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不動産コンサルティングマスターとは?難易度や資格取得のメリット

執筆者:Redia編集部 Redia編集部

不動産会社の担当者の中には、不動産コンサルティングマスターという資格を持っている不動産コンサルタントがいます。

不動産業界にあまり馴染みがない場合には特にこの資格についてあまり聞いたことがないという人も多いのではないでしょうか。

この記事では不動産コンサルティングマスターについて、その概要や資格を保有する不動産コンサルタントの選び方、さらにコンサルティングを依頼する際の注意点を解説していきます。

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1.不動産コンサルティングマスターとは何か?

まずは不動産コンサルティングマスターという資格の概要とその役割や業務について説明していきます。

不動産コンサルティングマスターの資格概要

不動産コンサルティングマスターとは国土交通大臣の登録を受けている公益財団法人不動産流通推進センターによって登録・証明されている資格のことです。不動産コンサルティング技能試験という筆記試験に合格し、以下に挙げるいずれかの登録要件を満たしてはじめて不動産コンサルティングマスターと名乗ることができます。

  • 宅地建物取引士の資格登録者で、不動産に関する業務の実務経験が5年以上
  • 一級建築士の資格登録者で、建築設計業・工事管理業等の実務経験が5年以上
  • 不動産鑑定士の資格登録者で、不動産鑑定業の実務経験が5年以上

この資格は、税理士や宅建士のような国家資格ではありません。しかし、登録を受けるのに「宅地建物取引士」「不動産鑑定士」「一級建築士」のいずれかの資格登録と関連する5年以上の実務経験が課されていることからわかるように非常に高い専門性と経験が求められています。

技能試験では不動産コンサルティングの実務知識が問われる「実務」や不動産コンサルティング業務全般に関する「事業」などの他、金融、経済、税制、建築、法律と広範囲にわたり出題され、幅広い知識が必要になります。つまり、この資格を保有している不動産コンサルタントはその時点で既に相当の実務経験と知識が備わっていることの証明にもなっているのです。

※出典:公益財団法人 不動産流通推進センター認定資格
https://www.retpc.jp/qualification/consultingmaster/

不動産コンサルティングマスターを保有するコンサルタントの役割や業務内容とは?

不動産コンサルティングマスターを保有する不動産コンサルタントには物件の売買などの不動産仲介だけでなく、物件の有効活用方法や相続など不動産全般に関して幅広い相談ができます。

不動産コンサルティングマスターに相談する場合ですが、不動産会社やコンサルティング専門会社に所属している場合の他、個人開業している不動産コンサルタントもいます。

尚、不動産会社の担当者や個人開業者の中には、自らを「不動産コンサルタント」と名乗る人がいます。資格が無いのに「公認不動産コンサルティングマスター」と名乗ることはできませんが(名称独占資格)、不動産コンサルタントと名乗る場合には特に何か特別な資格が無くても可能です。

また、不動産コンサルティングマスターという資格には重要事項説明や重要事項説明書・契約書への記名・押印といった宅建士だけに認められているような独占業務はありません

名称独占資格

資格取得者以外のものにその資格の呼称およびそれに類似したり紛らわしい呼称の利用が禁止される資格

独占業務

資格を有する者のみが行うことができる業務

2.不動産コンサルティングマスターの難易度

不動産コンサルティングマスターの難易度と合格率、勉強に必要な時間をご説明します。

不動産コンサルティングマスターの合格率

前述したように不動産コンサルティングマスターになるためには、まず不動産コンサルティング技能試験に合格しなければなりません。ここ5年ほどの不動産コンサルティング技能試験の合格率は次のようになっています。

<不動産コンサルティング技能試験年度別合格者数・合格率>

試験年度 合格者数 合格率
平成30年度 589人 42.3%
令和元年度 538人 40.7%
令和2年度 529人 43.3%
令和3年度 444人 37.9%
令和4年度 467人 42.7%

※出典:公益財団法人不動産流通推進センターhttps://www.retpc.jp/consul-exam/pdf/result/R04/nendo_gokaku.pdf

不動産コンサルティングマスターの難易度

上の表から分かるように、不動産コンサルティング技能試験の合格率は30%台後半から40%台前半となっています。この数字から不動産コンサルティングマスターの難易度はそれほど高くないように感じる方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、不動産コンサルティング技能試験は、宅地建物取引士(主任者)資格登録者、不動産鑑定士資格登録者、一級建築士資格登録者のいずれかの該当者でなければ受けられません。

そのため、不動産コンサルティング技能試験の難易度が高いというよりは、不動産コンサルティング技能試験の受験資格を満たすハードル自体が高いといえるでしょう。

宅建士、不動産鑑定士、一級建築士の資格を持ち、それぞれの業務に従事している人であれば、不動産に関する知識も豊富にあるため、不動産コンサルティングマスターの合格率も40%前後となっているのです。

しかし、受験資格を満たすところから不動産コンサルティングマスターを目指すのであれば、難易度はかなり高い資格であるといえます。

不動産コンサルティングマスター合格のために必要な勉強時間

人によって不動産に関連する知識の保有量や理解度は異なるため、一概に何時間勉強すれば不動産コンサルティング技能試験に合格するとは言い切れません。

しかし、令和4年度の不動産コンサルティング技能試験合格者のアンケート結果によると、総勉強時間は50~100時間と答えた人が34.9%と最も多く、次に28.4%の人が100~200時間と回答しています。

この結果から、不動産コンサルティング技能試験に合格するためには50~200時間程度の勉強が必要になるといえるでしょう。

※出典:公益財団法人不動産流通推進センターhttps://www.retpc.jp/consul-exam/questionary/

3.不動産コンサルティングマスターを取得するメリット

不動産コンサルティングマスターは、簡単には取得できない資格であることをご説明してきました。では、不動産コンサルティングマスターを取得するとどのようなメリットを得られるのでしょうか。

不動産コンサルティング業務の報酬を得られる

不動産コンサルティングマスターの資格があれば、宅建士や不動産鑑定士、一級建築士としての仕事に加え、不動産コンサルティング業務として報酬を受け取れるようになります。

不動産特定共同事業の業務管理者の資格を得られる

不動産特定共同事業の業務管理者になることも可能です。不動産特定共同事業とは複数の投資家から集めた資金で収益不動産を取得・運用し、得られた収益を投資家に分配する事業で、不動産クラウドファンディングも不動産特定共同事業の一つです。

ただし、不動産特定共同事業の業務管理者になるためには、宅建士の資格も必要となります。

不動産投資顧問業登録規定における登録申請者、重要な使用人の審査基準を得られる

不動産コンサルティングマスターは、不動産投資顧問業登録規定における一般不動産投資顧問業の登録申請者や重要な使用人としての審査基準を得られます。

また、総合不動産投資顧問業の判断業務統括者の知識についての審査基準を満たす資格としても認められています。

金融商品取引法において不動産関連特定投資運用業を行う人的要件を得られる

不動産コンサルティングマスターは、金融商品取引法においても不動産関連特定投資運用業を行う人的要件として認められています。

不動産コンサルティングマスターになるには

不動産コンサルティングマスターになるには、宅建士、不動産鑑定士、一級建築士のいずれかの資格を取得し、不動産コンサルティング技能試験に合格する必要があります。

さらに、宅建士、不動産鑑定士、一級建築士として5年以上の実務経験があれば不動産コンサルティングマスターとして登録が可能です。

また、令和5年10月以降は、実務経験が3年以上ある場合、不動産流通推進センターが指定する一連の講座を修了すれば登録が可能になります。

4.まとめ

不動産コンサルティングマスターは、不動産コンサルティングに関する知識や技能はもちろん、十分な実務経験を持っていることを証明する資格です。ただし、宅建士、不動産鑑定士、一級建築士のいずれかの資格を保有していることが試験受験の資格となるため、これらの資格を保有していない人にとってはハードルの高い資格となるでしょう。

しかし、不動産コンサルティングマスターの資格を取得すれば、不動産コンサルティングの報酬を得られるなどのメリットがあります。本格的に不動産コンサルタントとしての活動を目指すのであれば、不動産コンサルティングマスターの資格取得を目指してみてはいかがでしょうか。