1.海外での稼ぎを国内に還流する日本企業

円安の恩恵を受け、日本経済が拡大しています。
経済規模や景気を示すGDP(国内総生産)は、コロナ禍の2020年を除き12年から13年連続で上昇。
25年は約664兆円になりました。
これは日本企業の海外で稼ぐ力が強まっていることを意味します。
GDPに海外での稼ぎなども反映したGNI(国民総所得)は25年に約704兆円となり、GDP同様13年連続で上昇し過去最高を記録しました。
円安により外貨が円換算で膨らむほか、設備投資や賃上げなど国内への還流がGDPを押し上げていると考えられます。
また、GDPとの差額が直近10年間で3倍近くの約40兆円に膨れ上がっていることから、企業の海外志向が勢いを増していることもうかがえます。
2.「輸出で稼ぐ」から「海外で稼ぐ」へ

輸出で稼いできた日本が、海外現地で稼ぐようになりました。
日本企業が海外で投資して得た利益を示す第一次所得収支は、05年に貿易収支を逆転し、25年には過去最高の約42兆円となりました。
85年のプラザ合意を経験した日本企業は、円高で輸出製品の価格競争力が低下するリスクヘッジとして、海外に工場を作り、現地で売る戦略へと転換。
その結果、為替変動による影響を抑え、利益を得られるようになったのです。
3.経常収支が過去最高32兆円、貿易赤字を凌ぐ海外からの稼ぎ

「貿易収支が赤字になった」。
オールドメディアに、こう取りざたされることがありますが、貿易赤字を織り込んだ海外からの稼ぎを示す経常収支は、25年に過去最高の約32兆円となり赤字を凌ぐ勢いで海外での事業投資が利益を生み出していることが分かります。
そして、日本企業の稼ぐ力を最大化するのが「円安」だということは、これ以上言うまでもありません。
政府は40年に名目GDPで目標1,000兆円を掲げています。
史上初6万円を超える株高や企業の設備投資額が最高水準になるなか、それが現実味を帯びてきました。
為替変動の影響を最小限に抑えつつ、円安でギアを上げて稼ぐ、日本企業の底力が試されます。