。
築古ワンルームであれば、立地条件の良さは客付けをするうえで、より重要な要素となるでしょう。
便利な場所に建つ物件であれば、築年数が経過したワンルームでも利便性の高さから入居者を獲得できる可能性は高まります。
築古ワンルーム投資をする際には、エリアをしっかりと見極めましょう。
・修繕がある程度終わっている物件を選ぶ
購入してからすぐに大規模修繕工事などが予定されている場合、修繕積立金では賄えなかった分を追加修繕費として徴収される可能性があります。
また、数年後の大規模修繕を見越して修繕積立金が値上げされるケースもあるため、築古ワンルームを選ぶ際には修繕計画を確認し、ある程度修繕が終わった物件を選ぶことが大切です。
3)買ってはいけない築古ワンルーム物件とは
・賃貸ニーズの少ないエリアにある築古ワンルーム
まず、賃貸ニーズの少ないエリアは不動産投資が難しいエリアです。
すでに入居者がいるオーナーチェンジ物件であっても、その入居者が退去してしまうと賃貸ニーズの少ない場所ではなかなか次の入居者を獲得できません。
築古ワンルーム投資をするのであれば、例えどんなに利回りが高い物件でも賃貸ニーズの少ない地方や立地条件の悪い場所に建つ物件は危険です。
・修繕積立金や管理費が高い築古ワンルーム
修繕積立金や管理費が高い物件は、入居者から支払われた家賃から引かれる額が多くなり、収益は減少します。
物件価格と想定賃料だけを見た表面利回りだけで購入を判断してしまうと、表面利回りと実質利回りの差が大きくなり、実際にはほとんど利益が残らない可能性があります。
物件購入時には、修繕積立金や管理費の額と賃料に占める割合も事前に確認しておきましょう。
・出口戦略が難しい築古ワンルーム
築古ワンルーム投資に限らず、不動産投資では物件購入前から出口戦略を想定しておくことが大切です。
築古ワンルームの場合、売却するときにはさら耐用年数が減少しています。
そのため、あまりに築年数が古い物件や劣化が進んでいる物件の場合は、売却が難しくなったり、売却時に想定していた売却益を得られない可能性が高くなるでしょう。
築古ワンルームを購入する際には、築年数や物件の状態を考え、想定した出口戦略を実現できる物件を選ぶようにしましょう。
まとめ:不動産投資初心者は築古ワンルームマンションは買い増しで検討がお勧め
不動産投資は、誰でも必ず成功できる投資ではありません。
築古ワンルームマンションは金融機関から融資を受けることが難しい、入居付けが難しい、修繕費が読めないなどのリスクがあります。
不動産投資初心者は初めから築古ワンルームマンション投資を行うのではなく、不動産投資の魅力や危険性もしっかりと理解したタイミングで、収益性の高い築古ワンルームマンションにステップアップすることをお勧めします。