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レントロールの意味や見方を解説!戸建てとマンションで記載項目は違うのか?

執筆者:棚田 健大郎 棚田 健大郎

「レントロール」をご存じでしょうか。

レントロールは、不動産投資を行ううえで欠かせない資料ですが、見方がわからないという方も大勢いらっしゃいます。

今回は、レントロールとは何か、レントロールを見る際のポイントなどについて解説していきたいと思います。

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1.レントロールとは

レントロール

家賃をはじめとした物件の賃貸借条件を一覧表にしたもの。何号室に何円の家賃で入居者がいるかを知ることができる。

レントロールは、「家賃明細表」とも呼ばれており、賃貸不動産の収益を見極めるうえで重要な資料です。

主に不動産管理会社やオーナーが作成して所持しているため、購入を検討している物件がある場合は必ず請求するようにしましょう。

ただし、全ての物件にレントロールが存在するわけではなく、作成されていない物件もあるため、その場合は物件購入のための参考材料が減るわけですから、慎重に考えるべきでしょう。

2.レントロールに記載されている項目

レントロールの形式にはこれといった決まりはないため、作成した不動産会社やオーナーによって書式や内容に多少の違いがありますが、記載されている主な項目はほぼ共通しています。

多くのレントロールに記載されている基本事項には以下のものがあります。

1)号室

101、201など号室の記載

4の付く数字は不吉と考えて、104、204などが存在しないアパートやマンションもあるので注意

2)間取り

1DK、2LDKなどの間取り

3)契約者の属性

契約者が法人か個人かの属性

詳しい属性までは記載されていない

4)面積

何平方メートルあるか

坪で記載されている場合も

5)賃料

現在の家賃

空室の場合も募集している賃料が記載されているケースが多い

6)共益費

共用部分の維持や管理のためにかかる費用

7)敷金

敷金の有無や費用

8)用途

住居か、店舗、事務所などかが記載されている

9)契約開始日

入居者が契約を締結した年月日

3.レントロールをチェックする際の注意点

レントロールを見る時に、どこに注視すべきかをご紹介します。

1)空室の賃料(募集賃料)が高すぎないか

空室の部屋が、どのくらいの賃料で募集に出されているのかを確認しましょう。

日当たりなどの関係もあるかとは思いますが、同じ階の同じ間取りの部屋と差がありすぎるようでは適正な募集賃料とはいえません。

満室時の利回りを高く出すために、募集賃料を相場より上げて記載しているケースもあります。

 

このように、レントロールの情報は全てが正しいとは限らず、時には内容を改ざんしているケースまであるため見極めが必要です。

2)入居者の属性はどうなっているか

入居者の属性に「法人」が多い場合は必ずチェックしておくべきことがあります。

それは、どの法人が入居しているかです。

 

同じ法人の入居者が多い場合、その法人が一括して社員寮や社宅として借り上げている場合が少なくありません。

社員寮として借り上げているケースだとしたら、その法人の都合により、同時期に一斉退去の可能性も高くなります。

 

一斉に退去された場合、空室が多くなるうえに、原状回復費も一気にかかってくるため、出費も増加します。

ただ、法人が一括借り上げしている場合は、家賃滞納の心配などが低くなるため一概にデメリットだけともいえないでしょう。

3)家賃がバラついていないか

同じような間取りや面積の部屋が少ないタイプのマンションやアパートであれば、ある程度は仕方のないことかもしれませんが、一番高い家賃の部屋と、一番安い家賃の部屋との差が大きいなど、家賃にバラつきがある場合、高い家賃の部屋の入居者が退去してしまうと、収支へ及ぼす影響が大きくなります。

 

同じ階の同じ間取りや面積で家賃に差がある場合、契約開始日を見ると、家賃が高い部屋は入居時期が早く長年住み続けている方で、家賃が安い部屋は入居してからさほど年数が経っていない方というケースが多いでしょう。

築年数が古くなると、経年劣化などにより、家賃は安くなっていくのでこれもある程度は当然のことだといえますが、家賃の高い部屋の入居者が退去した時、次に入居者を募集するときは、同じ家賃で募集しても入居者は見つかりにくいと考えてください。

 

このように、同じマンションやアパート内で家賃にバラつきが見られる場合、退去により収支が大きく変わってくるので注意が必要となります。

4)敷金の有無はどうか

敷金のない物件だと、敷金ゼロを謳い文句にして、やっとのことで入居者を見つけている物件の可能性があるので、安易に手を出さない方が賢明でしょう。

5)契約開始日はいつか

入居者の契約開始日が直近の数か月に固まっている場合は、その物件を満室に見せるため、不動産会社や大家が、知り合いから名義を借りているだけの可能性があります。

満室の状態の方が、賃料収入が多く、購入者が現れやすいので偽装をするのです。

当然、偽装ですから、売買契約後、入居者はすぐに退去していきます。

 

もし満室の状態の家賃収入を見込んで購入した場合、すぐに数人が退去してしまえば不動産経営は立ち行かなくなるでしょう。

ですから、直近の数か月に契約した入居者が多い場合は要注意なのです。

ただし、2月~3月の引っ越しシーズンであれば、契約者が多くても心配のないことがほとんどです。

4.戸建てとマンションでレントロールの項目に違いはあるのか

以上のようなことから、レントロールは不動産投資用の物件を購入するうえで重要な資料であることがおわかりいただけたかと思います。

また、レントロールは一棟マンション投資を考える際に特に参考になるという印象を受けた方もいらっしゃると思います。

しかし、レントロールは区分マンション投資においても、その物件を購入してやっていけるのかどうかを判断する大きな指針となりますので、レントロールは必ず請求しましょう。

 

戸建てでも同様です。

レントロールがあるかどうか必ず聞いて、ある場合は請求ない場合は警戒が必要です。

ただし、戸建てのレントロールは作成されているケースの方が少ないと考えて良いかと思いますので、ない場合でもそれほど警戒する必要はないでしょう。

まとめ

レントロールはその建物全部屋の家賃などの賃貸借条件が記載されており、投資用の物件を購入する際に必ずチェックしておきたい資料の一つです。

ただし、レントロールだけを見て、「この物件は買いだ」とか「心配だしやめておこう」と判断するのは意味のないことです。

あくまでも、収益の出そうな物件なのかどうか、判断基準の一つとして捉えるべきでしょう。

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