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【住宅ローン】がん団信加入は必要か?メリット・デメリットを解説

執筆者:棚田 健大郎 棚田 健大郎

住宅ローンを組む際、がん団信に加入する必要があるのかどうか悩む方も多いでしょう。
そこで今回は、がん団信について詳しく解説し、加入するメリットやデメリットも具体的に見ていきたいと思います。

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1.団信とは

がん団信について解説する前に、まずは通常の団信について知っておく必要があります。

団体信用生命保険(略称:団信)とは

団信とは、正式名称を「団体信用生命保険」のことで、ローン契約者が死亡してしまったり、働くことが出来ないほどの障害(高度障害)を負ってしまったりなどした場合、ローンの残債の支払いを保険会社が負担してくれる保険のこと。

(以下、団体信用生命保険を「団信」とします)

 

住宅ローンの多くは、団信への加入が義務付けられています。

加入した場合は、ローンの返済とは別に保険料がかかります。

その分、毎月の支払額が割高になってしまいますが、加入者に万一のことがあった場合でも、残された家族に残債を負わせることなくマイホームを残すことが出来ます。

>>押さえておきたい「不動産投資は生命保険の代わりになる?「団体信用生命保険」とは

2.がん団信とは

がん団信は、「がん保障特約付団信」、「がん診断特約付団信」などが正式名称です。

団信にがん特約を付けたものです。

通常の団信では、前述したように契約者の死亡や高度障害でローンを肩代わりしてもらえますが、がん団信はそれに付け加え、契約者が特定のがんと診断確定された場合にもローンの返済が免除されます。

3.がん団信のメリット

1)治療に専念出来る

がんを患ってしまった上に、住宅ローンも支払い続けるとなると、金銭的に非常に厳しい状況に陥るでしょう。

がん団信に加入していれば、免除されたローンの代金を治療費に回すことが出来ますし、「ローンを支払わなくても良い」という事実は、精神的な負担をかなり軽減します。

よって、余計な心配をせずに治療に専念することが可能となります。

仮に、治療の結果がんが完治しても、ローンの支払いを再開する必要はないというのも大きなメリットと言えるでしょう。

2)適用される基準が明確である

がん団信以外にも、特約の付いた団信があります。

代表的なものとしては、がん、急性心筋梗塞、脳卒中の三大疾病の保障が付いたものです。

こちらの三大疾病保障は、例えば「心筋梗塞を起こした」、「脳卒中を起こした」、これだけでは保障が適用されず、60日以上ある一定の症状が継続しているという医師の診断が必要になります。

その点、がん団信は、契約者ががんと診断確定された時点で保障が適用され、ローンが免除になります。

適用される基準が極めて明確でわかりやすいですね。

4.がん団信のデメリットと注意点

1)月々の支払額が高くなる

がん団信は、通常の団信に付ける特約なため、保障の範囲が広がり、月々の保険料はどうしても割高になります。

通常の団信と比較して、総額でどのくらい高くなるのかは、ローンを組む金融機関や、借入金額・期間、そして金利や返済方法によって異なるので、各々で計算が必要です。

2)契約中に変更出来ず、また解約出来ない場合がある

がん団信は、住宅ローンを借り入れるタイミングでしか加入できません。

借り入れ時に加入しなかったのに、後から「やはりがん団信に加入したい」と思っても不可能です。

 

途中解約も難しいです。

契約中に「家計への負担が多いのでやめたい」と思っても解約出来ないケースがあります。

金融機関によって解約に関する規約は異なりますので、必ず調べておきましょう。

3)全てのがんに適用されるわけではない

がんといっても、がん団信の保障は全てのがんに適用されるわけではないので注意してください。

金融機関によっても多少異なりますが、上皮内新生物(上皮内がん)はほぼ全社で対象外であると考えてよいでしょう。

上皮内がんの種類には、子宮頚がん0期、大腸粘膜内がん、食道上皮内がんなどがあります。

5.がん団信50とがん団信100の違いとは

金融機関によっては、「がん団信50」と「がん団信100」という特約が用意されています。

多くの場合、がん団信50は無料の特約であり、がんと診断確定された時点でローンの残高が50%になります。

がん団信100が、これまで解説してきた「がん団信」であり、特約のぶん、保険料は割高になりますが、がんと診断確定された時点でローンの支払いは一切なくなります。

 

「50と100、どっちがいいですか?」というご質問をいただくことがありますが、結論、がん団信100をお勧めします。

一家の大黒柱であろう男性は、年齢とともにがんの罹患率は上昇し、特に50代からが顕著です。

この年代は生命保険への加入率も高いですが、生命保険だけではカバーしきれない、住宅ローンの返済部分を補ってくれるのが「がん団信100」です。

50代なら、まだローン返済中であることが予想されますし、お子さんのいる家庭であれば、教育費も必要かもしれません。

家族構成やライフプランにもよりますが、金銭的に無理なく支払えるようであれば、「もしも」に備えてがん団信100を選択すると良いでしょう。

まとめ

がん団信は、通常の団信に付ける特約であり、契約者ががんと診断確定された時点で住宅ローンの返済が免除されます。

しかし、手厚い保障の分、月々の支払いの負担は増えますので、がん団信への加入が必要かどうかは、余裕を持って返済できるかや、ローンの支払い年数や総額、加入時の年齢、家族の有無などを考慮して決めるのが良いでしょう。

ただ、いくら金額に関するシミュレーションを行っても、がんに罹患してしまうかどうかは誰にもわからないことであり、「万が一」を想定して安心するためにも、家計に余裕があるようであれば、がん団信への加入を検討するべきかと思います。

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