投資用ワンルームマンションが売れない理由は価格設定!適正価格を知るための方法とは
不動産投資で効率よく資産を増やしていくためには、所有しているワンルームマンションを売却した方が良いタイミングがあります。
しかし、売却したいと思ったタイミングでなかかなかマンションが売れず、いつまでも売却できずに投資プランが狂ってしまうケースも少なくありません。
投資用のワンルームマンションがなかなか売れない場合、その多くの理由は価格設定にあります。
売りたい側の価格と買いたい側の価格が釣り合わなければ、どんなに広告活動をしても売却が進まない可能性が高くなるでしょう。
では、マンションの適正価格を知るには、どうすれば良いのでしょうか。
今回は、投資用ワンルームマンションが売れない場合に見直したい適正価格の把握法と売れないマンションを売るための対策について解説します。
1.投資用のワンルームマンションを売るには「価格」を見直すべき
投資用ワンルームマンションが売れない場合に考えられる最も大きな原因は「価格」です。
マンションに限らず、何かモノを買うときは、モノの価値と価格のバランスを判断し、妥当だと思われる価格の商品を購入するでしょう。
中古マンションの半分以上は、売りに出しても売れ残っているというデータがあります。
また、売却できたマンションのほとんどは売主が売りたい価格である売却価格と、実際に取引が成立したときの成約価格に差が小さいことが示されています。
つまり、スムーズに投資用ワンルームマンションを売却したいのであれば、売りたい価格と買主が妥当だと考えている価格との差を埋める必要があるのです。
ワンルームマンションが売却できない場合は、何よりも先に価格設定に問題がないかを検討し、売り出し価格を見直してみましょう。
2.自分の物件の適正価格を知る方法
マンションの売り出し価格を見直す際に、価格を大幅に下げればマンションは売れやすくなるでしょう。
しかし、値下げしすぎれば売却益も圧縮されてしまうため、収支も悪化します。高すぎず、安すぎない、適正な価格で売却するためには、不動産会社への査定依頼が必要です。
不動産情報サイトには、たくさんの中古マンションの情報が掲載されています。
しかし、そこに載っているマンションの販売価格は、売主が売りたい価格である売り出し価格です。
価格が高すぎるために売れ残っているワンルームマンションも掲載されているため、売り出し価格を参考にしても適正価格を導き出すことはできません。
適正価格を知る際に重要となるのは、売り出し価格の相場ではなく、実際に売れた価格である成約価格の相場ですが、成約価格は一般に公開されていません。
唯一、不動産の成約価格を把握しているのが不動産会社なのです。
不動産会社は、不動産会社だけが利用できるネットワークを使って、成約価格を調べることができます。
ワンルームマンションが売却できない場合は、不動産会社に査定を依頼し、成約価格を元にした適正価格を把握するようにしましょう。
【関連記事】不動産の売り出し価格を間違えると危険!売却価格の決め方の正解とは
3.それ以外の売れない理由5つと対策
ワンルームマンションが売却できない最大の理由は、ご説明してきたように価格が高すぎることです。
しかし、価格を見直してもワンルームマンションが売却できない場合は、次のような理由が考えられます。
投資用ワンルームマンションが売れない場合の5つの理由と対策をご紹介します。
1)購入希望者のニーズと合っていない
売りたいマンションが購入希望者の希望と合致していない場合、売却活動が難航してしまいます。
投資用マンションは多くの場合、次の購入希望者も投資目的であることが多いです。
まずターゲットが「不動産投資家」であることをおさえておきましょう。
購入の目的が投資用と居住用では、購入希望者が求めるものが異なります。
例えば居住用の場合、住みやすさや利便性、住宅ローンの契約や控除要件に該当するか否かなどが購入のポイントとなります。
しかし、投資用マンションで重視されるポイントは、収益物件として重要な利回りや資産価値です。
また、融資を使って物件を購入する際、物件の売り出し価格が金融機関の評価額よりも高い場合は、融資を受けられまません。
投資用ワンルームマンションを売却する際のターゲットは、投資家になることを忘れないようにしましょう。
さらに近年海外の投資家が増えており、2020年1~9月の東京圏への不動産投資額は海外の投資家のマネー流入により世界の都市でトップとなりました。
今後の不動産投資市場では、「海外投資家の増加」が重要なポイントとなります。
以下は国土交通省が行った2018年「海外投資家アンケート調査」で、日本の不動産市場に対する評価と他の地域との優劣評価のDIをグラフ化したものです。
日本は不動産市場の規模や市場規模の拡大性、平均的な利回りなどいずれも他の地域を上回り高い評価を受けています。
なお海外投資家の目標運用利回りは以下の通り、3%超~5%以下が最も多い結果となっています。
投資用と居住用では購入希望者がマンションに求めるものが違う事、近年の日本の不動産市場は海外投資家から人気があり、目標利回りは3~5%であることを把握しておきましょう。
2)築年数が古い
マンションの需要は築年数の経過と共に落ちていく傾向があります。
東日本不動産流通機構(レインズ)が提供する「築年数から見た首都圏の不動産流通市場2020年」によると、中古マンションの売買成約率が高い物件は築25年以下となっています。
築30年を超えた物件は需要が低いため成約率は下がりますが、エリアによってはスムーズに売却できることもあります。
築年数が古い物件を売却するポイントは「適切な売り出し価格を設定する」ことです。
複数の不動産会社に査定を依頼、比較した上で売却価格の相場を把握し、売り出し価格を決定しましょう。
3)売却のタイミングが合わない
不動産は年間のうち、3月・9月に市場が活発化すると言われています。
逆にお盆時期などには流通量が少ない傾向にあり、タイミングによって売却価格が異なるケースもあります。
3月・9月に広告を出す、売却活動を活発化することで購入希望者が現れることがあります。
4)近隣の競合物件との関係
近傍同種の物件が自身のマンションより安い価格で売り出している場合には「競合物件に価格で負けている」状態です。
ポータルサイトなどで競合物件の売り出し価格をチェックしておきましょう。
また同じマンションで売り出している部屋が、角部屋や最上階などの場合は人気があり、売却で有利となる可能性が高いです。
自身の部屋に有利な部分が無い場合には、人気がある条件の部屋より価格を下げることを検討しましょう。
5)広告が十分でない
不動産売却のポイントの1つとして「広告」があります。
広告で多くの人の目に留まる事で物件が売却できる確率は上がります。
広告は適切なアピールポイントを掲載する必要があります。
上記の通り利回りや資産価値に加え、他の物件と差別化できる部分を具体的にアピールしましょう。
例えばリフォーム済みの場合には「○年に××のリフォーム実施済」、利便性の高い物件は「駅から▲分、○○駅まで◇分で乗り換え無し」など具体的に記載する事で購入希望者の印象が異なります。
2.ワンルームマンション売却時2つの注意点
ワンルームマンションを売却する際には、以下2つのことに注意しましょう。
①ローン残債と売却価格の相場を比較
②所有時期によって税金が異なる
1)ローンの残債と売却価格の相場を比較
ワンルームマンションを売却する前には、ローンの残債と売却価格の相場を比較してみましょう。
売却価格の相場は、複数の不動産会社に一括査定を依頼し、比較することで把握できます。
ローンの残債は、残高証明書を閲覧するか、金融機関や不動産会社に尋ねてみましょう。
「ローンの残債<売却価格の相場」のときを「アンダーローン」と言い、反対に「ローンの残債>売却価格の相場」のときを「オーバーローン」と言います。
オーバーローンの状態は物件に資産としての価値がなく、売却後も返済が続き、資金が持ち出しになってしまいます。
このような状況では売却もしづらいため、できればアンダーローン状態で売却すると良いでしょう。
不動産投資を成功させるためには、投資をスタートするときから、物件取得時にかかる初期費用を踏まえて出口戦略を見据えたシミュレーションをしておくことが大切です。不動産投資ローンとワンルームマンション投資の出口戦略について詳しく解説した次の記事もぜひご一読ください。
【関連記事】不動産投資ローンの諸経費は審査基準と借り方で変わる【実例まとめ】
2)所有時期によって税金が違う
マンションを売却して利益を得ると「譲渡所得」が発生し、税金の納付義務が生じます。
譲渡所得は物件の所有年数が5年を超えるか否かによって「短期譲渡所得」と「長期譲渡所得」に分かれ、長期譲渡所得は短期譲渡所得より税率が約2分の1低くなっています。
【関連記事】長期譲渡所得と短期譲渡所得とは?不動産投資で活用できる特例制度も
マンションの所有期間が5年前後の方は注意しましょう。
5.対策をしてもマンションが売れない場合は?
周辺環境の問題や駅から遠い場所など、何らかの問題があり、上にご紹介したような対策をしても所有するワンルームマンションが売れない場合もあるでしょう。
そのような場合は、不動産買取業者の利用をおすすめします。不動産買取業者とは、ワンルームマンションなどを所有者から買い取り、その物件にリフォームやリノベーションを施し、付加価値を与えたうえで再販する業者です。
不動産買取業者の場合、売却額は多少低くなりますが、売却しにくい物件でも買い取ってもらえる可能性が高くなります。
ランドネットでも、ワンルームマンションをはじめとした不動産の買い取りを行っています。
弊社では、他社が買い取りを拒否するような難しい物件の買い取りも可能です。
日本全国、どこの物件でも対応が可能ですので、所有するマンションがなかなか売れずに悩まれている場合はお気軽にご相談ください。
詳しくは、ランドネットの不動産売却をご覧ください。
まとめ
ワンルームマンションが売れない最大の理由は、価格設定です。売主はできるだけ高い価格で売却したいと考えますが、投資用ワンルームマンションの買い手も不動産投資家です。
収益物件としての価値と価格が見合わなければ、銀行から融資を受けることもできないため、いつまで経っても買い手はつかないでしょう。
ワンルームマンションを売却したいのであれば、不動産会社に査定を依頼し、成約価格を元にした適正価格を知ることが大切です。
また、価格の見直しをしても未だワンルームマンションが売れない場合は売れない理由を探り、徹底した対策を行いましょう。
考え得る対策を講じたけれども売却できないという場合には、最終手段として不動産買取会社への買取依頼をおすすめします。