不動産投資に資格は必要?宅建は取るべき?

不動産投資ブームは去った、とも言われていますが、依然としてその人気は高いです。
そのため、今からでも不動産投資をしてみようかなと思い始めた方、また、すでに投資をしている方も大勢いらっしゃると思いますが、宅地建物取引士の資格が必要なのかどうか不安に思ったことはありませんか?
今回は、実際に資格が必要なのか、持っているとどういうメリットがあるのかを説明していきます。
1.宅建は必要?不要?
結論を言うと不動産投資には宅建の資格は必要ありません。
投資に関する資格ではないので、持っていないと投資が出来ないわけではないのです。
むしろ、オーナーの殆どが宅建を持っていないでしょう。
ただ、資格を持っていると「権利関係」「宅建業法」「法令上の制限」「税金関係」等、不動産における知識を得ることでいろいろな面で有利になります。
また、不動産投資は購入して終わりではありません。
購入後、物件を管理していくことも不動産投資では重要なポイントです。
そのうえでも、資格を持っていることはメリットと言えるでしょう。
それでは具体的なメリットについて、例を挙げていきましょう。
1)専門的知識を持つことで判断力を得られる
これから投資をしようと考えた場合、まずはセミナーに参加したり、投資用のパンフレットを見ながら検討したりすることになると思いますが、専門的な用語で書かれていたりします。
そんな時、宅建士の資格を持っていれば、専門用語に戸惑うこともありませんし、デメリットについても自分自身で気が付き、本当に良い物件かどうかを判断することも出来るようになるでしょう。
また、一度話を聞いてしまうと、買う気がなくても業者から昼夜問わずしつこい勧誘の電話が来てしまうこともありますが、これは宅建業法で禁止されています。
宅建士の資格を持っていることや、業法違反であることを伝えることで勧誘に対処出来るでしょう。
2)違法物件では無いか判断できる
投資用物件を買おうとする際、既に建っていて住人もいる物件なのだから法的に問題ないだろう、と安心してしまいがちです。
実は、巷には違法建築物件が溢れているのです。
知らないと損する違法建築物について
例えば建ぺい率、日影規制のための高さ制限、接道義務、耐火建築物等、これら法令上の制限に違反している建物が数多くあります。
そのような物件は融資がおりにくく、再建築がほぼ不可能なものもあるため、いくら現在の利回りが良くても投資物件には不向きでしょう。
宅建士の資格では法令上の制限を学ぶので、未然に違法建築物件の購入を回避することができます。
不動産会社が違法であることを意図的に隠しているケースもありますが、法改正等により、売主側が物件の違法建築に気づいていないケースもあるでしょう。
そういった場合でも、資格取得で得た知識を活用して購入を見送る判断が出来ます。
3)重要事項説明書の内容を理解できるようになる
不動産を購入する際、重要事項説明というのが必ずあり、重要事項説明書が発行されますが、宅建士の資格があれば、その内容をより深く理解出来るようになります。
もし知識がなければ、わからないことがあっても聞き流してしまったり、購入者である自分に不利な項目があるにもかかわらずその点に気が付かないまま購入してしまったりする可能性があるでしょう。
特に確認すべき事項を挙げます。
先程挙げた建ぺい率なども重要事項説明書に書かれていますので、必ず確認しておきたいところです。
また、抵当権が設定されているかどうかにも注意してください。
抵当権とは
購入する土地や建物に金融機関が設定する権利のこと。
抵当権が設定されていた場合、売主は、おそらくその物件を売って得た代金で抵当権を解除するはずですが、引渡しまでに抵当権を抹消出来るのかを聞いておく必要があります。
重要事項説明書の項目のうち、是非とも注意しておいてほしい一部を紹介しました。
この他にも権利に関することや法令上の制限に関しての様々な記載があるので、それらの知識を網羅している宅建士の資格があれば、必ず役に立つでしょう。
4)交渉に有利
資格を持っていることは、相手に素人では無いとアピールできることです。
「今すぐ買わないとすぐ売れてしまいますよ」
「こんなに良い物件はなかなか出ないですよ」
などという耳障りのいい謳い文句で取引を持ち掛けてくることでしょう。
しかし宅建士資格を持っていることで、相手に対してそれらが通用しないと印象付けることができます。
逆に相手の不備などを指摘し、交渉を有利に進めることも出来るでしょう。
また投資は買うだけではなく、売る側になることもありますよね。
その場合にも、法令に遵守した建物であることや信頼出来る物件であることを相手にアピールできるでしょう。
さらに、今後、売買を繰り返すことで利益を得たい、と考えている方には、宅建士の資格は必須となってくるかもしれません。
なぜなら、不特定多数の人を相手に反復継続して宅地建物の取引を行う場合には、自らが宅建士となるか、または宅建士の資格をもつ者を雇い、宅建業免許を得る必要があるからです。
5)購入した物件を管理する際役立つ
購入した不動産を管理していくうえでも宅建士の資格は必須ではありませんが、所有していることでのメリットは大きいです。
とはいえ、多くのオーナーは管理会社に委託をすることでしょう。
知識があるので、管理会社とのやりとりを円滑に出来ますし、しっかりと管理してくれているかも判断出来ます。
もちろん、自主管理においては、持っていることで入居者からの信頼が得られ、交渉もしやすくなるでしょう。
また、入居者の権利についても学んでいるので、入居者側の立場においての考え方も出来るというのが、管理する上で大いに役立ちます。
法の知識があり、入居者の権利や気持ちを理解して管理していれば、入居者がすぐ退去してしまったり、長く空室が続いたりするような事態はなくなるでしょう。
宅建士の資格は、そういったことがないようにするためにも有効なのです。
まとめ
不動産投資に資格は必要ありませんが、資格を得ることでのメリットは多くあります。
しかし宅建士の資格を得るのは容易ではありません。
宅建士の資格は国家資格で、合格率15〜18%と言われ、多くの勉強時間を必要とします。
しかし、知識を身につけることで、不動産投資については勿論、今後発生しうる様々な不動産問題について事前に回避することができますし、勉強して損は無いでしょう。
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