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期間短縮型・返済額軽減型どちらがお得?住宅ローンの繰り上げ返済

執筆者:Redia編集部 Redia編集部

住宅ローンの返済中に「繰り上げ返済したい」と考えることもあるでしょう。

繰り上げ返済には、2種類の方法があります。

本記事では、「期間短縮型」と「返済額軽減型」という2種類の返済方法の違いを解説。

どの方法が最終的に得なのか、シミュレーションを交えて説明します。

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1.住宅ローンの繰り上げ返済とは

通常、住宅ローンは「約定返済」と呼ばれる方法で、金融機関から借り入れた元金と利息を期限までに返済します。

年2回のボーナス返済も「約定返済」に含まれます。

一方で「繰り上げ返済」とは、元金部分の一部(または全部)を繰り上げて返済することで、返済期間の短縮や返済額の軽減を図るものです。

手数料はかかりますが、支払う予定だった元本部分の金利を支払わずに済むため、最終的な総支払額が少なくなるメリットもあります。

金融機関やローンの契約内容によって、1回の最低返済額や手数料が変わってきます。

また、インターネットで繰り上げ返済を行えば、手数料は無料になるケースも少なくありません。

2.期間短縮型・返済額軽減型について

住宅ローンの繰り上げ返済方法には「期間短縮型」「返済額軽減型」の2種類があります。

この2つの違いとメリット・デメリットを見ていきましょう。

1)返済額軽減型

以下は「返済額軽減型」のイメージ図となります。

返済額軽減型とは、返済期間は変えずに毎回の返済額を少なくする繰り上げ返済方法です。

例えば、以下の条件でローンを借り入れた場合、返済額は毎月10.4万円となります。

・借入額 3,000万円
・返済期間 30年
・固定金利 1.5%
・元利均等返済

返済額軽減型で100万円を繰り上げ返済に充てた場合、毎月の返済額は10.1万円となり、返済額を毎月約3,000円抑えることができます。

子供が成長すれば、塾や進学費用がかかります。

「子供の教育にお金がかかるから、少しでも家計の負担を減らしたい」という場合や、「返済期間を短くするよりも毎月の返済額を減らしたい」という考えの方には、返済額軽減型がおすすめです。

なお、変動金利型のローンの場合、金利水準によっては必ずしも返済額が少なくなるとは限らないので注意が必要です。

2)期間短縮型

毎月の返済額は変えずに、返済期間を短縮する方法を「期間短縮型」と言います。

・借入額 3,000万円
・返済期間 30年
・固定金利 1.5%
・元利均等返済

返済額軽減型の場合と同じ上の条件で、100万円を繰り上げ返済に充てた場合、返済期間は約9か月短縮されます。

返済額軽減型よりも、期間短縮型の方が利息の軽減効果が高いです。

繰り上げ返済を行うタイミングや、繰り上げ返済額などの条件によって、2倍以上の差が出ることもあります。

さらに、期間短縮型は「ローン返済のプレッシャーから早く解放される」というメリットも。

返済額軽減型と違い、繰り上げ返済の恩恵を感じるのはローン完済後となりますが、十分な金利軽減効果が期待できるでしょう。

3)繰り上げ返済するなら、最終的にどっちがお得?

繰り上げ返済には、「返済額軽減型」と「期間短縮型」があり、それぞれの特徴とメリットを説明しました。

実際、どちらが得なのかは、判断しにくい部分もあるでしょう。

そこで、2つの繰り上げ返済の方法の違いを把握するため、東京都内で中古マンションを購入した場合を想定。

具体的な数字を用いて、返済総額についてシミュレーションを3パターン行ってみましょう。

<住宅ローンの条件>
・借入額 7,000万円
・返済期間 35年
・ボーナス返済 なし
・変動金利 0.35%(変動はないものと仮定)
・元利均等返済
・25年後に500万円の繰り上げ返済
・2024年2月から返済スタート

繰り上げ返済をしない

完済予定日 2059年1月
毎月の返済額 17万8,000円
返済総額 7,439万円

返済額軽減型で繰り上げ返済

完済予定日 2059年1月
毎月の返済額 13万5,000円(2049年2月~)
返済総額 7,430万円(-8.9万円)

期間短縮型で繰り上げ返済

完済予定日 2056年8月(-2年5か月)
毎月の返済額 17万8,000円
返済総額 7,423万円(-15.7万円)

シミュレーションの結果、同時期に同額の繰り上げ返済をする場合、期間短縮型で繰り上げ返済をした方が総返済額は低くなることが分かりました。

総返済額を低くするという点から考えれば、期間短縮型の繰り上げ返済の方が利息の軽減効果が大きく、よりお得であると言えるでしょう。

3.繰り上げ返済の金額・手数料と注意点

繰り上げ返済を行う前に、返済できる金額や手数料、注意点を確認してみましょう。

金融機関やローンの種類により、返済可能な金額や手数料は異なります。

政府系金融機関の住宅金融支援機構やネット銀行・メガバンクで利用数の多いローンを例に挙げてご紹介しましょう。

1)繰り上げ返済の返済可能金額・手数料

繰り上げ返済は、基本的に手数料がかかります。

しかし、金融機関やローンの種類によっては無料になる場合も。

住宅金融支援機構では、全額を繰り上げて返済する場合に手数料がかかりません。

民間のネット銀行では、ローンの種類にもよりますが、一部繰り上げ返済が1万円以上から可能で、手数料がかからないというケースも存在します。

メガバンクの中には、繰り上げ返済の受付方法をインターネット・電話・窓口対応から選ぶことができ、受付方法で手数料が変わる金融機関もあります。

全額繰り上げ返済が可能な金融機関が多いですが、返済額に上限が設けられている場合も。

ボーナス返済を利用している人が期間短縮型の繰り上げ返済をする場合、ボーナス返済月が変動しないようにボーナス払いも含めた6か月単位での入金が必要になります。

 

一部を繰り上げ返済する場合、「窓口」で手続きをする方法と「インターネット」で手続きをする方法の2つがあります。

繰り上げ返済できる金額は、窓口が100万円以上インターネットが10万円以上です。

いずれも手数料はかかりません。

インターネットで申し込むと無料、電話では数千円、窓口では数万円といったように、手数料に差が付けられています。

繰り上げ返済を検討している場合は、手数料・返済可能金額、ローンを組んでいる金融機関のホームページを確認するか、担当者に尋ねてみることをおすすめします。

2)繰り上げ返済の注意点

住宅ローンの繰り上げ返済は、返済額が大きく、早いタイミングの方が金利の軽減効果が高くなり、総返済額が少なくなります。

残債額や実行時期によっては、条件変更を行う方がローン契約者にとって良いケースも存在します。

例えば、毎月払いからボーナス併用払いへ、ゆとり返済から通常返済へ、元利均等返済から元金均等返済等の変更を行うことによって、ローンの総返済額を減らすことができます。

 

毎月の負担を減らしたい場合は、金融機関の担当者に相談するのがおすすめです。

繰り上げ返済を行う際は、手数料や金利の変動リスクなども考慮し、金融機関の担当者と相談の上で決定しましょう。

第三者であるファイナンシャルプランナーに相談してみることもおすすめです。

4.繰り上げ返済はシミュレーションを行うべし

住宅ローンの繰り上げ返済の2つの方法をご紹介しました。

期間短縮型の方が利息の軽減効果は高く、総返済額が少なくなります。

ただし、毎月の返済額を減らしたい方は、返済額軽減型を選んだ方が良いでしょう。

ローンの残債や繰り上げ返済を行うタイミングによっては、他の方法が良いケースもあります。

金融機関の担当者やファイナンシャルプランナーと、手数料や返済可能金額でシミュレーションを行った上で、繰り上げ返済を行いましょう。

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