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【組合員必見!】マンション住民が管理費・修繕積立金を払わない場合どう対処する?

執筆者:棚田 健大郎 棚田 健大郎

近年、経済的な困窮などの理由から、管理費や修繕積立金の滞納が増加し、頭を悩ませているマンション管理組合の方々が多いといいます。

今回は、管理費・修繕積立金の滞納者に対して、どのように対処すればいいのかを解説していきたいと思います。

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1.管理費・修繕積立金の滞納、何が問題?

管理費・修繕積立金の滞納があった場合、一番の問題となるのが大規模修繕に関することです。

大規模修繕を行うにあたり、滞納により修繕費が足りなければ、なかなか修繕工事を行うことができず、建物や設備は老朽化が進んでしまい、資産価値も下がります。

 

修繕費の不足分を補うにしても、住民から追加で徴収する場合は、「自分は毎月必ず支払っているのに、なぜ滞納者のぶんまで負担しなければならないのか」と、不公平感を生みだすことにもなりかねません。

最悪の場合、「滞納者がいるのなら自分も支払いを拒否する」という住民が増えてしまうことも考えられます。

管理費が不足すれば、共用部の清掃や設備の整備などが行き届かなくなり、衛生面や安全面に悪影響が出てくるでしょう。

2.管理費・修繕積立金の滞納を解決する手順

まずは、滞納が発生した際に取るべき行動をご紹介します。

1)口頭や手紙で督促する

滞納を知ったら、まずは滞納者に口頭で滞納している管理費・修繕積立金の支払いをするよう督促しましょう。

ただ単に支払いを忘れていただけの可能性や、銀行口座を変更した関係で引き落としが出来ない状態だった、ということもありえます。

そのようなケースであれば、すぐに支払ってもらえることが多いので、まずは穏便にすませるためにも、口頭で支払うよう求めましょう。

手紙や書面での督促も有効です。

2)管理組合から内容証明郵便で催告状を送付する

口頭や手紙による督促をしても支払ってもらえない場合は、管理組合から内容証明郵便で催告書を送付します。

内容証明郵便

誰から誰にどんな内容の文書が送付されたのか、郵便局が証明してくれる制度

支払いを求めるだけでなく、支払わなければ法的措置を取るという内容も記したものが催告書であるため、内容証明郵便で催告書を送付する行為は、滞納者に管理組合側の真剣度を伝えることが出来るでしょう。

3)支払督促を行う

それでも支払ってもらえない場合は、支払督促の申し立てをしましょう。

支払督促

債権者の申し立てに基づき、裁判所が債務者に支払いを命じる処分

管理費・修繕積立金の滞納の場合は、管理組合が申し立てをし、それに基づいて裁判所が滞納者に滞納している金銭の支払いを命じます。

申し立ては、督促申立書を簡易裁判所に提出するだけなので、手間も費用も少なくてすむのが特徴です。

支払督促を行うと、滞納者には「何年何月何日までに、滞納している管理費・修繕積立金を支払うこと」という旨の文書が裁判所から送られてきます。

 

支払督促の文書を受け取った滞納者が、受取から2週間以内に異議を申し立てない場合、管理組合は仮執行宣言の申し立てをすることが出来ます。

仮執行宣言の申し立てが承認された場合、今度は滞納者に「仮執行宣言付支払督促」が送付されます。

仮執行宣言は、判決の確定前に強制執行することが可能になる宣言であるため、それでも滞納者が支払わなかったり、異議申立をしなかったりする場合、申立人である管理組合は、強制執行を行うことが出来ます。

 

強制執行になれば、滞納者の資産が差し押さえられ、そこから管理費・修繕積立金の回収をすることになります。

しかし、滞納者が支払督促の文書を受け取ってから2週間以内に異議を申立てた場合は訴訟となります。

4)訴訟を起こす

支払督促に対し、滞納者が異議申し立てをしてきた場合は、管理組合が原告となり訴訟を起こすことになります。

ここまで来てしまった場合、法的知識も必要となってきますので、弁護士に依頼するのが望ましいでしょう。

裁判により、管理組合側の請求が認められれば、ようやく強制執行の流れとなります。

5)区分所有法第59条による競売請求を検討する

催告や督促を行っても無視を貫くなど、管理費・修繕積立金を支払ってくれる見込みのない悪質な滞納者に対しては、区分所有法第59条による競売を申し立てるという方法もあります。

区分所有法第59条

ある区分所有者の有害な行為が原因で、他の住民に与える障害が著しく、共同生活を維持することが難しい場合、管理組合は有害行為を行っている区分所有者が所有する区分所有建物の競売を請求することができる

つまり、管理費・修繕積立金の滞納は、区分所有法においては有害な行為に該当しますので、競売を請求できるというわけです。

 

通常、分譲マンションの一室であれば、抵当権が設定されていることが大半ですが、区分所有法第59条による競売であれば、当該マンションの時価を超えた抵当権が設定されていても競売を行うことが可能であるという特徴があります。

競売の結果、新たな所有者が決定したら、その所有者が旧所有者である滞納者の管理費・修繕積立金の支払義務も引き継ぐことになるため、新たな所有者から滞納金を回収しましょう。

 

競売を行うためには、管理組合が総会を開き、その総会で全区分所有者及び議決権の4分の3以上の賛成を得る必要があります。

区分所有法第59条による競売を行っても、購入者が現れない場合もあることを覚えておきましょう。

滞納額が多ければ多いほど競売による売却は難しくなるため、もし競売を行うのならできるだけ早めに臨時総会等で住民に決断を依頼する必要があります。

3.管理費・修繕積立金の滞納、最も大事なことは?

管理費・修繕積立金の滞納について、債権者である管理組合が何もしないでいると、5年で時効が成立し、回収出来なくなってしまうので注意しましょう。

時効の成立を防ぐには、まずは滞納が発生した場合にすぐにその事実を把握することです。

管理費・修繕積立金の回収は、マンション管理会社に委託している管理組合も多いと思いますが、滞納があった場合はすぐに管理会社に報告してもらうようにしましょう。

 

滞納額が大きくなればなるほど、支払ってもらうのは困難になるため早め早めの対応が重要になってきます。

裁判上の請求、差し押さえ、承認などにより、時効を中断させることが可能です。

例えば、滞納者が滞納している管理費・修繕積立金の一部でも支払えば、債務があることを認めたことになり、これが「承認」になるため時効が中断します。

時効を成立させないためにも、迅速に状況を把握し、滞納者に対して支払いを求める行動を起こすべきでしょう。

まとめ

管理費・修繕積立金を滞納している住民がいると、そのしわ寄せが他の住民にきてしまい不公平感を与えることになりますし、大規模修繕の遅れにより建物の資産価値も低下してしまいます。

大規模修繕の費用感や時期については以下の記事で解説していますので、ぜひご参考ください。

関連:大規模修繕2回目直前のマンション投資は要注意?費用感とリスクについて解説

 

管理費・修繕積立金の滞納については、5年という時効がありますし、滞納額が大きくなるにつれて回収が難しくなるため、滞納を把握したらすぐに行動に移すことが重要です。

督促など行っても支払ってもらえないような場合は、上記の手順を参考に、法的措置に出る必要が出てくるでしょう。

強制執行になり、滞納金を回収するまでには手間も時間もかかるため、滞納者がなかなか支払いに応じてくれない場合は、すぐに専門家である弁護士に相談・依頼し、早期に解決するのも一つの方法かもしれません。

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