高齢者が安心して入居できる!見守りサービスとは
オーナーとして所有する物件に高齢者が入居するとなると、どうしても孤独死の心配があるので敬遠してしまいがちです。
しかし、高齢者が増加している日本では、一人暮らしのお年寄りが住める賃貸住宅はニーズが高いため、不動産投資家にとっては、この需要を見逃すわけにはいかないでしょう。
そこで今回は、高齢の入居者の方もオーナーも、お互いが孤独死のリスクを防ぎ安心して生活できる「見守りサービス」の紹介をしていきたいと思います。
1.見守りサービスとは
見守りサービスとは、一人暮らしの高齢者を見守るサービスのことです。
配偶者に先立たれてしまったり、家族はいても、仕事や家庭の事情で離れて暮らしていたりなど、一人暮らしをしなければならない「独居老人」と呼ばれる高齢者は大勢おり、今後も増えていくでしょう。
そんな時、家族に代わって高齢者の安否や健康状態を確認し、緊急時にも対応してくれるのが見守りサービスであり、孤独死の防止や早期発見につながるため、高齢者のご家族はもちろん、オーナーからも注目されています。
セキュリティ会社や介護事業者など、様々な企業が見守りサービスを提供しており、その方法も様々です。
2.見守りサービスにはどんな種類がある?
見守りサービスには、主に以下のような種類があります。
1)訪問型
介護事業所の職員や、郵便局、電力会社、ガス会社などの地域を巡回する業務のある企業の社員が、定期的に高齢者の住まいを訪問し、健康状態や安否などを家族に知らせてくれます。
対面し、高齢者の方と直接話をするので、どんな様子で生活しているか確認しやすいというメリットがありますが、訪問回数は、月に数回程度と少ないものが大半です。
2)センサー型
部屋にセンサーを設置し、高齢者の生活を確認します。
例えば、センサーが一定時間以上、冷蔵庫やトイレなどの利用を感知しなかった場合、家族のスマートフォン(スマホ)や携帯電話に通知が行きます。
近年は、IT技術が発展し、人体検知や温度検知も出来るセンサーもあり、ネット環境があればいつでもどこでもアプリなどを利用して状況を確認することが可能で、利便性が高いです。
ただ、設置したことで安心してしまい、ご家族が直接高齢者に連絡をする回数が減ってしまうケースもあります。
3)通報型
室内に緊急時に押してもらうボタンなどを設置し、何かあった際に入居者に押してもらうと、見守りサービスを提供している企業や警備会社などに通報が入り、状況によっては救急車の発動もなされます。
デメリットは、緊急時に高齢者がボタンを押せる状況にないこともあり得るということでしょう。
4)カメラ型
室内にカメラを設置し、異変が無いかを確認します。
24時間、いつでもリアルタイムの様子を確認できるので遠方に住むご家族の方も安心出来るというメリットがありますが、常にカメラで監視されている生活は、入居中の高齢者にとってはストレスになるかもしれません。
5)対話型
高齢者に定期的に電話をして、通話することで様子を確認し、担当者は会話の様子をメールなどで家族に伝えます。
訪問型に比べて連絡の頻度が高くなり、その点では異変に気が付きやすいですが、顔を見て話をするわけではないので、表情や実際の本人の様子までは読み取ることが出来ないのがデメリットです。
6)配食型
高齢者の住まいに弁当などの食事を届け、その際に安否の確認も行います。
栄養があってバランスも取れている食事が届けられるうえに、安否の確認までしてくれる配食型は、近年利用者が増加しています。
しかし、毎日の弁当生活に高齢者が飽きてしまうことがあるのが注意点でしょう。
3.見守りサービスにかかる費用はどのくらい?
見守りサービスにかかる費用は、サービスの種類にもよりますが、機器を設置するタイプの場合、月々1,000円台~2,000円程度で利用できるものもあります。
ただし、最初に機器を設置する際に、その機器本体の代金や工費が合わせて数万円はかかるので、初期費用は高くなってしまうでしょう。
企業によっては、レンタルで機器を貸し出しているケースもありますので、各会社のサービス内容を比較してみるといいかもしれません。
電話による対話型であれば、月額5,000円~1万円以内、訪問型は人件費がかかりますのでそれよりも高くなると見ておけばよいかと思います。
配食型は、一食1,000円以内であることが多く、一日に何食分の配達を頼むかによって料金も変わってきますが、食費込みの代金と考えれば、サービス自体の金額はそこまで高くないはずです。
いずれのサービスを選ぶにせよ、法外に高いサービスはなく、月々数千円~1万円以内で利用出来ると考えてよいため、是非とも導入することをおすすめします。
4.見守りサービスに加入してもらうには
見守りサービスは、オーナーの意思で加入出来るものではありません。
基本的に、入居者本人かそのご家族が契約し加入するものです。
ですから、加入してもらうためには、入居者に「これならば加入してもいい」と納得してもらえるよう、複数のサービスを用意しておき提案するべきでしょう。
例えば、カメラ型はプライバシーが無いと感じる方が多く、なかなか同意が得られませんが、電話での対話型だったら、「電話に出るだけなら…」、と受け入れてくれる方もいます。
また、通報型で操作が簡単な物であれば、高齢者自身も自らの安全のために設置してくれるケースも多いです。
このように、高齢者の方のニーズに合わせ複数の選択肢を用意しておき、納得して見守りサービスに加入してもらうことが重要です。
まとめ
見守りサービスを導入すれば、一人暮らしの高齢者の孤独死を防ぐことができ、万一の場合も早期発見が可能なので、長い間入居者の死亡に気が付けず部屋が傷んでしまうという最悪の事態を避けることが可能です。
今後、一人暮らしを希望する高齢者はますます増加していくことが予想されますので、見守りサービスを利用し、高齢者でも安心して暮らせる賃貸住宅にすれば、空室リスクの対処にもつながるでしょう。