賃貸マンションの価値を高めて入居者増!差別化を図れる設備は?
賃貸マンションの物件価値を高めることは、入居率アップに繋がり、賃貸経営の成功に欠かせません。
駅近、築浅、好立地の賃貸マンションは、物件価値が高く、入居者からも選ばれやすいものです。
他にも、リノベーションや設備導入も物件の「付加価値」を高めます。
とくに設備については後付けがしやすく、人気設備を把握することで所有する賃貸マンションの物件価値を高めることにつながるでしょう。
1.賃貸マンションの付加価値とは
不動産である賃貸マンションは、立地や築年数、広さといったスペックを後から変えることができません。
しかし、入居者にとって魅力なのは、物件が元来持つ価値だけではなく、設備や性能など多岐にわたります。
設備や性能は、言ってみれば賃貸物件の「付加価値」。
加えて「相場より安い」「管理状態が良い」なども賃貸の部屋探しの際にプラス要素になります。
「付加価値」の重要度は増している
賃貸の部屋探しで重視されるのは、立地、築年数、広さなどです。
しかし、これらが入居者ニーズを満たしても、快適な生活はできません。
とくに昨今では、テレワークやオンライ授業などが一般化してきているため、物件の付加価値を重視して選ぶ人は増えているものだと考えられます。
付加価値を充実させることによって、入居率や家賃の上昇が期待できます。
付加価値はリノベーションや設備の拡充で高められる
賃貸における付加価値は、住まう人によって異なります。
たとえば、オンラインで仕事や勉強をする人にとって、無料の高速インターネット回線は大きな付加価値となるでしょう。
一方、インターネット回線をほとんど利用しない高齢者にとって、バリアフリー化のほうが付加価値は高いかもしれません。
いずれにしても、物件の付加価値はリノベーションや設備の拡充によって高めることが可能です。
重要なのは、入居者それぞれにとっての付加価値を見極めること。
その中で費用対効果の高い施策を検討することです。
2.付加価値を高めるリノベーション成功事例
賃貸マンションの付加価値を高める施策はいくつかあります。
次の3つは代表的かつ一定の効果に期待できる方法だといえるでしょう。
3点ユニットバスの分離
3点ユニットバスは、90年前後に人気を博しました。
しかし、当時から30年以上が経過した現在では、やはり「古さ」の象徴のようになっています。
物件検索サイトでは、必ずといっていいほど「バス・トイレ別」という項目にチェックを入れます。
これはすなわち、バス・トイレ別の需要が高いということ。
3点ユニットバスを分離させるだけでも、物件の需要は高まる可能性があります。
関連記事:3点ユニットバス分離で空室対策!費用相場や注意点を解説
水まわり設備を一新
3点ユニットバスのみならず、水まわり設備が古かったり、汚れていたりすると「不潔」という印象を与えます。
物件そのものの築年が古くても、水まわりが綺麗であれば、物件の評価はグッと高まります。
とくに女性の入居者が多い物件は、浴室やキッチン、洗面化粧台、トイレを見直しましょう。
関連記事:リノベーションで賃料アップ!入居者に選ばれる空室対策とは
和室を洋室に改修
和室もまた、古さの象徴といえます。
あえてモダンな印象を与えるために、和室を採用している物件もあります。
しかし、和室は総じて今のライフスタイルとは合わないことから、入居率が下がってしまう可能性も。
畳からフローリングに変えるだけであれば、10~25万円程度で洋室への改修が可能です。
関連記事:和室を洋室にリフォームして入居率アップ!リフォーム内容と費用目安も解説
3.防犯設備で物件価値アップ
若い女性などの単身世帯はもちろん、小さな子供のいるファミリー世帯でも重要視するのが防犯設備です。
安心して生活できる環境は、賃貸マンションの付加価値を高めます。
オートロック
マンションのエントランスに設置されたオートロックは、部外者の勝手な侵入を防ぐことができます。
ストーカーや不審者からの被害を防ぐ効果があるほか、強引なセールスや勧誘を回避することも可能です。
防犯上のリスク抑制に繋がるでしょう。
テレビモニター付きインターフォン
インターフォンだけでは来訪者の様子を知ることができず、知人や宅配便なのか、不審者なのかの判別が難しいこともあります。
テレビモニター付きインターフォンであれば、来訪者の顔がモニターに映し出されるため、玄関を開ける前に訪問者を確認することができて安心です。
防犯カメラ
防犯カメラは、犯罪の抑止効果が期待でき、とくに若い女性から人気の設備です。
万が一、不審者がマンションに立ち入った場合、防犯カメラが設置されていれば、不審者の行動が映像に記録されるため、その後の追跡や監視に役立てることができます。
ホームセキュリティシステム
ホームセキュリティシステムは、玄関や窓から不審者が侵入した場合、防犯センサーが感知して、警備会社に自動的に通報が入るシステムです。
不審者との鉢合わせや、空き巣を防ぐことができます。
若い女性のほか、子供がいるファミリー世帯から人気の設備です。
4.人気設備で物件価値アップ
賃貸マンションは、入居者がゆっくりと心と体を休めてくつろぐことができる家でなければなりません。
日々の生活が快適に過ごせる設備は、入居者にとって人気があります。
追い炊き機能
お風呂の追い炊き機能は、ファミリー世帯で必要性の高い設備です。
とくに冬場はお湯の温度が下がりやすくなります。
追い炊き機能の付いていないお風呂は、家族の入浴時間に合わせてその都度お湯を張りなおさなければなりません。
浴室乾燥機
浴室乾燥機は、浴室に干した洗濯物を乾かすための設備です。
雨の日でも、洗濯物を干すことができて便利なのはもちろん、共働き世帯や帰宅が遅い人など、外に洗濯物を干すのが難しい場合でも、浴室に干して乾かすことができます。
洗浄機能付き便座
洗浄機能付き便座は、毎日使うトイレを快適にする設備です。
最近は洗浄機能付き便座が設置されているのが、当たり前になりつつあります。
ウォークインクローゼット
ウォークインクローゼットは、洋服やバッグなどを収納する大きなクローゼットです。
大きな収納空間があれば、居室を広く使えます。
オフシーズンの洋服もそのまま収納できるため、衣替えの手間を減らすことが可能です。
5.「あったら便利」な設備で物件価値アップ
賃貸マンションの価値を高める設備として、あったらとても便利なものがあります。
インターネット環境(無料)
無料インターネットは、単身世帯とファミリー世帯ともに人気の設備です。
今や、ほとんどの世帯がパソコンやスマートフォンを使用しています。
入居者が無料でインターネットを利用できる賃貸は、工事費用や月々の回線使用料を節約できるため人気です。
宅配ボックス
インターネットの普及とともに、オンラインショッピングの利用者が増え、荷物を宅配便で受け取るようになりました。
宅配ボックスは、宅配便の受け取り時間を気にせずに外出でき、一人暮らしや共働き世帯に人気です。
備え付け照明
入居当日から生活を始めるためには、照明が必要です。
リビングやその他の居室の照明がなければ、入居者は引越し前に照明を購入して、荷物として搬入しなければなりません。
あらかじめ居室に照明が備えられていれば、入居者の設置作業や購入費用を軽減することができます。
エアコン
エアコンは、暑い夏、寒い冬を快適に過ごすのに必要です。
間取りの数や部屋の広さによって必要な台数が異なり、引越しの際は取り付けや取り外しの費用が発生します。
また、エアコンの設置工事は引越し当日にできないことも。
そのため、真夏や真冬の引越しでは、入居者は設置工事が完了するまでエアコンのない生活を強いられます。
購入費用が掛からず、入居当日から快適な室温を保てるエアコンが設置された物件は高いニーズが見込まれます。
6.キャンペーンで物件価値アップ
住環境を良くすることだけが、賃貸物件の付加価値を高める施策ではありません。
次のような「キャンペーン」によって、物件の魅力を向上させるのも戦略の一つです。
敷金・礼金無料
入居者にとって、敷金・礼金は入居時の大きな出費となります。
賃貸物件の初期費用の代名詞ともいえるため、これらが無料だと客引き効果は抜群。
「敷金・礼金無料」という項目にチェックを入れられる検索サイトも多いため、より多くの人に物件情報を見てもらえます。
フリーレント
敷金・礼金無料よりも、高い効果に期待できるのがフリーレントです。
フリーレントとは、1カ月間ほどの家賃を無料にするということ。
入居者は初期費用に加え、なにかとお金がかかる引越し直後の賃料も節約できます。
そのため、他物件と大きく差別化できる付加価値になります。
一方、付加価値の1つとして「家賃の減額」も挙げられます。
しかし、一度減額してしまった家賃は、その後上げることが難しく、物件価値の低下に繋がる恐れも。
そのため、フリーレントは一定期間の収益減にはなるものの、後に響きにくい施策だといえるでしょう。
商品券贈呈
入居者にプレゼントを用意するというのも1つの手です。
プレゼントはどのようなものでも構いませんが、万人が喜ぶ商品券やギフトカードが無難なところでしょう。
入居者に金券をプレゼントする際には、税務処理に備え受領印などをもらっておくことをおすすめします。
まとめ
リノベーションやキャンペーンの実施によって、賃貸マンションの価値を高めることは可能です。
お金をかけずとも、無料インターネットやエントランスのオートロックなど、入居者が決まる設備もあります。
所有する賃貸マンションの価値を高めるには、時代の流れとともに変化する入居者ニーズをしっかりと見極め、費用対効果が高い空室対策を行いましょう。