5階エレベーター無しマンションは不人気?空室を埋める方法を解説
5階以上のマンションなのに、エレベーターが備え付けられていないマンションは、意外にも数多くあり、そこまで珍しくはありません。
「5階、エレベーターなし」と聞くと、一見、デメリットばかりで不人気に感じるかもしれませんが、果たして本当にそうなのでしょうか?
そこで今回は5階以上でエレベーターのない物件について、真実を詳しくみていきたいと思います。
1.どうして5階以上でエレベーターの無い物件がある?
高さのある建築物へのエレベーターの設置は、法律で義務付けられていますが、実は階数は関係なく、高さによって設置基準が定められています。
建築基準法では、高さ31mを超える建物にエレベーターの設置義務があります。
高さ31mというと、マンションやアパートではおおよそ7階建て~10階建てくらいになります。
つまり、一般的な建物であれば、6階以下の建物にはエレベーターの設置義務はありません。
そのため、5階以上あるのにエレベーターの無いマンションやアパートが存在するのです。
ただし、サービス付き高齢者向け住宅は、3階建て以上の建物であれば、エレベーターの設置義務があることを覚えておきましょう。
2.エレベーターなし物件のデメリット
エレベーターが無いことにより、どのようなデメリットがあるのでしょうか。
1)元気な人でも疲れることがある
体力に自信がある方なら、5階程度の階段の上り下りは運動にもなりますし、苦にならないかもしれません。
そんな方でも、仕事で疲れ切った日、体調が悪い時、足に怪我をしてしまった際などは、5階までの上り下りは想像以上に辛いでしょう。
また、買い物で食料や飲料を購入した時は、両手がふさがることもあり、階段で部屋まで辿り着くのに非常に疲れてしまいます。
2)転倒の可能性があり危ない
子供は走り回ることが多く、階段の上り下りで滑って転倒する恐れがあります。
そのため、子育て世帯や妊婦のいる家庭の入居はケガのリスクが高いと考えられ、入居者ターゲットが必然的に単身世帯に限定されるでしょう。
そのため、5階エレベーター無しの物件を購入する際は、単身者やDINKS(子供を望まない夫婦)が入居しうる間取りの物件を購入するほうが賢明かもしれません。
3)引っ越しの際、追加料金が発生する
エレベーターの無い物件では、上階の場合、引っ越しの際に追加料金を設けている引っ越し業者がほとんどです。
荷物を運ぶ際、階段を上り下りして運ぶのと、エレベーターで運ぶのとでは、作業時間にも作業人数にも大きく差が出ます。
よって、エレベーターの無い物件の上階では、そのぶん費用が割高になり、追加料金が発生するのです。
また、冷蔵庫や洗濯機などの大型家電は、階段の広さによっては部屋まで運べないケースも出てきます。
3.エレベーターなし物件のメリット
一方、エレベーター無し物件にも、多くのメリットがあります。
1)家賃が安い
やはりエレベーターが無いのは不便に感じる方も多く、エレベーターのある物件に比べて人気がありません。
そのため、家賃を安く設定せざるを得なくなりますが、低価格帯の家賃に惹かれて入居する方も少なくはないでしょう。
前述したように、単身者やDINKSの入居を狙った2LDK以下の物件であれば、空室リスクを抑えた賃貸経営ができるかもしれません。
また、エレベーターは修理やメンテナンスにかかる費用が大きいので、オーナーの方にとっては、その分の管理費もかからずにすむというメリットがあります。
2)体力作りになる
新型コロナウイルスの影響で運動不足の方が増えています。
エレベーターが無いことで、入居者はゴミを捨てるにも階段の上り下りが必要となり、日常生活を送ることが自然と運動になります。
運動不足が解消され足腰も強くなるでしょう。
3)待ち時間が無い
朝の通勤、通学時間は、エレベーターが混雑して待ち時間が発生しているマンションが多いでしょう。
遅刻しそうなときはイライラしてしまったり、結局階段を使ったり、ということも。
小さな事かもしれませんが、入居者はそのようなストレスから解放されます。
4.メリット、デメリットからわかる空室を埋める方法とは
メリット、デメリットから、エレベーター無し物件の高層階は、「家賃の安さを重視する、体力がある一人暮らしの若者」をターゲットにすれば、十分に需要があることが見えてきます。
買い物の不便さに関しても、若い世代はインターネットの宅配を利用する人が多いので、そこまでデメリットにはなりません。
そこで、物件をターゲット向けにリフォームすれば、空室が埋まる可能性が高くなるでしょう。
具体的には、畳はフローリングにし、壁は白を基調とした壁紙で清潔感を出します。
木目調も人気がありますね。
タイル張りの壁や床は、どうしても古い感じがしてしまうので、変更した方がよいでしょう。
水回りは、特に古さが出やすいところなので、予算と相談し、現在主流となっている設備を導入すると良いでしょう。
まとめ
5階エレベーター無しマンションは、不人気といわれていますが、家賃が安いことから、リフォーム次第では人気賃貸物件になる可能性を十分に秘めています。
そのためには、主に若年層や体力に自信のある方などをターゲットにしたリフォームで、物件の価値を上げていくことが重要です。
家賃の安さのほかにもメリットは多いので、その点を押し出した広告をしていきましょう。