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不動産投資コラム

【建築士監修】地震に強い投資物件は一戸建てかアパート?木造だから弱いは間違い?

執筆者:椙原 あやめ 椙原 あやめ

建物の耐震性は、建物種別や構造では決められませんが、図面を見なくてもある程度判断ができます。

本記事では、これから不動産投資を始めようと考えている方に向け、建物種別(一戸建て・アパート)と構造種別(木造・鉄骨・鉄筋コンクリート造)に、地震に強い投資用物件について解説します。

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1.地震に強い投資用物件は一戸建てかアパートか?

結論からお伝えすると、一戸建やアパートといった「建物種別」による耐震性に差はありません。

「木造は地震に弱そう」
「鉄骨は地震に強そう」

このように思われがちですが、必ずしもそうではありません。

1)「木造」の耐震性が低いわけではない

画像出典:国土交通省

一戸建ての構造は、半数以上が「木造」です。

 

2016年に起こった熊本地震では、倒壊した木造建築物の原因が調査・公開されています。

倒壊した77棟のうち73棟は「木造」だから倒壊したのではなく、現行規定の仕様となっていない接合部(現行法規に適合していない古い仕様)が要因でした。

新耐震基準が導入された後に建てられた建築物でも、適正に施工されていないものは倒壊が見られたとあります。

2)アパートの構造

アパートとマンションの定義は、不動産会社によって多少、異なります。

アパートは、木造や軽量鉄骨造の2階建て共同住宅を指すことが多く3階建て以上で鉄骨造や鉄筋コンクリート造の共同住宅の多くはマンションと呼びます。

アパートの構造は2階建てが多いことから、木造か軽量鉄骨造が多い傾向にあります。

2.地震に強いのは木造?鉄骨?RC造?

構造ごとに、地震がおこった際の揺れ方などに違いがありますが、構造だけで「地震に強い」と判断することは難しいものです。

大切なのは、各構造の特徴や建築当時の法規制などを知ること

耐震性を判断するポイントは、構造だけではありません。

 

構造には鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造)もありますが、投資物件として取得するケースは少ないため省略します。

1)木造は2000年6月以降の建物であること

主要な部材を木材とする木造建築物は、鉄骨造やRC造などの「非木造」と比べて地震に弱いと思われがちです。

しかし「地震の強さ」と「構造」は、あまり関係ありません。

 

木造の特徴は、非木造と比べて地震による建物の揺れが少ない点です。

その理由は、木造は鉄筋やコンクリートに比べて軽いからです。

地震の揺れは建物の重量に比例するため、木造建物は地震時の揺れがもっとも小さいという特徴があります。

木造は、いつ建築されたかによって耐震基準が次のように異なります。

•旧耐震基準
•新耐震基準
•2000年基準

木造の耐震基準の中では現在もっとも新しい「2000年基準」をクリアしていれば、耐震性能1は保証されます

2000年(平成12年)6月1日以降に建築確認申請が下りた木造物件は「2000年基準」で建築されているため、比較的、地震に強い建物だといえるでしょう。

関連記事:『建築基準法の耐震基準!新旧の違いや耐震基準の確認方法をご紹介

2)鉄骨造(S造)の耐震性

柱や梁などの構造部材に鉄骨を使った建物を「鉄骨造」といいます。

木造と比較して耐震性は高い傾向にありますが、地震による火災で強度が低下する恐れがあります

鉄骨造には軽量鉄骨造と重量鉄骨造があり、一戸建てや2~3階建てアパートなど低層の建物は「軽量鉄骨造」、商業施設など比較的高層の建物には「重量鉄骨造」が採用されます。

使われる鋼材の厚さによって、次のように区別されています。

•軽量鉄骨造:鋼材の厚さが6mm未満の建物
•重量鉄骨造:鋼材の厚さが6mm以上の建物

鉄骨造の特徴は、鉄や鋼の持つ「粘り」が地震の揺れを吸収することです。

鉄骨造は倒壊しづらく、地震の揺れにも長く耐えられます。

 

ただし、木造と異なり鉄骨造は重いため、地震の揺れは大きく感じられます

熱に弱いため、600度を超える熱が加えられると強度が低下します。

燃え続けると急速に強度が落ちるため、注意が必要です。

3)鉄筋コンクリート造(RC造)の耐震性

構造躯体が鉄筋とコンクリートで構成されている構造を「鉄筋コンクリート造」と呼びます。

引張に強い鉄筋と、圧縮に強いコンクリートを組み合わせて、互いの欠点を補った構造です。

鉄筋コンクリート造にはラーメン構造と壁式構造があり、壁式構造の方が耐震性は高い傾向にあります。

•ラーメン構造:高層建築物も可能
•壁式構造:低層共同住宅に採用されることが多い

鉄筋コンクリート造の建物は、1階部分をピロティや屋内駐車場にした構造上不安定な建物を除き、地震に強い構造といえます。

3.構造のほかに確認するべきポイント

一戸建てかアパートか、木造・鉄骨・鉄筋コンクリート造かだけでは、建物が地震に強いか判断できません。

耐震性を測るためには、次のようなポイントも確認すると良いでしょう。

1)建築年(確認申請)

建築時期は、耐震性を判断するうえで重要な指標の一つ。

もっとも新しい耐震基準で設計・施工された建物であるかを確認しましょう。

基準が古い建物は、耐震診断や耐震補強をしたほうが良い場合があります。

2)耐震等級

「耐震等級」は、2000年に施行された「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」によって創設されました。

木造住宅の耐震性能の評価基準です。

等級は、1から3まで。

投資物件が木造戸建てであれば、耐震等級3が望ましいといえるでしょう。

関連記事:【建築士解説】地震に強い木造住宅の目安は「耐震等級3」

 

2000年より以前に建築された木造住宅には、この表示がありません。

また、耐震等級の取得は義務ではないため、等級が不明なこともあります。

3)検査済証があるか

検査済証とは、建築計画が適法であることの「建築確認」を経て、図面通りに施工されているかの「完了検査」を受けた証明です。

建築当時の法令に適して建築された証になります。

 

検査済証がない不動産が、すべて違法建築とは限りません。

しかし、検査済証がなければ、増築時などには検査のコストがかかります

投資物件を中古で購入する場合は、検査済証があることを確認しましょう。

まとめ:地震に強い投資物件のチェックポイント

不動産投資物件の「耐震性」は、投資家がもっとも気にすることの一つ。

次の点を認識し、相対的に地震に強い物件か判断することが大切です。

•一戸建てかアパートかだけでは耐震性の優劣は測れない
•構造種別(木造・鉄骨・鉄筋コンクリート造)においても耐震性に大きな優劣はない
•木造なら「2000年基準」、非木造なら「新耐震基準」かを確認
•耐震性は物件ごとに判断

耐震性が高い不動産は、地震後の建物修理費用も抑えられます

また、建物の寿命にも影響するものです。

不動産投資物件を探す際には耐震性にも注目し、収益性のみならず、長く運用でき、資産価値が維持できる物件かを見極めましょう。

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