稼ぎたいマンション投資家こそ知るべき大規模修繕の必要性【5分でわかる】
マンションの大規模修繕は資産価値の維持など様々な面からとても重要です。
オーナーとして知っておくべき大規模修繕の目的や怠った場合の問題点、さらにタイミングなどについて解説していきます。
1.大規模修繕の必要性がわからないとマンション投資家として稼げない4つの理由
大規模修繕は、建物を維持していく上で重要な工事です。
マンション投資家が大規模修繕の必要性を理解していない場合、投資を成功させることは難しいでしょう。
大規模修繕が不動産投資にも影響を与える4つの理由をご紹介します。
1)建物の躯体や設備の劣化
外壁や屋上の塗装、防水シートの劣化などを修繕せずに放置しておくと、雨水が建物内に侵入しかねません。
すると、建物の躯体が腐食してしまい耐久性が低下してしまいます。
同様に建物設備も劣化していきます。
定期的にメンテナンス(点検)しないと、修繕費用が割高になる恐れもあります。
2)外観の劣化と競争力の低下
外観が劣化すれば不人気物件となり、入居率の低下や周辺の物件に対する競争力の低下を招くことがあります。
空室率が高くなると当然のことながら利回りの悪化にもつながります。
3)大規模修繕の費用感を知らないと、修繕費が割高な物件を購入してしまう
大規模修繕にどのくらいの費用がかかるのかを把握していないと、相場に比べて修繕費が高めに設定してある物件を購入してしまう可能性があります。
修繕費が高いということは、支払うべき経費が多いということであり、収支の悪化を招きます。
4)大規模修繕がされていない物件を買うと、将来売却価格が落ちる傾向にある
適切なタイミングで大規模修繕が行われていない物件も少なくありません。
背景に修繕積立金の不足という問題が隠れている可能性があります。
そのため、いざその物件を売却しようにも、購入希望者からは「近い将来修繕積立金が(管理組合の方針によって)値上げされるリスクがある」と捉えられるため、売却の機会を逃しかねません。
売りたくても売れないので、結果的に売却価格を下げるしかなくなるでしょう。
2.大規模修繕の必要性やメリット
大規模修繕には、以下のような必要性やメリットがあります。
1)建物全体の耐久性維持
外壁塗装やタイル補修、シーリング材の打ち替えなどの工事によって、塗膜やタイル、シーリング材の防水効果の維持が可能になります。
その結果として建物の躯体の腐食を防いだり、建物の耐久性が維持されることになります。
2)建物の安全性維持
建物は風雨に年中さらされており、外壁タイルの剥がれやコンクリートのひび割れなど外観からはわからなくても確実に劣化していきます。
もし、そのような劣化を放置するとタイルが落下したりして思わぬ事故にもつながりかねません。
定期的なメンテナンスによって、適切な補修を行うことで建物の安全性を維持することが可能になります。
3)資産価値の維持
大規模修繕を行うことで建物の耐久性を維持するだけでなく、建物の外観を美しく保つことで入居率の増加にもつながります。
結果として、資産価値の維持にもつながるのです。
また、バリアフリー化や最新設備の設置、さらに耐震性能強化なども合わせて行うことで資産価値をさらに高めることも可能です。
3.大規模修繕の内容とは?
マンションの大規模修繕で最も頻繁に行われている基本的な工事内容やその必要性についてご紹介します。
1)基本的な工事内容
塗装、外壁タイル・下地の工事
塗装工事には「外壁塗装」と「鉄部塗装」があります。
外壁塗装は、建物の防水性と美観の維持のために行われます。
鉄部塗装は、階段や手すりなど鉄製の部材で進行しているサビや腐食を遅らせるために行われます。
続いては外壁タイルについて。
タイルの下地であるコンクリート面に対して接着が弱まってしまうと、タイルが浮いて最悪の場合には落下することもあります。
タイルと下地のすき間から雨水が侵入して躯体(建物の構造部分)にまで達すると、躯体を腐食させる原因となります。
このような状況が確認された場合、タイルをエポキシ樹脂の接着剤等で固定させる補修工事が行われます。
防水・シーリングの工事
屋上やベランダの防水性を高め、雨水などの侵入による建物内部の耐久性低下や腐食を防ぐ工事が行われます。
廊下や階段についても同様に、防水性を確保するための塩ビシートの貼り替えをします。
マンションには、タイルの目地やサッシの窓枠などに雨水の浸入や空気の流入を防ぐゴム状のシーリングが使われていますが、劣化すると防水機能が低下していきます。
そのため既存のシーリング材を剥がし、新たなシーリングを充墳する工事も行います。
5.大規模修繕のタイミングの目安やポイント
大規模修繕のタイミングの目安については、国土交通省が定める「長期修繕計画作成ガイドライン」が参考になります。
ガイドラインによれば、大規模修繕のタイミングの目安はおよそ「12年前後」とされており、全面改修のタイミングは「24年前後」と定められています。
従って、新築マンションの場合の長期修繕計画は30年間前後というタイミングで検討し、大規模修繕については「12年周期」で必要な工事や費用の確保について計画していくのが一般的となっています。
同時に、建物内で使用されている部材や設備には耐用年数が予め定められていますので、修繕工事の周期もその耐用年数も考慮に入れておくのが大切なポイントです。
具体的な修繕工事の周期の目安は以下の通りとなっています。
- 外壁の塗り替え/屋上や屋根の防水修繕:10年~15年ごと
- シーリング打ち増しや打ち替え:10年ごと
- 機械式駐車場/エレベーター/受水槽の交換:25年~30年ごと
まとめ
今回は、マンションの大規模修繕の基本的概念やメリット、大規模修繕を怠った場合の問題点についてお伝えしてきました。
同時に国交省の「長期修繕計画作成ガイドライン」を参考に大規模修繕のタイミングの目安や修繕箇所の例についても解説しました。
区分所有などの形でオーナーとなる方やこれから購入される方は資産価値の維持の上でも重要な大規模修繕についてしっかりと頭に入れておきましょう。