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購入前に知っておきたい! マイホーム「立地・環境」の重要性について

執筆者:Redia編集部 Redia編集部

マイホームの購入を検討する際、必ずと言っていいほど重要になる「立地」や「周辺環境」。

それは、売却時の査定額にも左右されます。今回は購入前に知っておきたい「立地・環境」の重要性や、判断材料としてのポイントについて解説させていただきます。

1.都市計画とマイホームの立地・環境

マイホームを購入するにあたり、購入の決め手として常に上位に入る項目が「立地・環境」です。物件の内装などは、リフォームやリノベーション等を施すことはできますが、立地や周辺環境は自分の力ではどうにもなりません。

そして、自分の家の周りや近隣に、将来どんな建物や施設が出来るのか、予測することも難しいです。

また、購入した物件を売却する際の査定額にも、「立地・環境」は大きく影響を及ぼします。

通勤や買い物など利便性の高い街に住みたい」「閑静な住宅地に住みたい」「自然に囲まれて住みたい」など、それぞれマイホームに対する夢があるはずです。

国は都市の将来あるべき姿や健全な街の発展を目的に「まちづくりのルール」を定めています。そのルールこそが「都市計画法」であり、このルールに基づいて住宅、店舗、工場、オフィスなどの土地利用の都市計画を立て、各地方自治体がその地域の実情に沿って指定する制度になります。

都市計画法において日本の国土は大きく以下の3つに分かれます。

  • 都市計画区域:都市計画区域は都市計画を進めるエリア
  • 都市計画区域外:都市計画区域外は人口が多くないため現状は都市計画を進めないエリア
  • 準都市計画区域:準都市計画区域は人口は多くないが将来の人口増による都市計画の見込みや環境保全の観点から制限を設けているエリア

そして、私たちが主に生活を営んでいる都市計画を進めるエリア「都市計画区域」には、さらに3つの区域があります。

  • 市街化区域:すでに市街地を形成している区域や将来計画的に市街化を図るべき区域
  • 市街化調整区域:農業や林業などを守るため市街化を抑制すべき区域
  • 非線引き区域:区分が定められていない都市計画区域

さらに「市街化区域」には、各地域の特性により土地をどのように利用し整備・計画・開発すべきかなどを定めた「地域地区」が21種類あり、今回取り上げるマイホーム購入時の判断材料の一つである「用途地域」もこの21の地域地区の一つになります。

2.用途に応じた13の地域「用途地域」とは

用途地域とは、その地域が計画的に市街地を形成するために、それぞれの目的に応じて、土地の利用用途や建築できる建物の種類・制限を指定した13地域のことで、大きく住居系、商業系、工業系の3つのタイプに分けられます。

住居系は住環境が優先されるエリアであり、商業系は商業施設など商業の利便性を重視したエリア、工業系は工場など工業の利便性を重視したエリアになります。

住居系の8地域

第一種低層住居専用地域

建てられる建物の高さが10メートルまたは12メートルに制限された、住環境を最優先した地域になります。低層住宅専用の地域であるため、2階建ての一戸建てが多く見られますが、条件さえ整えば低層マンションも建てられます。その他にも小中学校、診療所、住居兼用の小規模な店舗や事務所(店舗・事務所部分の面積が建物の延べ床面積の2分の1未満、かつ50平方メートル以下が条件)などを建てることが可能です。特徴としては、容積率(敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合)が低めなため、ゆったりとした庭が広い一戸建て住宅が多く、「閑静な住宅街」というイメージがあります

第二種低層住居専用地域

建てられる建物の高さが、第一種低層住居専用地域と同様の10メートルまたは12メートルに制限された、住環境を最優先した地域になります。第一種低層住居専用地域との違いは、条件付きで床面積が150平方メートルまでの店舗や飲食店、事務所の建築が認められていることです。特徴としても、第一種低層住居専用地域とほぼ変わりません

第一種中高層住居専用地域

建てられる建物の高さや容積率が低層住居専用地域よりも制限が緩いため、3階建ての一戸建てやマンションの割合が多くみられる住環境を最優先した地域になります。第一・二種低層住居専用地域で建築できる用途に加え、大学などの教育施設、病院、500平方メートルまでの商業施設等の建築が認められています。特徴としては、一戸建てとともに中高層マンションが多く点在する住宅街と言えます

第二種中高層住居専用地域

第一種中高層住居専用地域で可能な建築物に加え、1500平方メートルまでの商業施設等の建築が認められた、住環境を最優先した地域になります。特徴としては、少し広めの病院・スーパー・事業所など生活利便性と閑静な住環境を併せ持った住宅街と言えるでしょう

第一種住居地域

住居の環境を守るための地域でありながら建築制限は緩やかで、3000平方メートルまでの店舗やオフィス、ホテルなどの宿泊施設の建築が可能な地域です。特徴としては、大規模マンションや3階建て4階建ての一戸建てが見られ、商業施設が多いため賑やかなイメージがあります

第二種住居地域

第一種住居地域で可能な建築物に加えて、ゲームセンター、パチンコ店、カラオケボックス、ボーリング場などの建築が認められている、住居の環境を守るための地域です。特徴としては、第一種住居地域より一層賑やかなイメージがあります

準住居地域

都市計画法で「道路の沿道としての地域の特性にふさわしい業務の利便性増進を図りつつ、これと調和した住宅環境を保護するため」に定められた地域で、簡単に言いますと道路沿いにある住居環境を守るための地域になります。住居系の用途地域の中でも制限が特に緩やかで、小規模な自動車修理工場や倉庫・車庫、劇場や映画館などの建築が認められています。特徴としては、国道や幹線道路が近くにあるため、住宅街というイメージは少なく、一戸建てよりもマンションが多い印象です

田園住居地域

「農業の利便の推進を図りつつ、良好な低層住宅の環境を保護する地域」という目的で、2019年4月に新たに追加された用途地域です

追加された理由は、将来都市部の農地の多くが住宅地となる可能性が高くなったからと言われています。建物などの制限は、前述の第一種低層住居専用地域と同様に比較的制限が厳しいです。特徴としては農地と住宅地の性格を併せ持った長閑な地域と言えます

商業系の2地域

近隣商業地域

近隣の住民が日用品などの買い物をするための地域で、生活面や商業面の利便性を重視・増進する目的があります。スーパーや飲食店などの商業施設や商店街などが多く立地しており、条件付きで床面積150平方メートルまででしたら工場の建築も認められています。特徴としては、一戸建てやマンション・アパートなども比較的多く見られますが、人や車の往来が多いため騒々しく、静かな場所で暮らしたい方には不向きな地域と言えるでしょう

商業地域

都市計画法で「主として商業、その他業務の利便性を増進するため」に定めた地域で、近隣商業地域よりさらに建築制限が緩和され、百貨店など大きな商業施設が集まり、その他にもオフィスビルやタワーマンションなどが立ち並んでいます。特徴として、ターミナル駅などの周辺地域が指定されることが多く、いわゆる「繁華街」と言われるエリアで、住環境よりも通勤・買い物などの利便性を重視される方に向いているエリアです

工業系の3地域

準工業地域

主に危険性や環境悪化などの影響が大きい工場を除いた工場や商業施設が建築可能な地域で、マンションなどの住居や学校などの教育施設、病院等も建てられます。特徴としては、町工場が多く集まるエリアというイメージで、工場の騒音さえ気にならなければ、商店も多く点在するため、住環境としての利便性は優れていると言えます

工業地域

都市計画法において、工業の利便性を増進する目的で定められているため、ほぼ全ての工場が建築できる地域です。工場が多いエリアではありますが、住居や商店の建築は可能です。ただし、教育施設や病院などは建てることが認められておりません。特徴としては、工場が主体のエリアであるため、居住を検討される方には、危険性や環境悪化が懸念される工場など事前に周辺環境のチェックをお勧めします

工業専用地域

工場のための専用地域であり、13の用途地域の中で唯一、住居を建てることが認められていません。もちろん、店舗・学校・病院等の施設も建築はできません。特徴としては、大規模な工場やコンビナートなどがある工業地帯のイメージです

以上のように、購入を検討されている物件の用途地域やその特性を知ることで、将来その周辺がどう変わっていくのか、住んでからの暮らしが見えやすくなるかと思われます。

もし、気になる物件の用途地域やそのエリアの都市計画を知りたい場合は、各自治体の窓口や自治体が運営するホームページで調べることができますので、確認してみましょう。

3.知っておきたい立地によるその他の制限

その他の地域地区

前述でも紹介した通り、「市街化区域」には、各地域の特性により土地をどのように利用し整備・計画・開発すべきかなどを定めた「地域地区」が「用途地域」を含め21種類あります。

風致地区」や「歴史的風土特別保存地区」も地域地区の一つであり、自然的景観や歴史的景観を維持するために、建築物の建設・意匠等の制限や、自治体への届出・許可等による規制が設けられています(詳しくは各自治体のホームページ等を参照ください)。

土地の現況

また、一戸建てや注文住宅等で土地の購入を検討されている方には、「土地の現況」について特に注意が必要です。マンションの場合は、条例に従って建築許可がおり、既に建築基準法に則って建築されている場合が多いため稀なケースになります。

接道義務

接道義務とは、建築基準法の規定により建築物の敷地(土地)が、原則として幅員4メートル以上の建築基準法上の道路に、2メートル以上接しなければならないとする義務を指し、この接道義務に準じていない場合は、建物が建てられないことや、建てられたとしてもセットバック(接道している道路の幅員を4メートル以上にするために境界線から一定の面積後退させること)の必要があり、敷地面積が削られる可能性があります。

例えば、下町などの昔の街並みが残るエリアに建てられた古家を購入し、再建築しようとしたところ接道義務が満たされておらず建築許可が下りないなどよくあるケースです。

不整形地

不整形地とは、土地の形状がいびつなものや土地の一部または全体が傾斜しているものを指します。形状で言いますと三角形のものや極端に細長いなど色々とありますが、その形状が旗竿に似ていることから「旗竿地・旗竿状地・敷地延長・敷延」などと呼ばれる土地が有名です。これら不整形地は、整形のとれた土地や平らな土地に比べて評価額が低くなる傾向にあるため手を出しがちですが、前述の接道義務を満たしていない場合や、敷地内に傾斜があるため建物の基礎工事に費用がかかってしまうケースなどもありますので注意が必要です。

崖・地盤

また、崖の上や下の土地に建物を建築するときなども気をつけたいポイントです。通称「がけ条例」(各都道府県や自治体によって正式名称は異なる)によって、それぞれの地域において建築制限が設けられています。

さらに現地を見に行っても目には見えない部分にも念のため気をつけておきたいことがあります。それは「地盤」です。地盤が軟弱ですと建物の構造自体が優れていても、建物が沈下したり傾いてしまい大きな被害が出てしまいます。自治体によっては、過去の液状化現象などの災害履歴をホームページ上で閲覧できるケースもありますので、あらかじめ調べておくことをおすすめします。それでも心配な方は、費用や状況によりますが専門業者に地盤調査を依頼することも可能です。

4.一度足を運んだだけではわからない「周辺環境」について

時間の経過によるものや、天候や災害による環境の変化は、一度現地に足を運んだだけでは分かりづらいポイントです。

例えば、騒音・交通量・商業施設の営業時間による変化などが挙げられます。

具体的に言うと、騒音は幹線道路や鉄道、パチンコ店やカラオケ店等の近くに立地している物件であれば、見学の際に気付くかもしれませんが、夜間営業の施設(スナックやライブハウス、風俗店など)が近くにある場合には、気付かない可能性も考えられます。

交通量で言いますと、ある特定の時間帯だけ交通量が増え交通事故が多発する場所も存在しますし、自動車だけでなく人や自転車の往来が特定の時間帯や観光地など曜日によって増えるケースもあります。

商業施設の営業時間による人の往来や騒音の変化についても、昼夜の違いだけでなく休日に見学に赴いた際は、たまたまお店が休業日であったり営業時間が平日の日中のみの場合などは気づかないこともあります。

また、治安の面に関しても心配な点はあります。自治体によっては犯罪マップなどをホームページ上で公開していますが、それだけではわからない点も多いはずです。

休日や平日、午前と午後とでは環境の印象は異なることが考えられます。物件の見学などは家族連れで休日に赴くことが多いかと思われますが、購入を検討される物件であれば面倒でも可能な限り曜日や時間帯を分けて何度か足を運び、周辺環境をチェックすることをおすすめします。

天候や災害による環境の変化に関しては、災害時の被害リスクを抑えるためにも事前に国や自治体の「ハザードマップ」で事前に確認しておくことが大切です

5.まとめ

立地や環境は、マイホームを購入する際に非常に重要な要素になります。なぜなら、購入時に売却の可能性を想定することは難しいかもしれませんが、将来住み替えをする場合など売却査定や売却額に大きく影響を及ぼします。

物件を購入してからでは用途地域や周辺環境を変更することはできませんので、今回ご紹介させていただいた点を参考にしていただきながら、マイホーム購入を検討されてはいかがでしょう。

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