【事例つき】ワンルームマンション投資専門会社が教えるワンルーム投資のリスク7選!危険性や対策について解説
「ワンルームマンション投資は、損をする」という噂を耳にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。
実際、ワンルームマンション投資とは利益を出しにくく、損をしてしまうものなのでしょうか。
今回はワンルームマンション投資のリスクや危険性について解説していくと同時に、損をしないワンルームマンション投資についてもご紹介していきます。
1.ワンルームマンション投資が危険といわれる7つのリスク
ワンルームマンション投資は、必ずしも損をするわけではありません。
では、なぜワンルームマンション投資は損をしやすいと言われるのでしょうか。
その背景には、以下のような事情があると考えられます。
1)資産価値の下落によって損をする
先述した通り、ワンルームマンション投資はアパートなどと比べると投資額が低い傾向にあります。
ですが、立地条件の良い新築物件においては、ワンルームマンションであってもその価格は決して低くはありません。
建築にかかった費用の他に、宣伝広告費や販売に携わる人件費などが上乗せされているためです。
しかし、中古マンションとして取引する際には、新築時に上乗せされていたこれらの費用が考慮されることはなく、あくまで「収益性」で判断されます。
従って、新築マンションは、中古マンションと比較して価値下落率が大きい傾向にあるのです。
不動産は立地がすべてと思う人こそ中古マンション購入が最適解である理由
また、新築物件だからと言って周辺の相場に比べて極端に高い家賃を設定すると、入居者の獲得が困難になります。
そのため、新築ワンルームマンションを購入してしまうと、家賃収入で物件費用や維持費用をカバーしようとしても難しくなってしまうという現実があります。
ワンルームマンションの空室対策を知りたいという方は、以下の記事をご参照ください。
ワンルームマンションの空室率は他投資に比べて高い?1R投資を始める前に読むべき空室対策5選
2)空室が長期化する可能性がある
反対に、物件価格が安いという理由で、お買い得な物件だと考えて安易に飛びつく方がいます。
安い理由として代表的なのは、立地条件が悪いからです。
物件価格が安ければ初期投資の費用を抑えることができますが、ワンルームマンションに住む人の多くは、大学生や新社会人など若年層のため、通勤や通学に不便な立地の物件は敬遠される傾向にあります。
また、若年層は最新の設備に魅力を感じやすい傾向にあります。設備の古さが目立つと、需要を下げる大きな要因にもなってしまいかねません。
したがって、安い物件を購入できたとしても入居者を獲得することができなければ、そのワンルーム投資は損となるのです。
3)キャッシュフローの悪化で現金がなくなる
不動産投資は、投資を開始してすぐに大きな利益を得られるものではありません。
長期的に投資を行い、長期間にわたって安定した収益を得る投資です。
マンションなどの建物は時間の経過とともに老朽化し、その資産価値は低下していきます。
そのため、ワンルームマンション投資をスタートさせた際に設定した家賃を、ローン完済時まで維持できるとは限りません。
経年劣化による資産価値の低下も念頭に置きながら、収支のシミュレーションを行っていないと、当初の計画通りに進まずに損をしてしまいます。
また、収支状況が悪いと、手元の現金が目減りするリスクがあります。
経営上、黒字であったとしても、キャッシュフローがマイナスになることもあります。
キャッシュフローが悪化すると、設備の故障や空室の長期化など不測の事態が起きたときにも対応する元手が限られてしまうため、さらに自己資金を切り崩さなければならないことにもなりかねません。
4)修繕金が高くなりマイナス収支になる
安価に売られているワンルームマンションには注意が必要です。ワンルームマンションの取引価格は基本的に収益性で決まるため、想定利回りや周辺の相場と比べて安く売られているからには、なんらかの理由があります。
中でも、修繕積立金や管理費の値上げ、大規模修繕を前にした一時金の徴収が予定されているからこそ安価に販売されているケースは少なくありません。
安価なワンルームを購入して失敗しないポイントについては、以下の記事を参照ください。
500万円以下の格安ワンルームを現金一括購入で失敗しないポイント3選
5)入居期間が短く経費負担が大きい
先のとおり、ワンルームマンションに住む人の多くは大学生や新社会人などの若年層です。
若い人は短期的にライフスタイルや好みが変わりやすいため、入居期間が短い傾向にあります。
入居者の入れ替わりが多いことは、家主にとって望ましいものではありません。
どうしても入居者が変わるタイミングで空室期間は発生してしまうものであり、入居者募集には少なからず手間や費用がかかるからです。
6)出口戦略が限られる
投資用ワンルームマンションは、多くの場合、投資用ワンルームマンションとしてしか売ることができません。
どういうことかというと、ファミリー向けマンションのように自己居住用として販売することはできず、戸建のように土地として販売することもできず、出口戦略が非常に限定的だということです。
用途や対象を変えて販売できるということは、リスクヘッジにもなります。
限られた対象者にしか販売できないワンルームマンションは、売り時を間違えると損失が大きくなるおそれがあります。
投資用不動産の売り時について詳しく知りたい方は、以下の記事をご参照ください。
投資用不動産はいつ売るべき?売却の判断基準と注意点
7)物件管理に時間と手間がかかる
ワンルームマンションは、アパートや一棟マンションのように複数世帯を一括で管理できる投資物件ではありません。
見方を変えれば、区分マンションのため建物の管理等は管理組合が請け負ってくれますが、居室内の設備の故障や不具合は、オーナーが対処しなければなりません。
これはファミリータイプの区分マンションにもいえることですが、賃料が安価であることと管理の手間・時間を考えると、効率は悪いと言わざるを得ません。
2.ワンルームマンション投資で損をした事例
1.新築ワンルームを購入後、資産価値の下落や賃料低下によって収支が悪化
【購入した物件】
・東京都の新築ワンルームマンション
・購入時の価格:2,000万円
・取得年月日:2015年
・利回り:5%
・自己資金比率:25%
・金利:2.0%
・返済期間:35年
・年間手取り額:34,464円
副収入を得ることを目的に新築のワンルームマンションを購入して不動産投資を始めたTさん。ランニングコストやローン返済により手残りはほとんど出なかったものの、次のような理由から新築にこだわったといいます。
- 高い賃貸需要が見込める
- 少ない自己資金で購入できる
- 金利も低め
- 長期のローンが組める
投資開始から数年間は空室になることはなく、当初のシミュレーション通りの収支で推移していきました。
とはいえ、毎月の利益は数千円程度。それでも「最終的には自分の資産になるのだから」と言い聞かせ、投資を継続。
しかし、5年を過ぎたあたりから徐々に空室が目立ち始め、家賃を下げざるを得ない状況に陥ってしまいました。
賃料を1万円下げたところ入居者が決まりましたが、その分、月々の収支はマイナスに。
「資産価値があるうちに手放そう」と思ったTさんは不動産会社に査定を依頼しますが、入居者がいるとはいえ直近の空室率が高く、賃料も下がったことから、思ったような金額で売れないことが発覚し、所有を続けるも、どんどん赤字が積み上がっていってしまいました。
ワンルームマンション投資の成功率が高いのは新築と中古のどっち?成功事例で解説
2.築古を買ったものの賃料に対して修繕費の支出が多く、キャッシュフローがマイナスに
【購入した物件】
・北海道の築30年のワンルームマンション
・購入時の価格:1,000万円
・取得年月日:2017年
・利回り:6.0 %
・自己資金比率:80%
・金利:3.2%
・返済期間:5年
・年間手取り額:16,609円
老後を見据え、北海道の安価なワンルームを購入し、不動産投資を始めたKさん。築古だったため、自己資金比率を多く入れたにもかかわらず高い金利の融資しか引けませんでした。
「それでも返済期間5年頑張れば自分のものになる!」と、手残りが少ないながらも前向きに投資を始めましたが、購入直後の管理組合総会で修繕積立金が不足していることが発覚。
築30年ともなれば、すでに2回は大規模修繕を実施しているのが一般的にもかかわらず、2度目の大規模修繕すらできない状況だといいます。
管理組合は、2度目の大規模修繕に向け、各世帯に100万円の一時金を請求。マンションの購入で預貯金は使い果たしてしまったKさんは支払うことができず、滞納者になってしまいました。こうなってしまうと、売ろうにも売れません。
投資のほうはというと、年間の収支のわずかにプラスだったものの一時金に届くまでには程遠い金額で、Kさんは身動きが取れなくなってしまいました。
3.出口戦略で失敗した事例
【購入した物件】
・広島県の築10年のワンルームマンション
・購入時の価格:1,600万円
・取得年月日:2002年
・利回り:5.6%
・自己資金比率:50%
・金利:2.6%
・返済期間:20年
・年間手取り額:161,692円
第二の年金とする目的で広島県のワンルームマンションを購入したWさん。月々1万円程度の収入でしたが、相続対策にもなると所有を続けていました。
購入したエリアは再開発により、地価が高騰。購入後3年目に査定してみたところ、価格は2,200万円と500万円以上も値上がりしていました。
しかし、所有期間5年以下の税率は高いと知り、そのまま所有を続けることに。
時を経て、所有期間が6年目を迎えたときにリーマンショックが発生。
賃料を下げなければ入居者も入らなくなり、自身も年を重ねたことにより管理が手間になっていたため売却を検討したところ、周辺の大企業が立ち退いた影響もあり価格は1,200万円にまで下がっていました。
元々、借入額は800万円であったことからローン残債以上で売ることはできたものの、売却益が出たときに売らなかったことが悔やまれます。
3.ワンルームマンション投資は得か損か?
ここまでワンルームマンションのリスクや失敗例ばかり挙げてきましたが、投資方法と計画さえ誤らなければ、ワンルームマンション投資で成功することも可能です。
大切なのは、リスクを想定すること。今回挙げた7つのリスクを想定したうえでシミュレーションし、物件を選べば、利益は大きくなくても堅実な投資ができます。
加えて大切なのは、購入時・運用時のパートナーとなる不動産会社選びです。
自社の利益のために、物件の良いところや良く見える条件下でのシミュレーション結果を提示してくる不動産会社は、信用に値しません。
とはいえ、一般の方には、不動産会社が本音で言っているのか、建前で言っているのか判断することは難しいといえます。
従って、投資マンションを選ぶ際には、複数の不動産会社に相談することが大切です。
セカンドオピニオンを求めるつもりで、物件の将来性やシミュレーションの現実味についての見解を求めてみましょう。
不動産投資で成功する人・失敗する人には、特徴もあります。まずは投資に先立って持つべき心構えや注意点を知りたいという方は、以下の記事をご参照ください。
【経験談あり】不動産投資で「成功する人」「失敗する人」決定的な違いや特徴とは?
4.ワンルームマンション投資するなら新築と中古どっち?
結論から言うと、ワンルームマンション投資は築浅の中古マンションへの投資がお勧めです。
ワンルームマンション投資で損をしてしまう理由として、高い物件を購入してしまうことが一因となることをご紹介しました。
新築物件はさまざまな経費が上乗せされて販売されているため、立地や設備などの条件を踏まえても高額な価格に設定されています。
そのため、新築マンションを購入してしまうと、家賃収入で物件購入費用や管理費用などを補填することは困難に。
結果としてワンルームマンション投資で損をする可能性が高くなってしまいます。
少ない自己資金でも投資をスタートできる、ワンルームマンション投資のメリットを活かすためにも、立地条件の良い築浅の中古マンションを取得し、投資を始めることをお勧めします。
まとめ
ワンルームマンション投資で損をするという噂は、本当でもあり、ウソでもあります。
ワンルームマンション投資を行う際には、リスクに関する理解が不可欠です。
そのうえで、立地条件の良いエリアに建つ適正な価格のマンションを選定し、損をする事態を回避しましょう。
ワンルームマンション投資を検討している場合には、築浅の中古マンション投資からのスタートをお勧めします。