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不動産の建ぺい率・容積率って何?意味や計算方法、注意点を解説

執筆者:Redia編集部 Redia編集部
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物件を探している時や家を建てる際「建ぺい率」や「容積率」といった言葉を耳にしたことはありませんか?

住宅や商業施設等の建物を建てる時、建築基準法によりエリア内で「建ぺい率」や「容積率」が定められています。

今回は「建ぺい率」や「容積率」の意味や、計算方法をご紹介します。不動産投資で物件を選ぶ際にも役立つ知識です。

これから住宅を建てるまたはリフォーム予定の方、中古物件を購入予定の方や不動産投資を行っている方は、ぜひご参考になさって下さい。

1.不動産の建ぺい率・容積率とは?

不動産の建ぺい率・容積率の意味と計算方法をお伝えしていきます。

建ぺい率や容積率は敷地面積に対する建物や延べ床面積の割合を指し、「用途地域」というエリア毎に上限値が定められています。容積率には「前面道路による制限」といった決まりも存在します。

ここでは建ぺい率・容積率の概要と「用途地域」、「前面道路による制限」について見ていきましょう。

1)不動産の建ぺい率と用途地域について

不動産の建ぺい率は「敷地の面積に対する建物の割合」を指し、以下の計算式で算出する事が出来ます。

建ぺい率=建築面積÷敷地面積×100

例えば面積が100平米である敷地に70平米の建物を建てた場合、建ぺい率は70%となります。

建ぺい率は自治体により用途地域別に定められています。

用途地域」とは住宅、商業地・工業地等、都市が計画的に土地利用を行う為に定めたエリアを指します。それぞれの目的に応じた建物の種類が13の地域に指定され分けられています。

例えば地域の住民が暮らすための住居地域、飲食店・銀行等が建つ商業地域、工場を建設できる工業地域等があります。

※参考:国土交通省「用途地域」https://www.mlit.go.jp/common/000234474.pdf

自治体で建ぺい率が定められている理由として、建物の防災・風通しを良くする事が挙げられます。

建物内で火災や地震が起きた時、建物内にゆとりがあり避難経路が確保されている事で最悪の事態を防ぐことが出来ます。また通気性が良い家はシロアリやダニ等が発生しづらく、建物が長持ちすると言われています。

2)容積率とは?計算方法と「前面道路による制限」

容積率は「敷地面積に対する延べ床面積の割合」の事で、建ぺい率と同じく用途地域別に数値が定められています。

計算式は以下の通りです。

容積率=延べ床面積÷敷地面積×100

例えば下の図で1階から3階までの床面積を合計すると、容積率は150%となります。

容積率は「前面道路による制限」があります。

敷地に面している道路の幅(幅員)が12m未満の場合は幅員に「4/10、6/10など一定の値を掛けた数字」と、「行政の定める容積率」のいずれか低い割合の容積率で建設しなければいけません

例えば容積率の上限が300%に定められた地域で、敷地は5mの道路に接しており4/10を掛ける場合は容積率は以下の通りになります。

5×4/10×100%=200%

上記の場合、地域で定められた容積率(300%)より、前面道路による制限における容積率(200%)の方が低いため、200%の容積率で建物を建てなくてはいけません

容積率をなぜ定める必要があるのか。それは「住戸」と「下水・周辺道路等のインフラ」のバランスを図る為です。

例えば下水処理能力が不十分なエリアでタワーマンション等の高層マンションをばんばん建ててしまい、人口が増えてしまうと処理能力が追い付かなくなります。その為、容積率を定めることで、建物の規模感を制限し、居住人口をコントロールしています

2.建ぺい率・容積率の緩和について

建ぺい率・容積率は地域により上限が定められていますが、それぞれ一定の条件を満たす事で緩和されるケースがあります。

建ぺい率は耐火建築物・準耐火建築物等や角地、容積率は地下室や車庫・駐輪場等が緩和の対象となります。

建ぺい率・容積率の緩和対象を知る事でリフォームや家の建築の際に、最大限まで建ぺい率・容積率を高くすることが出来ます。

1)建ぺい率の緩和

  1. 建ぺい率の上限が80%とされている地域以外で防火地域内にある耐火建築物
  2. 耐火建築物・準耐火建築物、準耐火建築物と同等以上の延焼防止性能を有する建築物
  3. 特定行政庁が指定する角地

上記の1~3のいずれかに該当するときは定められた建ぺい率に10%、1と3または2と3に該当する時は20%を加える事が出来ます。

※参考:国土交通省「建築基準法の一部を改正する法律案」の概要https://www.mlit.go.jp/common/001232678.pdf

また、建ぺい率が80%とされている区域で、防火地域内にある耐火建築物や、公園・広場・道路・川等の内にある建築物で安全上・防火上・衛生上支障がない建物等には建ぺい率の制限がありません

2は2016年に起こった糸魚川市の大規模火災(147棟が焼損)による被害で防火関連規制が見直され、密集市街地における安全性の確保等を目的に、2019年6月に法律が改正されました。

※参考:総務省消防庁「糸魚川市大規模火災を踏まえた今後の消防のあり方」https://www.fdma.go.jp/publication/hakusho/h29/topics2/46070.html

2)容積率の緩和

容積率は地下室や自動車の車庫・駐輪場等は延べ床面積に含めた上でそれぞれ一定の面積を算入しない緩和措置があり、マンション等共同住宅においても不算入となるエリアがあります。

車庫・駐輪場の床面積が、建築物全体の延べ床面積の5分の1までは不算入とされ、地階における住居用の部分は建築物内の住居用面積の3分の1まで容積率に入れなくても良いと定められています。

地下室は天井が地盤の高さから1m以下にある事が条件です。

またマンション・アパートといった共同住宅の共用の廊下・エントランスホール・エレベーターホール等や階段についても容積率制限の対象から除外されます。

3.建ぺい率・容積率の注意点とその他の規制

建ぺい率・容積率は建築基準法によって定められていますので、オーバーしてしまうと違法な建築物として扱われ金融機関からの融資や住宅ローンの審査が通らない可能性が高いです

また建物を建てる際には、建ぺい率・容積率以外にも様々な制限が存在しますので、注意すべき2点を見ていきましょう。

1)建ぺい率・容積率をオーバーすると、融資や住宅ローンが不可となる

建ぺい率・容積率をオーバーしてしまうと、「違法建築」となり金融機関での融資の審査に落ちてしまう可能性が高いです。また住宅ローンを組むことができなくなりますので、ご注意ください。

2)建ぺい率・容積率以外にも様々な規制がある

建物を建てる時が建ぺい率や容積率以外にも、近隣の日照阻害を防止するための高さ制限である「日影規制」、隣地の日照・採光・通風等を考慮した建築物の「高さ制限」、道路・隣地・北側により高さを制限する「斜線制限」等様々な規制があります。

家を建てる際は、上記の制限により建ぺい率・容積率を上限まで使えないこともありますので、事前に建築の規制を調べてから計画を立てましょう。

4.建ぺい率と容積率で建てる家が変わる

家を建てる際には建ぺい率と容積率、双方を数値内におさめる必要があります。

例えば200坪の土地に建ぺい率が60%、容積率が180%の家を建てるケースでは、建ぺい率は200坪×60%=120坪となります。120坪までは建築物を建てて良いという計算結果になり、容積率は200坪×180%=360坪までが延べ床面積の上限です。

容積率360坪÷建ぺい率120坪で3階まで家を建てる事が可能という事が分かります。

上記のように建ぺい率と容積率で建設できる家が変わりますので、「平屋を建てたい」「大規模なリフォームを行いたい」といった希望のある方は、地域の建ぺい率と容積率を調べてみましょう。

5.まとめ

建ぺい率・容積率は法律で定められた基準で、計画的なまちづくりのためにエリア毎に上限が定められ、一定の条件を満たす事で数値が緩和されます。

建ぺい率・容積率をオーバーしてしまうと、住宅ローンや融資の審査が通らなくなりますのでご注意ください。その他にも主に高さに関する制限にも注意が必要です。

建ぺい率と容積率により建築できる家も変わってきますので、希望エリアの建ぺい率と容積率を調べ、この記事を参考に計算し計画を立てていきましょう。

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