中古の投資マンション買うなら、築年数の目安は?物件の探し方も解説
中古マンションは、新築マンションと比べて安価に購入できることから、投資リスクが低く、利回りも高くなりやすい傾向にあります。
とはいえ、中古マンションといっても築年帯はさまざま。
中古マンション投資を成功させるためには、築年数がどのくらいの物件を選ぶと良いのでしょうか?
今回は、中古マンション投資を考えたときの築年帯ごとのメリット・デメリットをご紹介します。
1.中古マンション投資と築年数の関係
投資用の中古マンションは、築年数によってどのような違いが出てくるのでしょうか。
1)築年数で変わる中古マンションの資産価値
マンションの価格は、新築・中古に関わらず以下の条件で決まります。
・立地
・専有面積
・間取り
・室内設備
・周辺環境
・共有設備
中古マンションの場合は、これらの条件に加えて、築年数も資産価値に大きな影響を与えます。
どのような建物であっても、時間の経過とともに必ず劣化していきます。
そのため、一般的に築年数と共に物件の資産価値も低下していくと考えるのが自然です。
以下は、マンションにおける資産価値の目安です。
・築10年⇒新築の70~80%減
・築20年⇒新築の50~60%減
※出典:参照:国土交通省発表資料「中古住宅流通、リフォーム市場の現状」
2)中古マンション投資で気を付けたいこと
中古マンション投資の物件選びのポイントとして、「耐震基準」があります。
「新耐震基準」とよばれる耐震基準は、震度6以上の地震でも倒壊しないことを前提に設けられた基準で、1981年6月に建築基準法にて導入されました。
それ以前の耐震基準に合わせて設計された建物は、震度5程度の地震を想定した耐震設計となっています。
そのため、万が一強い地震が発生した場合に建物が受ける被害は、建築確認申請を1981年6月以前または以後に受けたかで違いが出る可能性があることを意味します。
築年数は融資にも影響します。
新耐震基準に該当する物件かどうかによって、融資条件にも違いが出るケースも。
入居者が安心して生活できる居室を提供するためにも、新耐震基準に適合した築年数(築40年以前)の中古マンションを選んだ方が良いでしょう。
2.中古マンション投資で知っておきたい築年数別のメリットとデメリット
投資用中古マンションを築年数別に見たときに考えられる、それぞれのメリット・デメリットをご紹介します
1)築10年未満の中古マンション投資
メリット
・新築よりも物件購入価格が安い
中古物件は、新築と比較して建物価格が割安です。
新築よりも少ない資金で投資物件を購入することができます。
・室内設備の状態が良好
築10年未満だとそれほど設備の劣化が進んでいないので、設備状態が良好な場合がほとんどです。
築年数が古いほど室内設備の劣化が進んでいるため、購入後すぐに設備交換を強いられる恐れがあります。
(そうしないと入居者が見つかりにくいです。)
そうなると余計に費用がかかります。
築10年未満だと設備交換の必要がないので、初期投資額がかさむ心配はありません。
・金融機関からの融資が受けやすい
金融機関は、「建物の法定耐用年数から築年数を引いた期間」を融資期間とする傾向があります。
法定耐用年数とは、簡潔に言うと「建物として価値のある期間」を指します。
建物にもRC造や木造など様々な種類があり、法定耐用年数も異なります。
建物の種類 | 耐用年数 |
RC造 | 47年 |
重量鉄骨造 | 34年 |
軽量鉄骨造 | 19~27年 |
木造 | 22年 |
一般的にマンションはRC造です。
法定耐用年数47年から10年差し引いても37年残っていることになり、それだけ長いローンを組める可能性があることを意味します。
築10年未満だと、金融機関からの融資も受けやすくなる点もメリットと言えます。
デメリット
築10年を超えると建物の価値は下落していく傾向にあるため、売却価格も低くなりがちです。
長期的に保有するのではなく、短期での売却を考える場合は、価値の下がりにくい立地を選ぶなど物件のステータスを慎重に見極める必要があります。
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2)築11~20年の中古マンション投資
メリット
新築マンションに比べてかなり価値が下がっているため、購入しやすいです。
入居ニーズの高い人気エリア等であれば、それなりの築年数でも需要があるので、大きなリフォームなどをせずとも家賃収入が見込めます。
デメリット
築11~20年のマンションは、一度目の大規模修繕が必要になる時期です。
そのため、タイミングによっては購入後すぐに大規模修繕となり、修繕費の追加徴収が行われる可能性もあります。
購入時は大規模修繕がどの時期に行われる予定なのか、どのような修繕計画となっているのかを確認するようにしましょう。
また、築20年未満だと物件価格が大幅に下落する恐れがあります。
募集家賃を下げたり、リフォームなど資産価値を上げるための支出も想定したりしておく必要があります。
3)築20~30年の中古マンション投資
メリット
築年数が20年以上経過すると、物件価格の下落は緩やかになっていきます。
購入時には1000~2000万円など比較的低価格で物件購入が可能です。
物件価格の下落幅が低いので、売却時には購入時の価格とそれほど変わらない価格で売却できる可能性があります。
デメリット
設備や室内の状態が老朽化してくるため、購入時には設備の入れ替えや室内のリフォームが必要となる場合があります。
また、建物自体も古くなってくるため、大規模修繕やメンテナンスが避けられない時期です。
購入の際には、新たな設備の導入時期や大規模修繕の実施時期、修繕積立金の状況等を確認しておきましょう。
4)築30年以上の中古マンション投資
メリット
築30年以上だと中古マンションをかなり安く購入できるため、都心部の人気エリアなど立地の良い物件であれば、高い利回りが期待できます。
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デメリット
築年数が経過していることから銀行からの担保評価が低く、物件価格分の融資も付きにくいため、持ち出し(自己資金)が多くなります。
築30年以上だと、法定耐用年数の残存期間もかなり短いでしょう。
金融機関からの融資期間が短く、持ち出しも多額で月々支払うローン返済額は高くなりがちです。
また、建築時からかなり年月が経過しているため、設備や間取り等が現在のニーズを満たしていないケースがあります。
入居者を獲得するためには、大掛かりなリフォームやリノベーションが必要になることも想定しておきましょう。
3.築年数はキャッシュフローにも影響する?
キャッシュフローとは、収入から経費を差し引いたものを指します。
つまり、「手元に残る現金」を指すのがキャッシュフローです。
マンション投資をするでは、利回りや帳簿上の赤字・黒字に目を向けることも大切ですが、マンションの維持や金利上昇時の繰上げ返済などには現金が必要であることから、キャッシュフローも重要な指標となります。
マンションの築年数は、キャッシュフローにも影響する要素です。
1)築浅のキャッシュフローは?
総じて物件価格が高額な築浅マンションは、キャッシュフローが少なくなりがちです。
ここでは、以下の条件で築5年のマンションに投資した場合のキャッシュフローをシミュレーションしてみます。
物件購入価格(金利含む):3000万円
頭金:500万円
家賃収入:210万円
<年間の経費>
管理会社への委託費用:12万円
固定資産税・都市計画税:約20万円
ローン返済:約118万円(返済期間30年・金利2.5%)
その他の費用:50万円
経費の合計:200万円
年間キャッシュフロー:10万円(家賃収入-経費の合計)
利回り7%で計算したところ、キャッシュフローは年間10万円という結果に。
この物件を10年間運用した場合の利益は100万円となりますが、築浅物件は長期修繕積立金が値上げとなる可能性も高いことから、注意が必要です。
また、築15年あたりになると、設備の入れ替えなど区分所有部の修繕も必要となります。
なお、10年後のローン残債は、1320万円です。
この時期に売却し、修繕費等で赤字になる収益を相殺し、一定の利益を得るには、2,000万円程度で売却する必要があるでしょう。
築浅物件は築古物件と比べて、資産価値の下落率も高い傾向にあるため、物件選びの際には資産価値が維持できるかについても着目したいところです。
2)築30年超のキャッシュフローは?
続いては、以下の条件で築30年のマンションに投資した場合のキャッシュフローをシミュレーションしてみます。
物件購入価格(金利含む):1200万円
頭金:500万円
家賃収入:100万円
<年間の経費>
管理会社への委託費用:6万円
固定資産税・都市計画税:約10万円
ローン返済:約50万円(返済期間17年・金利2.5%)
その他の費用:20万円
経費の合計:86万円
年間キャッシュフロー:14万円
築古のほうが総じて取得費が安く、利回りも高いため、キャッシュフローが増える可能性は高いです。
ただし、設備の故障や建具の損傷などのリスクも高いことから、突発的な費用がかかる可能性もあります。
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不動産投資のキャッシュフローについては、以下で詳しく解説しています。
関連記事:不動産投資で重要なキャッシュフローとは?計算方法やシミュレーションを解説
まとめ
中古マンション投資を検討する場合は、築年帯ごとの傾向を知っておくことが大切です。
築浅物件は、修繕にかける費用が抑えられる可能性が高いものの、取得費が高いため利回りやキャッシュフローの面では築古物件に劣ります。
逆に、築古物件は修繕など突発的な費用負担が生じやすいことがデメリットと挙げられるでしょう。
中古マンション投資を成功させるには、自分の投資スタイルに合った築年数のマンションを選ぶことが大切です。
また、高利回りを求めて築年数の古いマンションを購入する際にも、新耐震基準に対応した物件であるかどうかは必ず確認しておきましょう。