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コラム

マンション・アパートの耐用年数について(RC・SRC造など)

執筆者:Redia編集部 Redia編集部
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最近では新築マンションではなく、価格も手頃な中古マンションを購入しリノベーションをして暮らす事が流行しています。

自分好みのデザインで、好きな素材や家具に囲まれて暮らす生活って理想ですよね。

しかし、「このマンションにあと何年住めるのだろう?」と不安に思われている方も多いのではないでしょうか。

そんな方の為に、永く安心して住めるマンションの寿命、耐用年数についてお話しようと思います。

1.RCマンション等の寿命は、なんと150年!?

1998年の税制改正で、鉄筋コンクリート造の住宅(新築の場合)の法定耐用年数は47年と定められました。これを根拠に一般的にマンションの寿命は47年といわれることもあります。この法定耐用年数とは、税法において経年による資産価値の減少(減価償却)を定めたものであり、マンション等の寿命を示したものではありません。当然ですが、築47年を迎えた建物が突然住めなくなり寿命を迎えるという事はありません。

国土交通省が平成25年に出した「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書によれば、『構造体としての鉄筋コンクリートの効用持続年数は、一般建物(住宅も含まれる)の耐用年数で120年、外装仕上げのメンテナンスにより延命し耐用年数は150年』といった研究結果が報告されています。

※出典:国土交通省 「中古住宅流通促進・活用に関する研究会」報告書とりまとめ後の取組紹介 9ページhttps://www.mlit.go.jp/common/001014514.pdf

2.建替えや取り壊しの原因は?

では、鉄筋コンクリートの耐用年数がメンテナンスにより最大150年というのに、日本ではなぜマンションの平均寿命が短いのか。これには主に3つの要因があげられます。

1)耐震上の要因

地震の多い日本で、簡単に建物が倒壊する事のない様に法律で最低限の強度を定めている基準が耐震基準です。更に1981年6月に新たな基準「新耐震基準」という法律が制定されました。その為、それ以前の古い建物は震度6〜7の大きな地震を想定はしておらず、耐震診断と必要に応じた補強工事を行うよう政府が奨励しています。しかし、マンションの耐震補強工事は大掛かりで、工事費用も高額の為、新たに建て直す方が効率的だという発想が生まれ、建て替えとなるケースもあるようです。

2)設備配管の要因

今までに解体されたマンションの平均寿命は約50年。実はその多くが、設備配管が取り換えられない造りになっていた事により、建て替えを余儀なくされています。

給排水菅、ガス管などの設備配管類の寿命は鉄筋コンクリートより短く、30年前後といわれています。1960~1970年代以前に建てられたマンションには、この設備配管類を鉄筋コンクリートに埋め込んでいる例が多く見られます。その為、新たに設備配管を新設する工事をマンション全体で行ったりする大規模なメンテナンス工事が必要になってきます。

また、その頃のマンションの配管は鉄管等を使用していて、配管の内部が錆びついて穴が狭くなった所に、更に汚れが付着して穴をふさいでしまい、下の階に漏水を起こしてしまう事もあります。もちろん最近のマンションでは、大規模改修時に配管の交換が容易に出来るよう設計されていますので心配はいりません。

3)資金上の要因

マンションを購入するには、当然ながら資金が必要になります。投資用マンションにしろ、自宅用のマンションにしろ、物件を担保にローンを組む方が多いと思います。実際のマンションの売買事例を見ていくと、金融機関によっては融資対象を築35年から60年程度までに限定しています。また、「新耐震基準」以前の建物の審査に関しても、融資対象にならない等、各金融機関でかなり審査が厳しくなって来ております。その為、築古になると融資が付きにくく、現金での取引しか出来ない為、物件が流通しにくい要因の一つになっていると考えられます。

3.管理次第で寿命が延びる!

日本には四季があり、いくら丈夫な鉄筋コンクリート造でも湿気や乾燥、台風や夏場の暑さに耐える為の定期的なメンテナンスが必要です。外壁や屋上、バルコニーの塗装や防水は、防水効果は築10年を過ぎたあたりから低下し、再度の防水工事が必要になってきます。また鉄筋コンクリート部分に関しては、当然ひび割れがあれば補修を行い、タイルが割れたり浮いていれば貼替を行う。特にひび割れが起こっている部分に関しては、中の鉄筋がさびてこない様、防水工事を施す等、早めのメンテナンスが必要になってきます。

また、マンションに使用されているコンクリートの品質も、マンションの寿命に大きく影響してきます。セメントに対して水の比率が低いものを使用していたり、鉄筋の周りを覆うコンクリートの厚みが薄い建物などは、地震や風圧力により壁に亀裂が入ったりその亀裂から水分が浸透し更に爆裂をおこし、構造自体が弱くなる可能性があります。こうしたマンションは放っておくと将来的に高額なメンテナンス費用が掛かってきてしまいます。マンションの管理組合でしっかりと修繕計画を立て、メンテナンスを定期的に行っていく事が非常に重要な事となります。

4.まとめ

マンションの寿命や耐用年数は、住む方の意識やメンテナンスの重要性の認識によりかなり左右されてきます。所有をしている方、一人一人の財産ですので、住人が建物の寿命を延ばすという目的と真摯に向き合い、長期の修繕計画をしっかり立て、居住者全員でコミュニケーションをとっていく事こそが、マンションの寿命を延ばすための最重要課題になってくると思われます。

「100年コンクリート」や「100年マンション」について

榮 章博 ランドネット代表取締役 【会議参加形式(限定10名)のオンラインセミナー】 33年間不動産を扱ってきた私のノウハウを全て伝えます!