マンション経営の今後は?安定して稼ぐために知っておくべき4つの指標
時間の流れとともに流行の住居デザインや間取り、人気のエリアなどは変わっていきます。また、市況や金利、マンションを取り巻く状況も、刻一刻と変化しています。
マンション経営は、短期間で利益を得る投資ではなく、長く、安定して利益を得ることを目的とした投資です。
だからこそ、今後、マンション経営で稼いでいきたいと考えている場合には、現在の状況だけでなく、先々の状況までを見通した長期的な視野が必要となります。
今回は、今後のマンション経営に重要な4つの指標をご紹介します。
1.マンション経営の今後を調査するときのポイント
安定したマンション経営を実現するためには、今後も長く収益を得られる物件の取得が基本となります。
以下にご紹介する4つのポイントは、今後のマンション経営に影響を及ぼす可能性が高い要素です。
- マンションの空室率
- 全国の人口について
- マンション価格の下落リスク
- マンションの高経年化
マンション経営を開始する前には、それぞれの項目について詳しく調査をすることが大切です。
1)マンションの空室率
株式会社タスでは「賃貸住宅市場レポート(首都圏版・関西圏・中京圏・福岡県版)2023年5月」において、2023年5月時点の各都市のマンション・アパートの空室率を発表しています。
マンションの空室率は、東京では10.08%、大阪では9.22%、福岡では10.28%と、人口の多いエリアでは低い数値になっています。
一方、地方を見てみると、静岡では18.16%、愛知では12.41%と高い空室率が示されています。
これらの状況から、物件の数に対して賃貸住宅を求める人口が少ないことが地方の空室率の高さに関係していると推測でき、都心部のマンション経営の方が地方に比べて安定して入居者を獲得できると考えられます。
また、アパートの場合の空室率を見ると、どのエリアにおいてもマンションの空室率の3倍~4倍程度にも上っており、アパートよりもマンションを好む入居者の傾向が窺えます。
今後、安定したマンション経営をするためにはエリアごとの空室率や物件種別ごとの空室率の違いにも目を向けることが大切です。
2)人口減少について
(出典:厚生労働省)
日本では、2008年をピークに人口が減少し続けています。
国立社会保障・人口問題研究所によると、2045年に2015年時点よりも人口が増えていると考えられる都道府県は東京都だけであるとされています。
また、2045年時の日本の人口は、2015年時点の83.7%に減少することも示されています。
人口が減少すれば間違いなく賃貸物件の需要も低下すると考えられ、おおよそ30年後である2045年の人口減少率が80%以下になる都道府県への投資は、避けた方が賢明でしょう。
今後のマンション経営では、現在の人口だけでなく、将来的な人口についても考える視点が需要です。
※参照:総務省統計局
人口減の日本でも勝てる不動産投資については、以下の記事をご参照ください。
人口減少でも不動産投資は勝てる?高齢化社会が追い風になる投資方法とは
3)マンション価格の下落リスク
(出典:国土交通省)
2023年10月に国土交通省が発表した不動産価格指数によると、マンション(区分所有)の価格は右肩上がりに高くなっています。
2010年時点のマンション価格を100とした場合、2023年時点のマンション価格は190前後と約90%もの値上がりとなっているのです。
戸建て住宅の値上がり率は13%であることから、マンション(区分所有)の価格がいかに高騰しているかがわかるでしょう。
マンション価格は現状では高い水準となっていますが、マンション経営中に価格が下落するリスクも考えられます。
日本銀行は、2023年10月の金融政策決定会合で、大規模な金融緩和策を維持したうえで、長期金利の上限を柔軟化することを決定しました。
つまり、長期金利の上振れを容認するということです。これにより、固定金利が一定程度、上昇するものと見られます。
近年のマンション価格高騰は、低金利によってもたらされたといっても過言ではありません。金利が上がることで、マンション価格が下がることも危惧されます。
売却したいと思ったときにマンション価格が下落していれば、損失が生じます。
そんな場合であっても、入居者からのニーズが高いエリアであれば、資産価値は下がりにくくなります。
リスクを最小限に抑えるためにも、今後のマンション経営では将来性も踏まえてどのエリアに物件を購入するべきかを考え、より厳選してエリアを決定しなければなりません。
※参照:国土交通省「不動産価格指数、住宅は前月比 1 .2%上昇、商業用は前期比 1 . 3%上昇~不動産価格指数(令和4年2月・令和3年第4四半期分)を公表~」
マンション価格の参考にもなる地価公示の状況については、以下の記事をごらんください。
地価公示、全国で2年連続上昇!中古マンション価格への影響は?
4)マンションの高経年化も進む
(出典:国土交通省)
高齢化は、人だけでなくマンションにも及んでいます。
マンションの高経年化が進むとなると、建て替えや取り壊しをするマンションも多く出てくるものと推測されます。
しかし、建て替えや取り壊しができるマンションばかりではありません。
そのお金がなかったり、住人の合意形成ができなかったりすれば、マンションの老いはさらに進み、資産価値が低下し続ける恐れもあります。
建物、そして住人の「2つの老い」は不可避であることから、高経年化に伴う適切な処置ができるだけのお金や管理体制があるのかは、必ず見ておきたいポイントだといえるでしょう。
2.今後のマンション経営で押さえておく2つのポイント
今後のマンション経営を成功させるためには、上に紹介したポイント以外にも以下の2点についてもしっかり把握しておくことをおすすめします。
1)家賃の下落率を確認する
時間が経てば建物は劣化するため、新築物件と中古物件の物件価格が違うように、賃貸時の家賃も低下していきます。
マンションの経年劣化が家賃に与える影響は年率に換算すると約1%だと言われているものの、特に築10年までの下落率は高く、その後は緩やかに下落する傾向にあります。
また、立地によって下落率も変わり、ニーズの高い立地ほど家賃は下落しにくくなっています。
近隣に建つマンションの築年数と家賃額を比較し、家賃の下落率を事前に確認しておくと、今後も安定したマンション経営ができるエリアであるかどうかの判断基準の1つとして利用できるでしょう。
2)購入エリア付近の人口推移を確認する
前述したように、人口が多いエリアの方が賃貸ニーズは高くなります。
物件を購入するエリアの人口の推移を確認しておくと、今後の賃貸ニーズの傾向も読み取れるでしょう。
このとき、東京都や大阪府といった都道府県単位の人口推移ではなく、市区町村単位まで絞り込んだ人口の推移を確認しなければ意味はありません。
なぜなら、大阪府全体の人口は減少しているものの、大阪市は人口が増加しているなどのケースがあるからです。
物件購入前には、物件の近隣エリアに絞って、人口の増減を確認するようにしましょう。
3)大規模修繕歴・積立金額
マンションの高経年化は、どんな物件であっても避けられません。
とはいえ、適切に修繕・メンテナンスしていれば、そこまで大きな心配はないでしょう。マンションを選ぶでうえでは、これまでの修繕歴や修繕積立金額も確認することが大切です。
(出典:国土交通省)
マンションの長期修繕ガイドラインは2021年に改正され、修繕周期や積立金額の目安が変わっています。
ガイドラインは一つの目安に過ぎませんが、これを基に適正な修繕が行われてきたのか、これから実施できるのかを判断しましょう。
大規模修繕の詳細については、以下の記事をご覧ください。
稼ぎたいマンション投資家こそ知るべき大規模修繕の必要性【5分でわかる】
今後のマンション経営は、目先の利益よりも、人口減少を念頭に置いた長期で勝つ投資を
今後、日本は人口が減少していきます。
人口減少は賃貸ニーズの減少にもつながるため、利便性の低いエリアに建つマンションの経営は苦境に陥る可能性が高くなります。
今後、マンション経営を行う場合は、立地を重視した物件選びがますます大切になるでしょう。
また、マンションの建物およびマンション住人の「2つの老い」は、不可避です。
高経年化するマンションの劣化を遅らせ、資産価値を維持するには、適正な管理や修繕が求められます。
管理状況や大規模修繕歴、修繕積立額も、マンションを選ぶうえで必ず見ておきたい要素です。
とはいえ、マンション経営が初めての方が将来を見通した物件選びをするのは簡単ではありません。
不動産のプロの意見も聞きながら、慎重に物件選びを進めることをおすすめします。
弊社では、無料でマンション経営に関するご相談を承っております。
マンション経営にご関心がございましたらどうぞお気軽にお問い合わせください。