ワンルームマンション投資の成功率が高いのは新築と中古のどっち?成功事例で解説
結論から言うと、ワンルームマンション投資はすぐに儲かる手法ではありません。
しかし、しっかり勉強し知識武装をした上で投資を始めれば成功しやすい投資方法でもあります。
何より、ワンルームマンション投資では、新築と中古の選定が安定した家賃収入を得られるかの分かれ目になります。
本記事では、ワンルームマンション投資において、新築と中古のどちらで投資を始めるべきなのかを解説します。
加えて、儲けにくいと言われるワンルームマンション投資の成功率を上げる3つのコツも公開。
投資初心者でもワンルームマンション投資で成功できるようになる内容になっています。
1.ワンルームマンション投資が成功しやすい3つの理由
ワンルームマンション投資について、成功しやすいと言える理由を3つご紹介します。
1)単身世帯が4割を占める日本ではワンルームの需要が高い
※出典:総務省https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h30/html/nd141110.html
ワンルームマンションの需要が高まっています。
日本では未婚率の増加に伴いワンルームマンションのターゲット層となる単身者世帯が増加。
2040年には単身者世帯の割合が4割に達する見込みです。
ファミリー向けの物件よりも、ワンルームマンションを所有するほうが入居者の獲得が容易で、安定した家賃収入を得ることができ、不動産投資の成功へと繋がるでしょう。
2)ワンルームマンションの新築が減少
今後、需要増が見込まれるワンルームマンションですが、建築規制が厳しいため着工件数が減っている実情があります。
裏を返せば、既存のワンルームマンションは単身世帯だけでなく、不動産投資家からの需要も高くなり、物件価格の高騰が予測されます。
ワンルームマンション投資を始めるのであれば、価格が上がる前に物件を購入しておくことが成功への必須条件となるでしょう。
尚、ワンルームマンションの新築を規制するワンルームマンション条例については、以下の記事で詳細を解説しています。
背景知識を得ておくためにも一度ご覧ください。
3)空室率がアパート投資に比べて低く、原状回復費用も安い
不動産投資における空室は、家賃収入が得られず、オーナーにとって最も避けたい状態でしょう。
空室率の高さですが、実はマンションとアパートで大きく差が生じます。
上記のデータでは、空室率はマンションが低く、アパートが高いという実態が明らかです。
つまり、マンションを区分所有する区分マンション投資は、空室のリスクが低減された不動産投資だと言えます。
加えて、世帯数が増加する単身者を狙うワンルームマンションは、立地を誤らなければ人口減少の局面でも安定した家賃収入が得られることでしょう。
空室率の低さがワンルームマンションのメリットですが、退去ごとに発生する原状回復工事の費用が安い点も魅力の1つです。
ファミリー向けの物件と比べて専有面積が小さく、修繕作業に時間が掛からないことなどが理由です。
原状回復工事の費用は不動産投資のランニングコストになるため、それが安く抑えられるワンルームマンション投資は初心者でも成功しやすい投資だと言えます。
2.ワンルーム投資の成功と失敗の分かれ目とは?体験談をご紹介
実際にワンルームマンションの賃貸経営を行った2人の体験談をご紹介します。
20代医師Aさんは資産価値が高い都心の新築マンションを購入し3年で手放す結果となり、IT系サラリーマンである40代のBさんは都内の中古ワンルーム投資で、子供の学費や母親の介護費を賄い、事業を拡大、順調な経営を続けています。
2人の結果に差が出た事は新築・中古物件という違いでしょうか?詳しく見ていきましょう。
新築ワンルームマンション投資の失敗が分かったのは3年目だった
20代医師のAさんは不動産会社に勧められ、ワンルーム投資を始めました。
自己資本が少なめでもできるという点に惹かれワンルームマンションを選びましたが、「都心の新築物件がおすすめ」と不動産会社に強くおされ、都心で駅も近い新築マンションを購入しました。
新築ということでプレミアが付き、高めの家賃設定でも入居希望者が現れスムーズに契約、家賃収入が手に入るようになりました。
初年度は初期費用を多く計上でき、帳簿上赤字になったものの実際には家賃収入が入るため黒字で、所得税を節約する事が出来ました。
Aさんは「ワンルーム投資のおかげで節税ができ、管理は委託するから不労所得とマンションが手に入る」と思っていましたが、入居者が2年で退去してしまいました。
新築物件の定義は「建築後1年以内の未使用の建物」であるため、中古物件として扱われ次の入居者の家賃は以前の8割程度(※立地等諸条件で変わります)となりました。
結果、キャッシュフローは赤字となり2年目からは計上できる経費が減ったため節税効果も低くなり、Aさんはマンションを手放すことにしました。
Aさんの新築ワンルームマンション投資の失敗の原因とは?
都内の新築物件は、資産としての価値は高いですが利回りは低く収支が赤字になりやすい傾向にあります。
さらに「新築プレミア」という新築としての付加価値で最初の入居者は家賃が高い傾向にありますが、次の入居者からは家賃の下落幅が大きくなるケースが多いです。
一般的に不動産投資では初年度は購入に関する経費が多く、税金が還付されることもありますが、2年目からは固定資産税や減価償却費など一定の費用を計上する事になります。
物件を購入する際は、購入後10年程度の収支シミュレーションを行ったほうが良いでしょう。
中古区分マンションでコツコツ投資
IT系のサラリーマンである30代のBさんは都内の中古ワンルームマンションを購入しました。
収支シミュレーションを行ったところ利回り5%台で経営できることが分かり、賃貸事業をスタートしました。
マンションは駅から近いという利点があり順調な経営で、Bさんは2室目、3室目と中古区分マンションを購入し、コツコツと経営を続けていきました。
それぞれのマンションで入居者は3~5年に1回程度退去したものの、駅やコンビニが近い利便性の高い物件を選んだため、すぐ次の入居者が見つかりました。
息子の進学による学費や母親の介護費用などの出費もありましたが、マンション投資で収支が黒字であるため本業の給料と合わせると十分な資金を確保する事が出来ました。
現在は5室を保有、うち4室は他のマンションの家賃収入による繰り上げ返済でローンを完済しました。老後の年金代わりに運営していく予定です。
利便性の高い中古マンションを繰り上げ返済で事業を拡大
Bさんの成功原因の1つは物件が「都内の中古区分マンション」であるという点です。
中古のワンルームマンションは物件によっては1000万円台からでも購入可能で、都心でも利回りが高めとなっています。
また毎月の家賃収入をコツコツと積み上げ繰り上げ返済を行い、次の物件を購入して事業を拡大するという方法は不動産投資として「王道」の手法でもあります。
サラリーマンという社会的信用を武器にローンを組めることもBさんにとって有利でした。
そして「物件を運営する前に収支シミュレーションを不動産会社としっかり行った」ことが成功の決め手と言えるでしょう。
失敗したAさんは収支シミュレーションを行っておらず、3年目で経営が破綻しています。
3.ワンルームマンション投資は新築よりも中古物件が有利
ワンルーム投資はマンション・アパート一棟投資に比べ購入・初期費用が安いというメリットがあるものの、利回りは低めとなっています。
ただし中古の物件は都心でも新築より高い利回りが期待できます。
物件が駅や商業施設に近い、主要駅に近く通勤や通学に便利である場合、需要が高く入居者が途切れない可能性が高いです。
大手賃貸住宅情報サイトが2019年にインターネットで1000人の学生・社会人を対象として行ったアンケートの調査結果を見てみましょう。
「部屋を決める最大の決め手」となった項目は、大学生は1位が「学校から近かったから(24.4%)」、2位が「賃料が希望と合致したから(13.0%)」、3位は「間取りや広さが気に入ったから(11.8%)」となっています。
一方で社会人は男性が「賃料が希望と合致したから(19.2%)」が1位で、女性は「間取りや広さが気に入ったから(18.1%)」となっています。2位は男性が間取りや広さ(17.4%)、女性は賃料が希望(14.6%)と一致で、3位に男女ともに「駅から近かったから」という結果となっています。
※出典:マイナビ賃貸『大学生・社会人お部屋探し白書2019』https://www.mynavi.jp/news/2019/07/post_20944.html
筆者が部屋探しをしている際に不動産会社の担当者から、「学生は仕送りがあるので家賃が高い物件に住んでいる子が多い」という話を聞いたことがあります。
上記のアンケート結果でも学生は部屋を選ぶ決め手が「学校から近い」が24.4%とダントツで1位となっており、家賃より利便性を重視する傾向となっています。
利便性が高く家賃が高めに設定されている物件は、意外と「お金が無い」と思われがちの学生がターゲットとなる可能性があります。
社会人でも駅からの近さは上位に入っており、ワンルーム投資では「中古物件」「利便性の高さ」「都心」という条件で、成功する可能性が高くなることが推測されます。
4.初心者に新築ワンルームマンション投資がおすすめできない理由
初心者がワンルームマンション投資をする中で、新築がNGだとされるのはなぜでしょうか。
その理由を解説します。
1)物件の購入価格が高い
新築物件は、中古物件と比べて購入時に必要な費用が高い傾向にあります。
理由は、販売会社が広告費をのっけるからです。いわゆる「新築プレミア価格」ですね。
購入費用が高い分、利回りは低くなりがちです。
マイホームとして購入するのであれば一考の余地はありますが、投資不動産として購入する場合は、再検討するのがお勧めです。
>>利回りやシミュレーションについてもっと知る
2)家賃の下落率が高い
新築物件は、中古物件と比べて家賃下落幅が大きく、物件価値が下落しやすい傾向にあります(下図参照)。
入居者が入れば新築ではなくなりますし、次の入居者からは中古物件になります。
新築販売時に、いかに「プレミア価格」として市場に売り出されているかがよく分かると思います。
図からも読み取れるように、家賃は新築から20年は下落し続けます。
3)購入後の運用予測が立てづらい
新築物件は物件の運用実績がないため、運用予測を立てづらいのが難点です。
既に市場に出回っている中古物件は、過去の成約履歴が記録されています。
一般的に、どの不動産会社もこの成約データを確認することができ、これをもとに販売価格や計画を立てたりします。
新築物件はまだこのようなデータがないため、入居者が決まる見込み期間や家賃の下落幅を推測するのが難しいとされています。
いざという時に「売却しづらい」のも、新築物件のデメリットと言えるでしょう。
5.ワンルームマンション投資の成功率を大きく上げる3つの行動
ワンルームマンション投資にはコツがあります。
成功率を高めるたにオーナーがすべき判断・行動を紹介します。
1)サブリースは利用しない(売却しにくい)
サブリースは、サブリース会社がオーナーから物件を借り上げて、入居者に転貸(又貸し)する賃貸借契約形態の1つです。
空室時にも家賃収入が得られる点がメリットである一方で、デメリットもあります。
それは、物件売却時にサブリース契約を引き継がなければならないことです。
サブリース契約の場合、一般の管理手数料に比べてオーナーが毎月支払う手数料が割高になっているほか、オーナーに振り込まれる賃料収入が少なくなります。
こうしたサブリース契約のデメリットを把握しているオーナーは少なくないため、サブリース契約が締結された物件は買手が見つからず、売却時に物件価格を下げざるを得ない状況になります。
ワンルームマンション投資で管理会社を利用するのであれば、サブリース契約ではなく管理手数料が5%程度の一般管理で委託するのが賢明でしょう。
サブリース契約の詳細やトラブル事例は、以下の記事で解説していますので、一度ご確認ください。
参考:サブリース契約の不動産投資は危ない?メリットとトラブル事例をわかりやすく解説
2)立地にこだわる(シミュレーションを念入りに)
ワンルームマンション投資を含む不動産投資では、家賃収入と売却益が主な収益になります。
この2つの収益を最大限化するには、賃貸需要の高い立地にこだわることが重要です。
人口減少が進む日本で賃貸需要の高いエリアの1つは、人口流入がある首都圏です。
未婚率の上昇を背景に、東京は2035年まで単身世帯の増加が見込まれています。
つまり数ある不動産の中でも、1人暮らしがターゲットになるワンルームマンションはこの先も根強い需要が見込まれます。
東京のワンルームマンションを購入する際は、周辺地域の利便性も重視しましょう。
例えば、駅近であることのほかに、物件の周りにコンビニや病院といった生活に必要な施設が揃っているかも賃貸需要をみる上で大切です。
他にも、物件購入前は収支のシミュレーションを行いましょう。
賃料下落幅、空室期間、原状回復費用など、購入後の試算をすることで、キャッシュフローの確度が上がり、想定していた収益と実収入との乖離を防ぐことができます。
3)保険目的でマイナス収支の物件を購入しない
金融機関から融資を受けてワンルームマンション投資を始める際、債務者の死亡時などにローンが無くなる団体信用保険に加入するケースがあります。
いわゆる「保険代わり」と言われる不動産投資ですが、新築マンションを販売する営業マンのセールストークに多くみられます。
しかし、新築プレミアムのついたマンションは家賃の下落が著しく、所有期間の経過に伴い毎月の赤字が増えていきます。
マイナス収支で毎月持ち出しが発生しているにも関わらず、保険代わりとしての機能を信じて疑わずにいるオーナーも少なくありません。
こうした不動産投資の失敗を避けるためにも、家賃の下落が緩やかな中古を購入することが賢明です。
まとめ:ワンルーム投資は中古が鉄則で、収支シミュレーションがポイント
ワンルーム投資は中古・都心・利便性が高いという物件の条件に加え、収支シミュレーションが重要となります。
物件探しの際には不動産会社と一緒に収支シミュレーションを行い、3年後、5年後の収支を試算した上で購入しましょう。【ランドネットに相談する】